高岡早紀が、自称28歳のヒロイン・雨宮リカを演じ、話題を集めているオトナの土ドラ『リカ』がついにスタートした。本作は、五十嵐貴久の原作『リハーサル』と『リカ』を2部構成で描くサイコスリラー。

「女は28歳で結婚し、家庭に入るのが一番の幸せ」

そんな乙女のような結婚観を持つリカは、愛する人を手に入れるためなら手段を選ばず、恐るべき犯罪を次々と遂行していく。

第1部でリカのターゲットとなったのは、小池徹平演じる花山病院の副院長・大矢昌史。第2部は、その3年後、大谷亮平演じる映画会社のプロデューサー・本間隆雄がターゲットとなり、純愛という名の狂気に追い詰められていくことに。

オファーされた時には、「この役柄をどう演じればいいのか、すごく悩んだ」と話す高岡に、役柄、演じた感想、家族や周囲の人たちの反響、自身の美容と健康、女優と母親としてのスタンスなどを聞いた。

<高岡早紀インタビュー>

――“永遠の28歳”を演じる上で、すごく悩んだそうですが、実際に演じてみていかがですか?

逆に、その迷いとか不安なものを乗っけていくことで、リカをうまく演じられると考えるようにしました。28歳だと信じ込んでいるけれども、それよりもだいぶ多い人生経験を踏んでいるわけですから、それを28歳に落とし込むとリカ自身も不安定な部分があったり、ゆがみが出てくると思うんです。そんなリカの不安定さと、私自身の不安がうまくリンクするのではないかと思って演じています。

――役作りについては、どんなことをされたのですか?

今回、髪型にこだわりを持ちました。まっすぐに揃えた前髪を作って、若いんだか若くないんだかわからない感じのリカのヘアスタイルを作りました。

衣装は、劇中にハーバリウムというガラスビンにお花を入れオイル漬けにしたものが象徴として出てくるのですが、それに関連づけて、すべて花柄でそろえていただきました。

――リカは、“怖い女”というイメージが強いですが、魅力は?

リカは、みんなから疎まれる人だと思うんですけれども、その中でも彼女の悲しみや怒りという内面に秘めているものが垣間見られるシーンが随所に出てきます。その深みの部分も感じ取っていただいて、それを彼女の魅力だと思っていただけたら、とてもありがたいです。

――ご家族の反応はいかがですか?

娘は9歳で、今回の作品は娘が楽しめるような内容ではないですけれども、ちょっと見せてみようと思って、実は第1話を見せてみたんです。劇中で、私が「雨宮リカ、28歳です」と言ったら、「はっ!?若っ!!」って言っていました(笑)。「その声はどこから出たんだ?」というような声を出して。そして、私の顔を見ていました。

他のシーンは、怖いから見ないとか言っていましたけど、ちらちら見ながら「またなんかやりそうだね、この人」って、なんか楽しんでいましたね。

――小池さん演じる医師の大矢、大谷さん演じるプロデューサー本間と、リカのターゲットは、まったくタイプが違いますね。

リカは、ビジュアルで選ぶのでもなく、内面を知る前から運命の相手だと思ってしまうので、中身でもなく、ただ直感だけなんです。大矢さんと本間さんが違うタイプだからこそ、それがリカの深みになったりするのかなと思っています。

――相手の男性によって、リカの追い詰め方も変わりますか?

そうなんです。相手の職業も変わってきますから、追い詰め方がまったく違います(笑)。

第1部では、大矢先生を運命の相手だと思い込んで、看護師として病院に入り込んで。一途になればなるほど“純愛モンスター”化していくんですけれども、相手を手に入れるためには手段を選ばないので、患者や看護師など、どんどん人が消えていくんです。

第2部では、その3年後の設定で、リカはもう看護師ではありません。大谷さん演じる映画会社のプロデューサー・本間さんとはマッチングアプリで出会うのですが、初めはメールでのやりとりだけなので、なかなか直接は会わないんですよね。でも、ある意味、追い詰め方がパワーアップしていて、リカにはこういう部分もあったんだという、新たな発見や面白みが出てくると思います。

健康法は、ストレスを溜めないことと愛犬の散歩

――内容とともに、撮影スケジュールも非常にハードだと思います。健康や美容のためにやっていることはありますか?

私は、もともと健康で、今までも体調を崩したことがほとんどないんです。お肌ももともと強いみたいで、肌荒れで悩んだこともほとんどなくて。だから、何かできたらよっぽど悩み事があるとか、ストレスが溜まっているんだなと思うくらい(笑)。

ただ、規則正しい生活はしています。朝は早く起きて、夜も深夜0時前には寝るようにしています。お肌には、睡眠が一番いいですから。

あとはやっぱり、一番大事なのは心の健康ですね。ストレスを溜めないこと。たとえば、お酒もストレス解消になるなら適量は飲んでもいいと思います。私も、仕事が終わったあとは、1杯は必ず飲みます。飲まないと一日が終わった気がしなくて寝られないので(笑)。

お休みの日は、お酒を飲みながら、時間をかけて夕食を作ったり。その時間を楽しむことでストレス解消になりますから。

最近の健康法は、大型犬のダルメシアンを飼っているんですけど、できるときは朝晩1時間以上の散歩をすること。とにかくすごい力があるので、背中から肩にかけるリードをつけて連れて行きます。坂道なんて引っ張られないように足を踏ん張っていないといけなかったりするので、結構筋肉も付きました(笑)。

――家庭と仕事のオン・オフはどのようにされているのですか?

子供を持ったら、どうしてもオン・オフをうまくやらないといけなくなります。男性みたいですけど、仕事は仕事、家庭には持ち込まないというふうに上手に切り替えられるようになったのは、やはり子供を産んでからです。

完全に、仕事は外。家で子供が起きている時間に仕事のことを考えると、子供の話が聞こえなくなってしまうんです。それは、子供たちにとって悪影響ですから。だいぶ前にそのことに気づいたので、子供が起きている時間に台本は見ません。

役柄をきちんと体に入れておけば、家と仕事の切り替えは瞬時にできるくらいベテランになりました(笑)。

――昨年は、ご自身のデビュー30周年の節目でした。女優として変化はありましたか?

『リカ』も、子供がまだ小さければやっていない作品だと思います。でも、娘も9歳になり、もう自分自身を確立しつつある時期になっています。自分はこう、ママはこうという考え方にもなってきているので、だいぶ私も好きなことをやってもいいと思うようになりました。

今作は、これまで演じたことがない役柄に挑戦しています。私がリカを演じることで、どんな化学反応が起きるのか。今までにない高岡早紀をお見せできたらと思っています。

撮影:斉藤美春/スタイリング:寳田マリ/衣装協力:Chesty

<独占インタビュー動画>