──『東京』を制作するうえで大切にしたこと、制作過程で印象的だったことを聞かせてください。
オファーをいただいたときに「こんな感じの曲を」とリクエストいただいたのですが、それが自分と重なりすぎていて、自分と向き合う時間になったなと思っています。
──自分と重なったというのはどういう点でしょうか?
「この街で、いまも自分らしさを探している。」というキャッチコピーが特に心に刺さりました。“未来の計画”として想像していたものが目の前にあったり、想像とのギャップに悩んで、葛藤する人たちの姿を描くドラマなのかな、と。それが今の自分と重なりますね。
──そうしたドラマへの共感は制作にも影響していますか?
そうですね。私は、曲も詞も並行して作ることが多いのですが、これまでは割とパッと出したものがハマって、歌詞などを書き直すということはほとんどなかったんです。
でも、今回は自分と向き合いながら作るなかで、「もっと深い何かがあるんじゃないか」「自分はこう思うけど…」といろいろと考えることがあり、何度も歌詞を書き直しました。
──それは納得いかなかった部分が大きいのでしょうか?
自分と重なる部分があるのに、自分が見えていない、思いがうまく言語化できていないなと感じることがあったので、納得できていなかったのかなと思います。
ふみの 歌詞へのこだわり「僕」「私」一人称はどちらがいいのか…「2番のAメロはレコーディング直前まで修正」
──『東京』の詞には一人称として「僕」が登場しますが、「僕」にしたこだわりがあれば聞かせてください。
これはすごく悩んだ部分です。「私」の時期もあったんですよ。最初は「僕」で、そのあとに「私」になり、レコーディングの段階で「僕」になりました。
「私」にすることで伝わるものがあると思っていたのですが、レコーディングをしたときに「『僕』のほうがまとまりがいい」という意見が出て話し合い、結局「僕」に落ち着きました。
ほかにも、2番のAメロは全部直しましたね。どうにか自分の思いを入れたくて、レコーディングの直前まで修正していました。
──1番のAメロなど、情景が浮かぶ歌詞も印象的ですが、ご自身の体験なども盛り込まれているのでしょうか?
“揺れる電車”の箇所ですよね。あれは、いつも書いている作詞メモにあったものです。満員電車に乗っていて、トンネルに入って外が暗くなったときに、窓に映った自分が「めっちゃ疲れてるな」と感じたことがあって。「この自分、見たくない」とメモをしていたんです。それがこのドラマと合うなと思い、歌詞に入れました。
──作曲でこだわったポイントを聞かせてください。
『東京』は、アレンジがすごく好きなんですよね。作曲はギターでしているのですが、曲が出来上がったときに、1人、路上で葛藤しながら、頑張って歌っているイメージが浮かんだので、「これは絶対、アコギを持って弾きたい」と思い、アコギの音を残してもらいました。
──先日の『FNS歌謡祭』で初披露しました。歌ってみていかがでしたか?
『東京』初披露で、しかも、生放送で、生演奏だったのですごく緊張しました。でも、すごく楽しかったです。
「早くフルで聴きたい」という声もいただいたので、リリースが楽しみです!
