古田新太さんが、引き際について語りました。

8月13日(日)の『ボクらの時代』は、古田新太さん、早乙女太一さん、早乙女友貴さんが登場しました。

古田さんは、劇団☆新感線の看板役者として舞台に立ち、来年40周年を迎えます。

太一さん、友貴さん兄弟は、父親が立ち上げた大衆演劇「劇団朱雀」で幼いころから全国の舞台に立ってきました。

9月14日(木)に東京公演からスタートする、劇団☆新感線の最新作、いのうえ歌舞伎「天號星」の稽古中という3人は、プライベートでも親交を深める仲です。

早乙女太一「ヨーヨーを引きずりながら…」子役時代の失敗談

左から)早乙女太一、古田新太、早乙女友貴

大衆演劇の家に生まれた太一さん、友貴さんの幼少期の話題では…。

友貴:給食は、人生で1回しか食ったことがない。

古田:うそ!

友貴:ずっと舞台やってるから。たぶん、兄貴もそうで。

太一:2、3時間目までしか行かないからね。

友貴:そう。学校行っても、2、3時間目終わったら、もう帰るんですよ。帰って、舞台やらないといけないから。

古田:なんだ、その義務教育。

太一&友貴:(笑)。

友貴さんは「昼と夜公演の間に家庭教師が来て、勉強して、夜公演」と当時を振り返りました。

古田:どう過ごしてたの?

太一:どうしてたんだろう?何もしてないな。ずっと劇場にいた、劇場っていうか、楽屋にいたんで…。

友貴:(大きくうなずく)

太一:何してたんだろうな?

友貴:外に出てないですもん。

古田:ああ、そう。

友貴:まったく、出てないです。

太一:ヨーヨー、流行ってましたね。

太一さんは、当時ヨーヨーが流行っていたことを思い出し、「僕は主人公の息子役で、直前までヨーヨーやっていて、出番となったときに、ひもがとれなくてそのままヨーヨーを引きずりながら出て、怒られました」と、子どもらしい失敗談を回想しました。

早乙女友貴「兄と似ていると言われるのが嫌だった」

幼少期から舞台中心の生活を送っていた太一さんと友貴さん。友貴さんは、俳優という職業を「やりたくて始めたわけじゃない。気づいたらそうなっていた」と語りました。

太一:俺は、16、17歳で、初めてほかの舞台に出たんですよ。それこそ、劇団☆新感線もそうだったんですけど。

古田:うん。

太一:衝撃的でした。「こんなに真面目に向き合うんだ、舞台に」って。

古田:ほうほう。

太一:俺の感覚では、(舞台は)当たり前にあるものというか。ご飯食べるのと同じくらい、それは良くない感覚なんですけど、当たり前にあって。だから、仕事という感覚もないというか。その境目もなかったので。

古田:なるほど。

太一:「舞台って、すげーことなんだな」っていうのが、ようやくわかって。

古田:あまりにも、日常だったんだね。

友貴:そうなんですよ、本当に。

古田:だって、地方回りとかしてたら、劇場に住んでたりするんだろ?

太一:基本、劇場です。

友貴:楽屋です。楽屋に布団敷いて。

古田:それで、(全国を)転々とするわけでしょ?

太一:でも、劇場は僕たち少なくて。劇場は、大衆演劇の中でもお客さんを呼べる人じゃないと出られないから。基本は、健康ランドが多かったです。

古田:そうか。

太一:健康ランドの大広間の、お客さんがご飯を食べながら、たまにカラオケを歌うような小さなステージで、1ヵ月間公演するというのが基本でした。

古田:そのときは、どこに泊まるの?

太一:楽屋です。それか、寮みたいなところが。プレハブみたいなところですけど。

古田:おもしれーなぁ!知らないことがいっぱいあるな、やっぱ。

そこで、古田さんが兄弟でお互いをどう思っているのかも聞くと、「良いところも悪いところも含めて、似たような動きをしているところがあるので、鏡を見ているよう」と太一さん。

友貴:俺に関しては、ここ(太一さん)がずっと目の前にいた人だから。それを見て育ってきちゃったもんだから、やっぱりどうしてもそっちに寄っちゃうんですよね。やり方だったりとか。

古田:うん、それはそうだよ。

友貴:それを、外部の舞台に出たときに「変えないとな」と思って。やっぱり「似てる」と言われるし、比較もされるし。それが自分の中で嫌だったので「自分の色を出さないと」と思って。そこからやりはじめて。でももう、最近思うのは「しょうがない」って(笑)。

古田:それがな、友貴に言いたかったんだけど、もう…似てないぜ?

太一&友貴:(笑)。

古田:もう、お前ら、似てない。

友貴:あ、ホントっすか(笑)?

友貴さんは「自分の色というか、自分が自分の色だから、変に考えなくていいやって。最近はそういうふうに思っています」と、現在の心境を明かしました。

古田新太が語る、すべての俳優のジレンマ

古田さんは、俳優としての引き際について、今の思いを語り、太一さん、友貴さんは年齢を重ねることに思いを馳せました。

古田:俺は、なんだか知らないけど「41歳で終わり」と思っていたの。

太一&友貴:え!?

古田:あの、バカボンのパパの歳なんだけど。

太一&友貴:(笑)。

古田:「41歳まで続けられたら、俺、えらいな」って思ってて。けどもう、超えちゃってるし。そこから目標を「60歳」にしたの。でも、あと1年半か。

太一:そうですね。

古田:さぁーて、どう引退するかなっとか思って。今のところ思っているのは、テレビと映画、やめようかなって。

友貴:ああー。

古田:舞台だけにしちゃおうかなって。でも、これも変わるかもしれないしね。

太一:どうなるか、わからないですからね。

古田:わからないもん。

友貴:今は動いてナンボじゃないですか。若いから。動いてでしかやれないし、それしか取り柄がないんでやってるんですけど。それが、年とってくるとできなくなってくるじゃないですか。そうなってくると…考えただけで怖いですもん。

古田:これ、友貴な、すべての俳優のジレンマなの。スキルが上がるのに、体力がなくなる。絶対に、20代の俺より、40代の俺の方が上手いのに、20代のときにできていた体技ができなくなっている。それが、50代になったとき、明らかに…。

太一&友貴:あはははは!

友貴:そうっすよね…。

太一:俺、健康ランド作りたいって思ってるんですよ。

古田:お!?どうした、どうした?

友貴:(笑)。

太一:もともと、健康ランドで育っているっていうのもあるし…。

古田:健康ランド出身だからな(笑)。

太一:はい。健康ランド出身なんで(笑)。健康ランド作って、ステージさえあれば、仕事なくなってもそこでできるじゃないですか。

古田:あ、そうだな。

太一:自分が歳とったとき考えると…。

古田:ああ、かっこいいな。

太一:自分が好きな人呼んでやってもらうでもいいし。

古田:いいよ!俺と(池田)成志でカラオケ歌いに…。

太一:(笑)!

友貴:最高じゃないですか!

最後は、太一さんが「(今回の収録で)珍しい話をいっぱいできた」と言うと、古田さんも「マジで面白かった!お前らの小学生のときの話とか」と大満足の様子。

「明日からも稽古を頑張って、なるべく面白い作品を届けましょう」と舞台への決意を新たに、鼎談を締めくくりました。

最新放送回は、TVerFODで無料配信中!