12月7日(土)23時40分~からスタートする、オトナの土ドラ『悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲(ソナタ)~』。
原作は、 “どんでん返しの帝王”中山七里の大人気傑作ミステリーシリーズ。既刊4作『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂歌(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』 を贅沢に使用してドラマ化。
御子柴礼司は、どんな手を使ってでも勝訴をもぎ取り、法外な報酬を要求する敏腕弁護士。真っ黒のスーツに身を包み、感情が読み取れないその表情は、まるでロボットのよう。その正体は、かつて世間を震撼させた凶悪犯罪の犯人・元少年Aだった…。
本作は、悪魔と称される御子柴が、逆転に次ぐ逆転の法廷劇を繰り広げるリーガルミステリーであるとともに、人生をかけて贖罪と向き合うヒューマンドラマ。
その主人公・御子柴を演じるのは、要潤。 撮影は、すでにクランクアップしているが、御子柴を演じきった要に、役柄にかける思い、ドラマの見どころなどを聞いた。
<要潤インタビュー>
――弁護士役を演じられるのは初めてだそうですね。御子柴礼司をどうとらえていますか?
弁護士といえば「正義の味方」ですが、御子柴は正義や悪、人の喜怒哀楽にはまったく関心がなくて、とにかく自分の依頼人を無罪にすることしか考えていません。理詰めで無罪にできる自信があるので、それが人から見たら悪魔のように見えるのかもしれませんね。
僕としては、誰かを陥れるとか、怖がらせるなどはまったく考えていなくて、むしろ空気が読めない、大人になりきれていない人間としてとらえています。
――そういう御子柴を演じる上で意識したことは?
とにかく感情を消すことですね。ちょっと動いても感情が出てしまう瞬間があるので、ピクリともせずに、立て板に水のごとく理路整然としゃべるということです。
――御子柴の魅力、ドラマのおもしろさはどんなところだと思いますか?
ドラマの入り口としては、御子柴と東京地検の次席検事・岬恭平(津田寛治)との“スーパー弁護士VS法律モンスター”のバトルが見どころですが、見ているうちに悪魔だと思っていた御子柴がそうではなく見える瞬間があって、そこにいくプロセスがきっと見どころになると思います。
原作者の中山先生も、正義だと思っていたことが悪魔で、悪魔だと思っていたものが正義に見える、複雑な錯覚を楽しむのがお好きだと思うので、そういうところを楽しんでいただきたいですね。
――御子柴が正義に見えてくると?
そうすると、「御子柴って、実はいい人なんでしょ?」って、見ている方は期待すると思うんですけど、それをいかに裏切っていくか(笑)。
僕にとっては大きなテーマだったので、セリフを変更させてもらったりしました。細かい話ですけど、事務員の日下部洋子(ベッキー)が出社して「おはようございます」と言っても、スルーするとか。洋子の目線が視聴者の目線に一番近いと思うので、いけ好かないヤツと思ってもらったら成功かなと思いますね。
――津田さん演じる岬との法廷バトルはいかがですか?
岬は、スーパーエリート検事なので、まっとうなところを突いてきます。本来は、御子柴が悪辣な手を使っているんですけど、被告人は仕方なく罪を犯したのだから有罪にしたくないと思わせることで、被告人に罰を与えようとする岬が悪い人に見えればいいなって思いながら演じました(笑)。
でも、津田さんは根っからいい人なので、どれだけやっても悪い人には見えないんです。
罪滅ぼしとは、自分探しでもある
――御子柴を演じる上で、彼が少年のときに犯した重罪は大きなポイントになったと思います。御子柴が背負っている過去に関しては、どう理解されましたか?
誰もが、大人になるにつれ自分の性格がわかってくると思いますが、子供のころはわからなかったですよね。自分は本当にこの家の子供なのかなと思う瞬間ってあるじゃないですか。それは、自分を客観視できなかったからだと思うんです。主観でしか見ることができないから、それが行きすぎてしまって、どこまでが許されて、どこからが罪になるのかがわからない。
かつて、バックパッカーで海外旅行をした時に、子供たちが寄ってきて、遊ぶのかと思ったら金品狙いで。その子たちの手を払ったら、すごい目でにらまれたんですよ。ヤバいと思ってカバンを投げたら、それをあさって親のところへ持って行った。あの子たちは、そういう人生をずっと歩んでいるわけじゃないですか。それがいけないことだと教わっていない、むしろそれをやりなさいと言われている。そういう感覚とすごく似ているのかな、と。
御子柴は、医療少年院に入って、やっとルールに則って生きなければいけないんだということを知ったのだと思います。それで、罪を犯したら、罪滅ぼしをしなければいけないんだと思ったのでしょうね。
そして、罪滅ぼしは、自分探しでもあると思います。僕もそうですが、世の中にそういう人はたくさんいると思います。一見、冷徹な御子柴が、必死に過去の罪と向き合うという彼の人間像にも、ぜひ注目していただきたいですね。