俳優、芸人と違うフィールドで活動してきた山本さんとゆりやんさんは、ともに稽古を重ねるうちに、いつしか“同志”のような絆が芽生えていったのだそう。稽古の細かな内容を尋ねると、二人は「思わず驚いた瞬間や、初めての体験がいくつもあった」と笑顔で振り返ります。
山本耕史&ゆりやんレトリィバァ “ビブラート禁止令”に悪戦苦闘
――ゆりやんさんは芸人以外にラッパーとしても活動していますが、歌やダンスの稽古でどんなことを感じていますか?
ゆりやん:喉の弱さを実感しております。
山本:スポンジのようにどんどん吸収していってますよ。今回、すごく腑に落ちたことがあって。日本では朗々(ろうろう)と歌い上げて、ビブラートしている人が「上手い」という印象でしょ?それがこの稽古では「絶対にするな」って言われているんです。
セリフに音がのっていれば、ビブラートをかけた瞬間、「歌」になるって。日本のミュージカルを批判しているわけじゃないけど、そこが根本的に違うんだなって思った。
ゆりやん:よかったです、ビブラートをかけられなくて(苦笑)。歌い方を変えるのって難しいですか?
山本:例えば、平均台に乗ったときにまっすぐ歩くのが難しいから、両腕を広げてバランスをとるわけじゃない?その腕がビブラートだとしたら、「腕を上げるな」って言われているようなものだから、落下するか足をぶつけるなどの恐怖と隣り合わせという状態。
正しい音階を見つけるためにビブラートをかける人もいるけど、一発で正解の音を出さなければいけないから、相当な技術を求められるよね。
ゆりやん:幼稚園からいきなり大学に入った心境です。
山本:でも、この話面白くない?
ゆりやん:面白いです。今後の仕事でビブラートを求められたら「ほっとけ!ブロードウェイでビブラートはいらんねん!」って言いたいです(笑)。ありがとうございます、勉強になりました。
撮影:河井彩美
ヘアメイク:佐藤友勝
スタイリング:笠井時夢
衣装協力(山本耕史さん):ジャケット¥99,000、シャツ¥39,600、パンツ¥56,100/SEVEN BY SEVEN(セブンバイセブン フラッグシップストア TEL03-6407-8719)、その他スタイリスト私物
<公演情報>
日米合作ブロードウェイミュージカル『フル・モンティ』
【東京公演】8月19日(水)~9月7日(月) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】9月10日(木)14日(月) 新歌舞伎座
脚本:テレンス・マクナリー
作詞・作曲:デイヴィッド・ヤズベック
原作:映画『フル・モンティ』
演出:トレイ・エレット
振付:ポール・マギル
音楽スーパーバイザー:キャサリン・A・ウォーカー
オーケストレーション:ハロルド・ウィーラー
ボーカルおよび付随音楽編曲:テッド・スペリング
ダンス音楽編曲:ゼイン・マーク
出演:山本耕史、Adam Chanler-Beret、Greg Hildreth、ゆりやんレトリィバァ、John Hemphillほか
