取材陣からの「応募は何回目?」という質問に、「17年間応募し続けてきた」という小野さんは「(大賞の)河内さんは一発目で取られたっていうことで『マジか』って」と驚いたようですが、「続けてきてよかった」と笑顔を見せました。

河内さんは「2回くらい書こうとしたけど無理で、今回、初めて応募できました」とコメント。普段はCMプランナーとして働いており、動画の企画を考えるなかで脚本に興味を持つようになり、学校に通って学んだと言います。

今後の目標について聞かれると、「企画の仕事もあるし、目の前のものをどうやって面白くするかしか考えられないので、ビジョンがあまりない。もちろん脚本家一本に絞ってやっていくのも嬉しいけれど、まだデビューできていないので目標だけ言うのも…」と謙遜。

大賞を受賞した河内大輝さん

CMづくりでは「脚本で100%面白いものを書いても、(実際は)そうならない」と感じているそうで、「受け身で企画するのではなく、自分の頭の中で脳みそをどれだけフルスイングできるかやってみたかった」と、挑戦の背景を明かしました。

また、目標としている脚本家は特にいないと言いつつも、連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年/NHK)が「一番好き」と笑顔に。「好きすぎて最終回を見られなくて。2周したんですけど、まだ見ていない。話題もあるのに根底にあたたかさがあって、成長を地元の人たちが見守っていく思いやりがあるところが好き」と声を弾ませました。

ちなみに、選考結果発表までの期間がだいぶ長かったようで、「全然連絡がこなくて、携帯が壊れているんじゃないかと思って、別の電話から自分の携帯にかけたりした」と話しました。

自身の作品に出演してほしい人は?実は「大学の同期」という俳優も

自身の作品に出演してほしい俳優を聞くと、北山さんは「前原瑞樹さん。大学の同期で、『脚本書いてみたら?』と勧めてくれて、彼がきっかけで脚本を始めた。彼を見て自分も頑張ろうと思えているので、おこがましいかもしれないけれど、いつか彼を主役に書いてみたい」とニッコリ。

平木さんは「今回の『海になりたい』は、主人公を勝手に瀧内公美さんに設定して書きました。瀧内さんは存在感があって力強い演技をされる方なので、私もおこがましいですが、いつか出ていただけたら」とコメント。

河内さんは「仕事柄、起用したい方を一覧にしているんですけど、たくさんいすぎて。魅力的な方ばかりなので、いろいろな方に(出てほしい)」と話しました。

金子さんは「永山瑛太さんと小林薫さんが好きなので出てほしい。坂元裕二先生が好きで、なかでも『最高の離婚』(2013年/フジテレビ)が一番好き。そこに出ていた瑛太さんが魅力的だったので、いつか仕事をしたい」と回答。

小野さんは「私も坂元裕二さんの大ファン。松たか子さんが大好きで、シリアスなところも演じられて、コメディも思わすクスッと笑っちゃって、お芝居が素晴らしい。松たか子さんに出てもらいたいです」と笑顔を見せました。

また、脚本執筆時の生成AIの活用について聞かれると、北山さんは「プロットを考えるときに使います。箇条書きのメモをAIに打ち込むと、言語化できていなかった部分のストーリーをつなげてくれる」とコメント。金子さんは「(脚本の)感想を聞くと、すごく褒めてくれる」、河内さんは「いつ頃、受賞連絡が来そうか考えてもらった」と明かし、場を和ませました。