いやー、前回のお話、とてつもなかったですね?(急に?)

(前回の第5話をしばらく振り返ります…見逃した方は、ぜひ追っかけてください!)

いやだって、百目鬼(どうめき)村にやって来た親子が、実は娘を愛せない夫婦で(夫は自分の子どもではないし)、なおかつネグレクトしてて、それを『グランマの憂鬱』ってドラマは、主人公であるグランマ(萬田久子)は、どう解決へと導くのか?っていうとてつもない難題物語を、固唾(かたず)を飲んで見守ってたら…。終盤、母親がグランマへ泣きながら懺悔(ざんげ)し始めて…あぁ、懺悔して、反省して、グランマが諭(さと)して、とりあえずハッピーエンドにするんだな…嫌な予感…なーんて思ってたら、グランマが一言…。

「この村が、お前さんの娘を育ててやる…」

「この村は、そういうところだ…」

なんちゅう結論!!でもって、それを挟んで、ラスト、ネグレクトを受けていた娘がママの方へ駆け寄っていって、摘んだ花を渡そうとする…んだけど…えぇ!?ここへきて、母が娘へ泣き落とし!?それでやっぱりハッピーエンド??そりゃないぜ…再び嫌な予感…なーんて思ってたら(翻弄され過ぎ)、手渡した花は母の手からこぼれ落ち、娘は踵(きびす)を返して去っていく…って、なんちゅうドラマ!!

まず、ネグレクトを受けていた子どもをどう救うのか?の答えは、どんなドラマでも、どこへ着地しても、大抵は賛否両論になると思うんだけど、この、“村が育てる”っていうのは、『グランマの憂鬱』だからこそ導くことができる“覚悟”の結論ですよね。で、その結論を視聴者に納得させる…というより、視聴者にちゃんと咀嚼(そしゃく)させるために、この第5話まで “百目鬼村とはどういう場所なのか?”を丹念に描き、“この村は、そういうところ”と言わせるだけの説得力を持たせた。

で、その子どもの引受先として、村民が集まるレストラン「夢竹」の夢二(金子昇)と竹郎(神尾佑)という同性カップルをさりげなく配置しておいて、この第5話の段階でエピソードを展開させる…という用意周到。そして、その二つの要素のおかげで、自然と“村が娘を育てる”へと導いていく…ってわけだけど、そうはいっても“村が娘を育てる”ってのは、“大人が勝手に導き出した結論”なわけだから、子ども自身の気持ちはどうなのか?ってのをトドメとして、“こぼれ落ちる花”と“踵を返す”という、多くを語らない演出でありながらも克明に描写する…!!って、うん、なんちゅうドラマ!!このドラマ、『グランマの憂鬱』とか、ノンキなタイトルで放送してる場合じゃないですよ!!??(どういうこと!?)

GW明けの五月病…的な“憂鬱”をグランマはきっと晴らしてくれます!!

はい。っというわけで(切り替え早っ)。前回のとてつもない回を経ての、今回の第6話のテーマは、“働くこととは?”。

ある日、スーツ姿の若い女性(森迫永依)が百目鬼村に迷い込むんだけど(正確には迷い込んではいないけど)、ここでいつものように何かを“察知”したグランマは「しばらくこの村で過ごすといい!」とかなんとか、通常のドラマであれば、“なんでそうなるんだよ!”ツッコミ必須なのにも関わらず、もう僕ら視聴者は慣れたもんで、そうそう、“この村は、そういうところ…”って、余裕ぶっこいて見ていられる安心感。で、また、百目鬼村にもう一人、ビシッとスーツを決めた中年男性(徳重聡)まで迷い込んで(迷い込んではない!)、それにも何かを“察知”したグランマは…一体どうなる??というお話。

なぜ若い女性は百目鬼村に迷い込んだのか?そして、そこへまた、なぜ中年男性も現れたのか?を、僕らの想像に沿うような展開で進行しつつ、安心させておいて、だけどその想像を少しずつずらしながらスリリングに、とはいえ、その“ずらし方”も奇をてらっていない心地よさもありつつ、グランマだからこその解決方法によって、今回は爽快なラストを迎えます(前回があまりにもとてつもなかったんでね…)。

働くこととは…?を、若い世代・中年の世代・グランマの世代、それぞれの視点で紐(ひも)解いて、グランマの“喝”やそのお言葉も決して説教臭くはならない、どの世代でもわかり合うことで、見え方を変えることで、自分も変われる…という、至極真っ当な教えを、このドラマらしい素敵なエピソードで紡いでいきます。

で、今回は、その様子…「見え方が変われば自分も変われる」って部分を、今回も亜子ちゃん(加藤柚凪)の視点で、とってもかわいらしく代弁しているところがポイント。亜子ちゃんの目から見えた、若い女性=“シンデレラ”、中年男性=“スーパーマン”という視点が、物語全体にかわいらしさ…の奥にある“深さ”、も与えてくれます。

この時期、新卒社会人の多くが待ち受ける、GW明けの五月病…的な、そんな“憂鬱”を『グランマの憂鬱』はきっと晴らしてくれます!!若い人も、中年(僕)も、グランマ世代も、どの世代にも響くストーリー!今回もお見逃しなく!!