「愛美さんの姿を見たら、余計な気負いが吹き飛びました」

――今回、星組のスーさん、ひこにゃんさんの姿も描かれますが、愛美さんを支える星組について、改めて印象を教えてください。

ショーを見に来られなかったひこにゃんさんが、久々に戻って来られたときに、星組のみなさんが「ありがとう」って言うんですよね。「よかったね」「おかえり」よりも、「ありがとう」が先に来る。一緒にいられることへの喜びや感謝を、こんなにまっすぐ伝えられる人たちはなんて素敵なんだろうって。

「踊り」で表現する愛美さんだけではなく、みなさんも「応援」という形で表現しているわけですよね。その姿に心を打たれます。

後編の最初に、愛美さんが自転車を押しながら話すシーンで、「20代の頃は体裁ばかりを気にしていたから、私服で自転車に乗るなんてことは絶対にしなかった(でも、今はそうではない)」とおっしゃるんです。

星組のみなさんにもそういった姿勢…周りからどう見られるか、普通はこうだからということを一切気にしない、というものを感じます。大事なものをまっすぐに思い、大事にできる人たちは本当にカッコいいと思います。

――愛美さんもスーさん、ひこにゃんさんも、体調がすぐれない中でも、踊り続け、応援を続けます。なぜ、あそこまでできるのかと思いますか?

踊り続ける、応援し続ける、それ自体が生きている喜びだからじゃないでしょうか。そこまで打ち込めるものに出会えるのは、幸せなことですよね。

あれほどドラマチックなことはそうそう起こらないかもしれませんが、「踊り子とファン」という間柄であっても、それ以上の奇跡が起こる可能性は誰の人生にもあるものだと思いますし、そうじゃなければ、人生嫌だな、と思うくらいです。

――愛美さんや星組のみなさんとの出会いが、自身の今後に影響を与えると思いますか?

愛美さんを見て、細かなところに気を配ったり、心砕くことももちろん大切だけれども、一番大事なのは、自分が真に感じたこと、やさしさや愛といった真ん中だけを大事にすればいいんだとすごく思いました。

今回、このお仕事をいただいて、どんなテンションで読もうか、とかいろいろ考えたんですが、下読みをして、VTRを見終わって思ったのは、「感じたまま素直にやろう」ということ。再びこの回を担当できることがうれしくて、下読みの段階で「これ、本番読めるのだろうか」というくらい泣きに泣いて。さらに練習して臨もうと思いましたが、愛美さんの姿を見たら、その気負いが吹き飛びました。

ただ、愛美さんがスーさんのために桜をモチーフにした新作の踊りを考えたという話があったので、私も桜をモチーフにしようとピンクのスカートをはいたり、ハンカチを持ってきたりして、少しでも星組のみなさんのパワーにしたいと思いました。

女優ですし、そういったものには気持ちを入れたいタイプではあります(笑)。

――愛美さんは還暦までは踊りたい、と言っていました。本仮屋さんも見守りたいですか?

本当にそうです。今後、番組で新シリーズを撮るのが大変なのであれば、最後の数分だけ最新の映像を入れてもらって、あとは、今まで放送したものの再構成でいいです。そのくらいでもいいですから、半期に一度でも続けていただいて、愛美さん、星組のみなさんの動向を知りたいです。

愛美さんが何かを見つめているとき、それしか目に入っていないかのような輝きがあって、目が離せなくなるんです。その美しさには、まっすぐさと自分をさらけ出している勇気があるのが感じられて。さらに、そこに人の心に寄り添える愛情深さも伝わってくるんです。

私のこの思いは、ラブレターのようにナレーションに込めました。愛美さんや星組のみなさんには、放送を通じて受け取っていただけるのではないかと期待していますし、視聴者のみなさんにもぜひ見ていただけるとうれしいです。

<ナレーションの一部を先取り紹介>

<予告動画>

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