町田市、立川市、八王子市で、チェーン店にはない魅力で市民に愛され続ける地元グルメを調査しました。
6月7日(火)放送の『所JAPAN』(カンテレ・フジテレビ系)では、西東京といわれる、町田市、立川市、八王子市をクローズアップ。
3つの街で、地元市民に聞き取り調査を行い、“東京24区目”の座をかけて、それぞれイチオシの地元グルメを紹介し、比較しました。
スタジオには、所ジョージさん、佐々木希さん、カズレーザー(メイプル超合金)さん、陣内智則さん、高橋みなみさん、若槻千夏さんが登場しました。
仕込みだけで丸4日!カレーの神様から受け継ぐ伝統の味
小田急線・町田駅から徒歩7分。「仲見世商店街」の隣、「仲見世飲食街」の細い路地の中にある「リッチなカレーの店 アサノ」。
あまりのおいしさにカレーファンから“カレーの神様”と呼ばれた初代店主・浅野吉男さんが昭和62年に始めたこのお店は、現在でも長蛇の列を作る人気ぶりで、カウンター6席のみの店内は常に満席です。
お客さんの約8割が注文するという人気メニューが、「リッチなカツカレー」(1450円)。
町田市民に長年愛され続ける理由は、2代目店主の浅野信三さんが、父から受け継いだ、異常なまでのこだわりにありました。
「すごく手間ひま、時間がかかっているので、できあがるまで4日はかかります」というカレーの仕込み作業は、玉ねぎ60個を手作業でみじん切りにし、それを10時間煮詰めていくところから始まります。
カレーの旨味やコクを引き出すために使われるブイヨン作りでは、あごにぼし、しいたけ、トビウオ、昆布を出汁に使用。
出汁系をたくさん入れることで「“サラサラでいながら、すごいコクがある”を目指している」とのこと。ここから、煮込むこと8時間。
そこへ、10時間炒めた玉ねぎとカレー粉を入れ、ブイヨンと混ぜ、さらに煮込んでいきます。
そこからさらに2日間寝かせ、合計4日かけて、やっとルーが完成。
また、カツには、飼育の難しさから“幻の豚”といわれる、脂身が甘いのが特徴の神奈川県のブランド豚「高座豚」を使用。
「このこだわりは、簡単に真似できない」と、開店から34年、町田のみで営業を続けています。
一日1万個売れる大人気餃子
立川駅北口から徒歩5分の場所にある、昭和2年創業の「四つ角飯店」。
市民が足しげく通うというこの店の人気メニューは、「焼き餃子」(330円)。
こちらの「焼き餃子」は、お客さんの評価を取り入れ、試行錯誤し、おいしさを追求しています。
餃子の餡(あん)の豚肉とキャベツの割合は、4.5:5.5と細かく設定。さらに、皮の包み方にもこだわりがあり、ひだは8〜9個。
4代目店主の髙橋淳さんによると「ひだが多い方がタレもよく絡んで、口の中に入れたときの食感も全然違う」といいます。
さらに、隠し味には、特別にブレンドした味噌とはちみつを使用。ジューシーかつコク深い味わいに仕上げています。
「地元に愛される中華を」と創業したこのお店は、その思いを受け継ぎ、現在も立川のみで味を磨き続け、もうすぐ創業100年を迎えます。
また、毎月3回、5のつく日に半額で餃子を提供するサービスを行っており、1日に1万個以上の餃子が売れるといいます。
「赤字で間違いない」という髙橋さんですが、それでもサービスを続ける理由について、「普段並んでいただいたり、ご迷惑をおかけしているので、還元するという意味も込めて、そしていつも賑やかなお店の方がいい」と語りました。
歴史ある八王子市民のソウルフード「パンカツ」
八王子での聞き取り調査であがった「パンカツ」を求めて訪ねたのは、「お好み焼き 夕やけ」。
注文して出てきたのは、一見カツのような見た目ですが、肉は一切使用しておらず、パンのみで作られた一品。
作り方は、まず、水でといた小麦粉をパンの両面に浸し、パン粉をつけます。
続いて、ラードを塗って鉄板でこんがり焼き、最後にウスターソースをかけ完成。シンプルな作りになっています。
パンカツが誕生したのは、今から約80年前。戦後の食料難の時代に、豚肉の代わりにパンをカツに見立て、八王子の一部で販売したところ、当時の子どもたちの間でおやつの定番となり、お好み焼き屋さんを中心に広がっていきました。
今では、八王子市民が根強く愛するソウルフードになっています。
この「パンカツ」を日本全国に広めたいと、2013年に「日本パンカツ協会」が設立されました。
誰でもパンカツが作れるように、作り方をYouTubeにアップ、イベントがあればどこでも出店に向かうなど、現在も普及活動を積極的に行っています。