10月1日(火)より男子の試合が始まる「FIVBワールドカップバレー2019」。東京オリンピックに向け、活躍が期待されるバレーボール男子日本代表にフジテレビが密着していた。 バレーボールの世界最高峰リーグ・イタリアセリエAでプレーし、先日セリエA・パドヴァに移籍が決まった、バレーボール男子日本代表のエース石川祐希選手(23)だ。
石川選手は、高校時代から活躍し、大学時代に日本代表に初選出。中央大学在学時からセリエAでプレー、卒業とともにプロ宣言し世界最高峰のリーグに本格参戦した。
昨シーズン、所属していたチーム(シエナ)では、唯一全26試合スタメン出場し、シーズン通算376点をあげ、セリエA全211選手の中で12番目の成績を残すなど、世界のトップ選手に成長したことを証明した。イタリアでプレーするのは、4回目となるが、シーズンを通して怪我なく戦えたのは今回が初めてという。
急成長の裏には、一体何があったのか?
石川選手のイタリアでの生活に密着し、その成長の秘密を探った。
苦手なトマトの克服し、食事に変化!
石川選手は、週に1~2回、地元のスーパーに出向くという。そして、自ら野菜や肉を丹念に選び、かごに入れていく。
以前は、チームのレストランでパスタとピザを食べるのがルーティンだったというが、昨年秋から栄養士をつけ“栄養管理”を徹底。外食生活から自炊生活に切り替えたのだ。
「栄養士さんに(自分が食べた料理)の写真を送ったとき、『他に摂った方が良いものはありますか?トマト以外で』と聞いたんです」
当時を振り返った石川選手は、トマトが苦手だったことを告白。しかし…
「でも、そういえばトマトも火が通っていれば食べられるよな…と思い、スープに入れて食べるようになったんです」
創意工夫で苦手なものも克服できたことを明かした。そう、石川選手の強さの秘密のひとつは、食事の変化にあったのだ。
スーパーで買い物中にも、イタリア人女性から声をかけられて写真撮影に応じる場面も。実力だけでなくイタリアでの知名度も上々だ。
自宅で手料理披露!その腕前は…
買物を済ませた石川選手は、自宅へ。
イタリアに行って初めて作ったのは、ほうれん草を炒めたものと目玉焼きのみ。
昨年までは、ブロッコリーと人参とレタスのサラダに肉など簡単なものだったが、今では嫌いなトマトを含め、野菜もなるべくたくさんの種類を食べるようにしているという。
この日のメニューは、じゃがいも・玉ねぎ・人参・パプリカ・ブロッコリー・トマト・鶏肉の彩り鮮やかなスープ、お肉、白米、フルーツ、ヨーグルト。
今まではシーズンを通して戦うと体重が減ることのほうが多かったが、今シーズンは約84kgから86kgと、むしろ体重が増え、筋肉量も増加した。
良い環境より厳しい環境を選んでプレーする理由
食事で身体面のコンディションを整えた石川選手。海外でプレーすることで精神面も鍛えられているという。
イタリアでプレーする事について「チームメイトの半分は外国人、しかも違う国の選手ばかりなので、環境がいいとは言えないが、その中でバレーボールをやることが非常に充実しているというか。ストレスは感じますが、非常に自分の為になっていると思いますし、それが代表につながると思います」と力強く語った。
さらに「海外にいても、オリンピックがもう間近だということは頭に置いてプレーしています。バレーボールを盛り上げるとなったら代表で勝って結果を出すしかないと思っているので、そこに対する気持ちが強くなりました」とプロになった事で代表への思いを強くした事も明かした。
日本代表として戦う国際試合の多くは、必ずしも環境が整っているとは限らない。
そこで力を発揮するために、万全な環境での生活よりも、厳しい海外での生活の中で強くなる事に意味があると語る石川選手。
その思いは、ワールドカップ、そして、東京五輪へとつながっていく。