山田裕貴が一途に思い続けているコト
──太陽は就職を機に離ればなれになった雨を一途に思い続けていました。そんな太陽のように山田さんが思い続けているモノ・コトはありますか?
「“いい人間である”とはどういうことだろう」ということをずっと考え続けているかもしれません。
僕はもともと、人が笑っていないとそこにいていいのか安心できない子どもで。両親が厳しかったこともあって、僕を含めて家族はみんなもの静かなんです。でも、家族の前でも頑張ってふざけて、「あ、笑ってくれた。ここにいていいんだ」と安心していました。
学校も同じで、同級生を笑わせて「俺、ここにいていいんだ」と確認しながら過ごしていたんですよね。たぶん、そういうことでしか自分の存在意義を見出せなかったのかもしれないです。
そういうことが根づいてしまっているから、“いい人とは”とか“愛情とは何か”ということを考えることが好きなんですよね。
──最後に、今後の放送で注目してほしいポイントを教えてください。
五感を失ってしまう状況で、太陽たちのように見守る側の人たちはどういう感覚でそばにいるのが、雨ちゃんにとっての幸せなのか。何もかもしてあげようとすることが“優しさ”かと言うと、そうではなくて、傷つけてしまうことかもしれないですよね。
僕自身、親や友人に対しては“施さない”と決めていて。もちろん味方ではいますし、「助けて」と言われたら絶対に助けに行きますが、求められるまでは見守るようにしているんです。その人の人生ですし、こちらが優しさのつもりでやったことで、相手を傷つけたくないですから。そういう自分の行動を見つめ直せるドラマだと思います。
そして、太陽の父・陽平(遠藤憲一)の花火師の師匠としての顔と父親としての優しさや愛情深さ、雨ちゃんのおばあちゃん・雪乃さん(余貴美子)の愛情なども散りばめられているので、雨ちゃんと太陽の関係性だけじゃなく、いろいろな視点から見てもらえるとうれしいです。