<上田大輔 コメント>

甲山事件は、刑事司法のあり方やマスメディアの事件報道、障害者や子どもの人権まで考えさせられる、今なお根深い日本社会の問題の縮図のような事件です。しかし、21年に及ぶ刑事裁判の末に無罪が確定した大きな冤罪事件でありながら、時間の経過とともに忘れられつつあります。

決して風化させてはならないという思いで、取材に挑みました。当時の事件報道のあり方も考えさせられ、これまでのドキュメンタリーや映画『揺さぶられる正義』を通じて問いかけてきたことに連なる取材でした。

司法の知識をもって冤罪の取材を重ねてきた、自分にしか届けられないドキュメンタリーだと自負しています。