踊る愛美さんの美しさに、自分の誇りを取り戻したような気持ちに
――2年ぶりに星愛美さんの物語を読みました。収録を終えていかがですか?
前回、お話したことと重複しますが、声の仕事の基礎を教わったのが『ザ・ノンフィクション』なのです。
こうしてナレーションを担当させていただくと、初心に戻れますし、今回、担当された大里(正人)ディレクターは、以前、『本仮屋ユイカ~オーロラに恋して~』(2009年/フジテレビ)という番組の撮影でカナダまでご一緒した、信頼し尊敬している方。
前回から2年後にこうしてお仕事ができて、しかも題材が愛美さんの続編ということで、思い入れもひとしおでした。
自分も同じ女性で、自分自身の体で表現しているという点では、重なるところもあるので、また声を入れさせていただけるのは、すごくうれしいことです。
前回、感銘を受け、愛美さんの踊りを見たいと思い、ナレーション収録後に劇場へ行ったんです。星組のみなさんの熱量の足元にも及びませんが、自分もミニ星組だと思っていますので、その気持ちも込めました。
――実際にショーを見てどんなことを感じましたか?
やっぱり愛美さんはすごい方だというのを再確認しました。最初は男性のお客さまが多いので、場違いのようで緊張していたのですが、ショーが始まるとそんなことは一切忘れてしまって。
踊る愛美さんの美しさに、なんだか自分の誇りを取り戻したような気持ちにもなりました。体格や年齢といった個体差はあっても、女性として同じ肉体を持っているんだと思ったら、生きていることがすごくうれしくなったんです。
ストリップが、これほど生きることの歓喜を表現しているものだというのは発見でした。
番組のVTRを通じて、愛美さんのやさしさ、誠実さ、愛あふれるお人柄は知っていたつもりでしたが、実際に踊る愛美さんを見ていたら、その眼差しや指先の動き、さらに衣装や小道具といったものから彼女の愛情と感謝があふれ出ているのが感じられて、「なんてすごい方なんだろう」と感動しました。圧巻でした。
この番組で巡り合っていなければ直接ショーを見ることもなかったと思いますので、本当に感謝しています。
――収録中、涙声になるシーンもありました。特に印象的だった場面はどこですか?
愛美さんのイベントの日に「行けないかもしれない」と言っていたスーさんが来て、最後に愛美さんが見送るという2ショットは、なんとも言えない気持ちになりました。
愛美さんとスーさんの関係は、一言で説明するなら「踊り子とファン」ですが、同士というかお互いの結びつきの強さが、ふたりが並んで歩く姿からひしひしと伝わってきました。
言葉は少ないのに、言葉以上の思いがふたりの間で交わされるのが分かってグッときました。
――ナレーションの言葉の補足を提案するなど、こだわっていましたね。
自分としてもこれだけ思い入れの強いテーマだと、迷いではないですが、どういう距離感で読むのがいいのだろうかと考えました。
家族のように寄り添うのか、見守りつつも客観的に読むのか…自分を重ねて愛美さんを応援してしまっていますから。
それで、大里ディレクターに確認したら「思いを全部投影していい」と言っていただいたので、愛美さんを応援する気持ち、星組のみなさんへの尊敬の気持ち、あとは、自分自身の表現することに対する誇り、私がファンのみなさんに思っている気持ちなど、本仮屋ユイカとして感じることもたくさん入れさせていただきました。
ナレーションで「もうちょっと(感情を)入れて」と言われることはありますが、「そこまで感情をいれなくていいです」と言われたのは初めてです(笑)。
<ナレーションの一部を先取り紹介>
<予告動画>
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