結果が出ても出なくても、後悔することがいっぱい

――狩野さんはこれまで、ドラマ『世にも奇妙な物語』『推しの王子様』、バラエティ『全力!脱力タイムズ』など、数々の番組に企画から携わっていますが、今作には、どんな思いで関わっていますか?

この仕事をしていると、良い結果が出ても出なくても、後悔することがいっぱいあります。「ああしとけばよかった、こうしとけばよかったのかも」って、大なり小なりあって。

でも今回、強く意識したのは「もう、そういうことは、あまり思いたくない」ということ。だから結果がどうであれ、今回は後悔しないというか「一生懸命やったぞ、やるだけやったぞ」と思えるようにやりました。ドラマに限らず、どの仕事でもそう思える状態になることを目指しています。

――そういう後悔を減らすために、心がけていることはありますか?

もう、とにかく一生懸命やるとしか言いようがないですね。あとはやっぱり、死ぬほどテレビを見る。どんなに忙しくても、なるべく見ることが大事だなと思っています。

ちなみに、僕が今好きな番組は『映像の世紀』と、『病院ラジオ』(いずれもNHK)。他局ですけど(苦笑)。

番組を作っていると、みんなどうしても目先の作業に追われてしまいますが、やっぱり中(自局)の番組だけではなく、外も見ないといけないと思います。だってテレビの何がすごいって、みんなが一生懸命作った番組を、基本的に全部タダで見られるんですよ。

配信コンテンツでも「韓国ドラマ『ザ・グローリー』(Netflix)が人気の理由はなんだろう」とか、勉強になる教材がいっぱい転がっているから、できるだけ拾うようにしています。

そうやって、頭のなかのストックを増やしていくしかないのかなって思います。まあ、だいたいすぐ忘れるんですけどね(笑)。

――最後に、狩野さんが“スタートUP”してみたいことがあれば、教えてください。

番組企画というのは、毎回新しい番組を作ることなので、ある意味、今の仕事自体がスタートUPに近いかもしれません。

でも年を重ねると「あぁ、またこんな感じか」と思ったり、自分がどんどん鈍感になっている気がするので、感情の新鮮さを取り戻したいです。そのためには、何かを見たときに自分がどう感じたのか、笑えたのか、泣いたのか、共感したのか、自分の内面とちゃんと向き合わないといけないのかな、と思います。

最近、たまたまYouTubeであるPVを見ていて、いい企画を思いついたので、実現できないかなって動いていたりします。これからも、みんなの心を動かすようなことをしていきたいです。