ヤングシナリオ大賞の、大賞と佳作の受賞作が決定しました。

『第37回フジテレビ ヤングシナリオ大賞』受賞会見が12月19日にフジテレビ本社で行われ、大賞と佳作の受賞者計5人と、審査委員長の宋ハナプロデューサーが登壇しました。

「ヤングシナリオ大賞」は、坂元裕二さん、野島伸司さん、野木亜紀子さんなど、大勢の人気脚本家を輩出してきたコンクール。第33回の大賞受賞者・生方美久さんは、社会現象となった『silent』や、2024年夏に放送された『海のはじまり』の脚本を手掛けています。

また、第36回の大賞受賞作、石田真裕子さんの『人質は脚本家』が12月20日(土)14時30分から関東ローカルにて放送。石田さんがヤングシナリオ大賞受賞後、初めて書き下ろしたスペシャルドラマ『ドビュッシーが弾けるまで』が12月24日(水)22時からフジテレビ系全国ネットにて放送されます。

宋ハナ審査委員長「全体的にレベルの高い作品が多くそろった」

2025年4月期の木曜劇場『波うららかに、めおと日和』などを手掛けてきた宋プロデューサーは「全体的にレベルの高い作品が多くそろった年でした。派手な出来事や事件に迫ることなく、登場人物の心情を丁寧に描いていて、読む人を最後まで惹きつける魅力がある作品を選びました」と、今回のヤングシナリオ大賞を総括。

左から)小野朝子さん、金子力さん、河内大輝さん、平木理裟さん、北山竜一さん

続けて、「共通しているのはみなさん、自分の居場所や理解されにくさ、相手との距離感など、現代に通じる題材を、個性を出して描いていたこと。人の心情に丁寧に向き合う姿勢が強く感じられたので高く評価しました」と選評しました。

大賞はCMプランナー・河内大輝さん(32)の『もうええわ』

今回、総数1477編の応募の中から大賞に選ばれたのは、CMプランナーの河内大輝さん(32)による『もうええわ』。

吃(きつ)音を持つ高校生が同級生に誘われて漫才コンビを組み、夢に向かって順調に進んでいくも、自分が重荷になっているのではと思い始め…2人が互いを気づかい、ぶつかり合いながら成長していく物語です。

会話のテンポや間の扱いが精巧で、青春ドラマとしての魅力に、現代的な題材やお笑い表現が融合。構成・キャラクター描写・テーマ性のいずれにおいても突出した力を感じられた、との理由で大賞に選ばれました。

河内さんは「核になっている、ラストシーンのセリフやツッコミは、自分の友だちに対してツッコんだことをそのままセリフにしています。そこで笑いが起きたときに、物語を考え始めた」と創作秘話を明かしました。

佳作には、北山竜一さんによる『燃え尽きても』、平木理裟さんの『海になりたい』、金子力さんの『青と花』、小野朝子さんの『その時は思い出して』の、計4作品が選出されました。