<ドンデコルテ 渡辺銀次 コメント>

――決勝進出が決まったときは、どう思いましたか?

まず安心しました。というのも、私のピンネタを見た芸人が「今年は決勝、あるぞ」と、ずっと言ってくれていたので。「期待を裏切らずに済んだ、危ねえ」という気持ちでした。

2025年の『M-1』で準優勝もしたから「今回はあるぞ」という言い方ではなく、ネタをしっかり見て期待してくれたのがうれしかったです。

ただ私自身は、今の自分の状況は脳みそが全然追いついていません。どれだけ「今、がんばらなきゃ」と思っても、もう40歳ですから。20代で売れている芸人のようにはいきません。体が慣れていきませんから。私は、秋と書いて「思秋期(ししゅうき)」と呼んでいるのですが、冬に向かう複雑な時期なんです。

――ファイナリスト9人を見ていかがですか?

自分が出ていなかったら「おもしろそう、見たいな」と思える大会です。他人事ならそうなんですけど、自分事なので「最悪…。おもしれえやつばっかりじゃん」です。

意識している人は、ルシファー吉岡さん。決勝記者会見のときに気づいたことがあって、ルシファーさんの方が年齢は上ですけど、芸歴は同期なんです。信じられませんよね。

だって、自分は今回で8回目の挑戦ですけど、ルシファーさんは決勝進出がこれで8回目。『R-1』でずっと見ていたルシファーさんと激闘を繰り広げることができたら、「ルシファーくん」と呼べるようになるかなって。今はまだ見上げる存在です。『R-1』の生き字引ですから。

――「これだけはファイナリストの誰にも負けない!」と誇れる強みはありますか?

ファイナリストの中でも、私が一番しゃべると思います。いっぱいしゃべって、いっぱい届けます。正面から、まっすぐに話を伝えるのは私です。『M-1』のときは「私はこういう人間です」という話をしましたが、『R-1』では「どうなんですか、これは!」と訴えかけます。

――ドンデコルテ 渡辺銀次さんにとっての『R-1グランプリ』とは?

「命綱」です。何の仕事もなく、コンビも組まずピンネタだけを作っている時期も長くあって、その間「もう、芸人を辞めようか」と考えることもありました。両親にも肩身の狭い思いをさせていたはずですし。でも芸人の道を諦めても、この年齢で採用してくれる会社は少ないでしょうから。誰も私を雇ってくれないと思います。

そんななか、『R-1』だけは私を受け入れてくれる大会だと感じていました。3回戦で落ちたときも「あっ、笑ってもらえている。自分のことをわかってもらえているんだ」って。『R-1』のおかげで芸人を辞めずに済みました。

今回は、かつての自分を救ってやる大会だと思います。ここで優勝したら、あのときの自分がめちゃくちゃ喜んでくれるはず。守谷日和さんも「そのときの自分が喜ぶんちゃう?うれしいやろうな」と言ってくれました。自分にとって『R-1』は救いです。