最新アルバム収録曲から『SPANKY☆MAN』をノリノリのダンスとともに披露した後、サラリーマンの悲哀を綴った『オダテルサ』を、「ワッショイ!」のかけ声を交えてコミカルにパフォーマンス。

頭にネクタイを巻き、昭和サラリーマンの宴会スタイル!?

パパイヤ鈴木リクエストのセクシーな声に錦織一清が毒舌ツッコミ

続いての『D・A・M・E・!』は、パパイヤさんが作詞作曲を手がけたナンバー。「気持ち的には“ダメ♡”」とニュアンスを伝え、「『せーの』で言ってみましょう!」と呼びかけると、客席から艶っぽい「ダメ~♡」という声が。

これに錦織さんは、照れ隠しからか「みんな、ハロウィンのコスプレしちゃって。顔は特殊メイクしちゃって(笑)」とジョーク交じりで発言。愛情たっぷりの毒に場内は大きな笑いにつつまれます。

錦織一清 少年隊ナンバーゆかりの音楽家に新曲をオファー

ここからは、過去にFunky Diamond18が発表したナンバー4曲をメドレーで披露。錦織さんは「体力がなくなりますね…」とボヤきながら、豊かなボーカルでエンターテイナーぶりをみせつけ、パパイヤさんは軽快なステップでステージを盛り上げます。

『シブヨル』(2025年)は、“平成のおんなギター流し”と呼ばれるシンガーソングライター・おかゆさんのカバー曲。夜の渋谷の情景が浮かんでくるようなシティポップを2人の優しいハーモニーが彩り、パパイヤさんが女性目線で純愛をテーマに書いたという『いつか逢えたら』で聴かせます。

しっとりとした雰囲気の中、少年隊の『What’s your name?』(1988年)など多くの楽曲を手がけた音楽家・宮下智さんに、錦織さんがアルバム用にオファーした『ギリギリでカワッタ・・・』にまつわる秘話や、最後の1フレーズを錦織さん自ら書かせてもらったというエピソードを紹介。

多感な青春期をともに駆け抜け、“アラ還”となった錦織さん&パパイヤさんから放たれる情感たっぷりの歌声に、オーディエンスは静かに耳を傾けます。

ラストはキューバのラテンソングをカバーした『グァンタメナラ』(1929年)。華やかな中にどこか哀愁も漂わせるこのナンバーにのせ、優雅に舞う錦織さん&パパイヤさん。客席をうめつくしたファンも、どんな瞬間も逃すまいと2人のダンスに呼吸を合わせ、両手を高く掲げました。

そして、迎えた終演のとき――途中、体力の衰えを明かした2人でしたが、成熟した年齢だからこそ紡ぎ出せる珠玉のパフォーマンスは、儚い一夜の夢のように美しく、それでいて観客の心に深く刻まれる、至高の宴となりました。