大久保嘉人さんが、『FIFA ワールドカップカタール 2022』への思いを語りました。

フジテレビで放送される『FIFA ワールドカップカタール 2022』のスペシャルナビゲーターを、元日本代表FWの大久保さんが担当します。

大久保さんは、2001年にセレッソ大阪(以下、C大阪)でプロキャリアをスタート。

13年に川崎フロンターレに移籍すると、1年目でキャリア最多となる26ゴールを決め、Jリーグで史上初の3年連続得点王の偉業を達成。

昨年、C大阪に復帰後、歴代最多となるJ1通算191得点の記録を残し、現役を引退しました。

ワールドカップには、2010年の南アフリカ大会と2014年のブラジル大会に出場しています。

そんな大久保さんに、スペシャルナビゲーターを務める上での意気込みや、注目の日本人選手などを聞きました。

試合以外で初めて行くワールドカップ開催地に「すごく楽しみ」

――フジテレビのスペシャルナビゲーターに決まったときの心境はいかがでしたか? 

「カタールに行けるのかな?」とか、「カタールってどんな感じなのかな」って想像したりして、うれしかったですね。 

――初のワールドカップナビゲーターに向けて、周囲からアドバイスをもらう予定はありますか?

今のところないですね。誰に聞いたらいいんですかね?松木(安太郎)さんに聞いたら「『うおぉー!』って言え」って言われそうだしね(笑)。自分なりのスタイルでやれたらなと思います。 

――本大会の見どころを、視聴者にどのように伝えたいですか? 

やっぱり現場の雰囲気は、現場に行かないとわからないと思うので。テレビで見ているのとは、まったく違うんですよ。 

選手として出場する以外でワールドカップを見に行くのは初めてなので、現場の雰囲気をうまく伝えたいですけど…どうなんですかね?僕も初めてなので(笑)。 

選手として行っていたときは、宿舎と練習場、試合会場にしか行かないので、街の様子などは見られなかったし、誰とも会わず、交流があるのも選手だけだったので。

でも、今回は違うじゃないですか。街の様子や周りの雰囲気も見られるし、そこがすごく楽しみです。そういったことを伝えられたらいいなと思います。(楽しくて)はしゃいじゃってるかもしれないですね(笑)。 

――過去2大会出場した、ワールドカップはいかがでしたか? 

僕にとってワールドカップに出場することは小さいころからの夢で、そのためにサッカー選手になりたいと思っていました。実際にプロサッカー選手になり、ワールドカップに出場することもできた。そういう経験をしたことは、子どもたちにも伝えられますし、なかなか出たくても出られない大会でもあるので、出られて良かったなと思います。 

――ワールドカップでは、どんなシーンが印象に残っていますか? 

「2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ」パラグアイ戦(※)での、PKですね。あそこまでいって、PKで負けたのが一番悔しかったです。「延長までいかずに負けるほうが気持ちよかったな」という後悔があります。 

(※)日本代表にとって、初のベスト8進出がかかった対戦。 

パラグアイは、強かったですよ。ほぼほぼ攻められていたので、負けて当然かなとは思いましたけど、PK(での決着)だったので。「もったいなかったな」という思いが強いですね。

「今後の日本を背負っていく」上田綺世選手の活躍に期待

――大久保さんが注目している日本人選手を教えてください。 

中盤の選手が大事だと思いますが、今後の日本を背負っていくために、上田綺世選手には、ここで活躍してもらいたい。これまでは大迫勇也選手がずっと引っ張ってきてくれましたけど、「これからは、上田綺世が引っ張っていかなきゃいけないんじゃないか」と思っているので、頑張ってほしいです。僕は攻撃(フォワード)に目がいっちゃいますね。

――Eグループ(スペイン・ドイツ・日本・コスタリカ)は、どのような戦いが繰り広げられると予想しますか? 

実際のところ、(日本が勝つのは)本当に厳しいと思います。でも、前大会の1次リーグの初戦でドイツは負けているので、“初戦の難しさ”というのは、どこの国にもあると思います。 

ドイツの選手は、真面目な性格が日本人と似ています。日本が早い段階で得点をとられてしまうと、(ドイツの選手は真面目な性格ゆえ、1点で満足せず得点を重ねにくるため)ボコボコにいかれてしまう恐れがあります。それを日本が粘って、後半のいい時間に日本が先に得点をとるというのが理想的。

試合は、ドイツに攻められ続ける展開になると思いますが、ドイツも得点が取れないと焦ってしまう。(焦っている状況で)日本が得点をとることにより、ドイツはなかなか得点を取り返せないと思うので、勝てる可能性も出てくる。前回の大会でドイツはその感じで負けているので、日本もそう持っていきたいなと思います。 

ドイツに比べれば、スペインには勝つ可能性があると思います。スペインは小柄で日本のようなプレースタイルで、オリンピックでのスペイン戦で日本は、延長まで持ち込んで苦しめてるんですよ。

そのオリンピックに出場した選手も今回選ばれているので「日本、嫌だな…」という思いがあるんじゃないかな。逆に日本は怖いものがなく、スペインの方がやりにくくなるのではないかと思うので、僕は面白い戦いになるんじゃないかと予想します。 

スペイン、ドイツがいるので、みんなコスタリカのことを忘れていると思うんですけど、コスタリカも意外とやると思います。ケイロス・ナバス選手という世界的にも有名な、反応の良いキーパーがいるので、いいシュートを打っても入らない。なかなか手強い相手になるかなと思います。 

――フジテレビでは、12月2日(金)に1次リーグのスペイン戦が放送されますが、スペインの要注意選手は? 

ペドリ選手でしょ。あの若さで上手いので、ペドリ選手がボールを持ったらそれを信じてみんなが走り出すというスペインの攻撃なので、そこはかなり要注意です。 

――大久保さんの優勝国予想は? 

僕はブラジルですね。今回はメンバーが揃っています、毎年揃ってるんですけど(笑)。 

いろいろなヨーロッパのクラブで活躍している選手が多い中で、ここ最近は優勝していないので、もうそろそろするんじゃないかなっていう。ネイマール選手を軸に、みんないいですから、誰が出ても強いと思います。 

あと、注目している国はカナダです。36年ぶりのワールドカップ出場なんですよね。若いチームで出場権を獲得しているので、すごく勢いがあると思います。

カナダ自体が盛り上がって1つになっていると思うので、僕は「どこまでいくのか」と楽しみにしています。