貫いた信念でつかんだ被疑者特定への手がかり
6年前、和久が八王子署にいたときに、一緒に捜査していた後輩刑事が強盗犯を確保する際に返り討ちに遭い、命を落とすという事件がありました。教育係を任されていた和久は「逮捕する瞬間がいちばん危険なんだってことをきちんと教えなかった」という後悔を抱え、被疑者を必ず逮捕すると誓い、時間があれば当時の捜査資料を読む日々を送っていました。
連続ドラマ第10話『凶弾・雨に消えた刑事の涙』では、手がかりを得られないまま、和久の定年退職の日が1週間後にせまっていました。
そんな折、青島は、以前麻薬密売人を探ったときに和久から紹介された、六本木でカジノを違法経営している龍村(眞木蔵人)から連絡を受け、「俺は警官殺しだ」と吹聴している男がいるという情報を得ます。青島は男の居場所を聞き出そうとしますが、龍村から“傷害罪で指名手配中の仲間を海外へ逃亡させる手助けをしてほしい”という裏取引を持ちかけられます。
悩んだ末に和久に相談すると、和久は「ああいう男は利用するのはいいけど一線を越えちゃならない」と取引に応じないよう制止。切迫した状況でも正しさを貫く和久は、わずかな情報をもとに単独で捜査をはじめます。そんな和久の姿を見た青島は、再び龍村のもとを訪れ「俺は誰とも取引はしない」と提案を突っぱねます。
青島が湾岸署へ戻ると、和久が男を事情聴取していました。和久と長年付き合いのある龍村は、和久と同じように正しさを貫く青島の姿を見て、男の居場所を匿名で送ってきたのです。
和久は早速、男を問い詰めますが、その男は友人が「警官殺しをした」と言っているのを真似ていただけでした。しかし、その友人は男と一緒にフィリピンから帰国したこと、拳銃を所持していること、右の頬に傷があり「安西」という名前だということを聞き出します。
時を同じくして、昇進に伴う研修を受けた真下正義(ユースケ・サンタマリア)と、警察官試験を終えた柏木雪乃(水野美紀)は、一緒に帰ろうとタクシー待ちの列に並んでいると、公衆電話を蹴り飛ばして暴れる男を見つけます。真下が男を止めようと歩み寄り、警察手帳を出したその時――。
男が拳銃を取り出し、真下の腹部へ発砲。
一部始終を目撃した雪乃は、通報を聞きつけ現場に駆けつけた青島に男の特徴を聞かれ、右頬に傷があったことを告げました。
そして、迎えた最終話『青島刑事よ永遠に』。和久の退職日当日、室井慎次(柳葉敏郎)の懲戒免職を覚悟のうえでの大胆な捜査もあり、安西昭次(保坂尚輝)を無事逮捕。湾岸署に連れ帰った青島は、安西が真下への発砲は認めたものの、6年前に和久の後輩を殺害したことは否認していることを告げ、和久に安西を託します。
3ヵ月間青島と過ごし、その正義を信じた和久は安西に「俺が辞めてもこいつがいる限り警官は死なねえぞ」と告げ、青島に取り調べを任せます。ずっと追ってきた男を自分で取り調べしないのかと戸惑う湾岸署の面々に、和久は「じゃ、あとは頼んだよ」とスッキリした表情で湾岸署を去って行きました。
