編集部おすすめの“麗しい男性”を紹介する「眼福♡男子」Vol.92は、田村心(たむら・しん)さんが登場。

2016年に本格デビュー。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで陸奥守吉行役を演じているほか、「最遊記歌劇伝-異聞-」や「僕のヒーローアカデミア」The“Ultra”Stageでは主人公に抜擢され、2.5次元作品を中心に活躍しています。

そんな田村さんが、よしもと芸人×2.5次元俳優×ラジオメインパーソナリティアイドル×紅白歌手という異色の組み合わせが巻き起こすノンストップコメディ「スーパー銭湯LIVE『ユーラン・ルージュ~笑いの源泉かけ流し!~』」に主演。

河本準一さん(次長課長)やトシさん(タカアンドトシ)ら、人気芸人の皆さんと異色コラボに臨む心境を聞いたほか、多忙を極める田村さんの日常に迫りました。

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純烈リーダー・酒井「新メンバーの募集はしていないから送ってこないで!」

稽古初日、生で見たトシの「欧米か!」に感激

――出演が決まったときの心境から聞かせてください。

錚々(そうそう)たる芸人さんと共演する作品なので、「本当に僕にきた話かな?」と震えました。稽古に入った現段階でも、まだ不安を感じています。

――具体的にどのようなことが不安なのでしょうか?

これだけ芸人さんが大勢いらっしゃると、これまで出演してきた作品とはまったく違う雰囲気になるでしょうし、おそらくボケやツッコミの応酬になるのだろうなと。

僕は人を笑わせることが苦手で、アドリブに強いわけでもない。どちらかというと普段は物静かなタイプなので、僕で大丈夫なのだろうかと思ってしまったんです。

――稽古の手ごたえを聞かせてください。

初めて稽古をした日に、トシさんの「欧米か!」を生で拝見したんです。小学生のころからテレビで見ていたギャグなので、「おぉ~っ!」とテンションが上がってしまいました(笑)。そして、トレンディエンジェルの斎藤(司)さんとかけ合うシーンでは、斎藤さんがあまりにも面白くて、笑いをこらえるのが大変でした。

――斎藤さんはよく通る素敵な声の持ち主でもありますよね。

歌もお上手ですし、さすが“東宝ミュージカルキャスト”(※)さんだなと。稽古初日は「レ・ミゼラブル」のカンパニーTシャツで現れて、“東宝ミュージカル出ていますマウント”をめちゃめちゃとっていました(笑)。

そんな斎藤さんに、他の芸人さんが「こんなところでアピールしなくてもいいんですよ」とツッコんでいて面白かったです(笑)。

※“東宝ミュージカルキャスト”→斎藤さんは2019年に上演された東宝製作ミュージカル「レ・ミゼラブル」にテナルディエ役で出演。

斎藤さんは2.5次元俳優に知り合いが多くいらっしゃるそうで、「あの子知ってる?」みたいな会話で盛り上がったので、今回の共演を機に仲を深めることができそうです。

――純烈さんとの共演も見どころの一つですね。

純烈さんとは2018年の『NHK紅白歌合戦』(田村さんは刀剣男士として出場)ですれ違ったことがある程度でしたが、僕は皆さんが出演されていた特撮作品を子どものころに見ていた世代なので、ご一緒できることがすごくうれしい。皆さん長身ですし、ダンディでカッコいいですね。

――今回の作品はスーパー銭湯が舞台となっていますが、普段行く機会はありますか?

温泉もサウナも大好きなので、よく行きます。スーパー銭湯は1日いられますね。友達と午前中から行って、12時ぐらいに一度あがってごはんを食べて、ダラダラ過ごす。そして、15時とか16時ぐらいにもう一風呂浴びて帰るみたいなスケジュールで満喫しています。

僕は僕にできること、任されていることを表現するだけ

――新境地へと挑むことで、芸人さんから習得するものも多くありそうですね。

皆さん、頭の回転がすさまじく速いので、その対応力を学びたいです。稽古では台本通りに進行しないことも多々ありますが、それでも皆さんがきちんとツッコんでいく光景を目の当たりにして、「やっぱりすごいな」と圧倒されました。

――コメディ作品だけに、皆さん笑いをとりにいこうと貪欲ですか?

皆さんは狙っていないのかもしれませんが、僕みたいな畑の違う人間からしたら、言動のすべてが面白いんですよ。本番では素で笑ってしまわないよう気をつけなきゃと思いました。

――「負けてられない」みたいな思いもありますか?

同じ土俵に立とうという思いはないですね。僕は僕にできること、任されていることを表現するだけです。

――演じるのは、駆け出しの作家という役柄ですね。

まわりのキャラクターがとても濃く、普通じゃない人ばかりなんです。その中で僕が演じる作家はお客様にもっとも近い存在であり、ストーリーラインを追っていく人物。どんなふうに演じようかと探っている最中です。

物語は芸人さんのかけ合いがメインになるので、お客様にはそこを楽しんでいただきつつ、僕が演じる作家と、新内眞衣さん演じる、スーパー銭湯のオーナーの娘がどう物語を紡いでいくのかに注目していただきたいです。

舞台の魅力は“ライブ感”「生身の人間が体現するものを感じとって」

――忙しい中ですが、マイブームがあれば教えてください。

ここ数ヵ月、仕事に追われる日々を過ごしていて。特にこの1ヵ月は3作品の本番があるという今までに経験したことのない怒涛のスケジュールで、プライベートな時間はほとんどありませんでした。この作品が終われば一旦落ち着くと思うので、そこからマイブームを探していきたいです。

――そんな多忙な日常の中における癒やしは何ですか?

癒やされたいと切実に思っているので、それこそスーパー銭湯に行ってのんびりしたり、何もしないような1日を過ごしたりしたいですね。

――今、一番楽しいのは何をしているときですか?

仕事かな。好きな仕事をしている時間はやっぱり楽しいです。

――好きだからこそ、苦しくなるということはありませんか?

大変なときはありますけど、自分がやりたいことをやって人並みの生活が送れているので苦しさはないです。これがもし、お金のため、生活のための仕事となったら苦しくなるのかもしれません。

――コーナー名にちなんで、田村さんの“眼福な存在”について聞かせてください。

動物と家族YouTuberです。お気に入りのYouTuber?いますよ、教えませんけど(笑)。子どもが好きで、動物も好きだから、そんな動画を見ては楽しんでいます。

――俳優の中にも自身のチャンネルをもって発信している方がいますが、そちら側の活動に興味はありませんか?

おそらく疎かになってしまうと思うので、それはないかな。今のところは役者の仕事だけで十分です。

――現在、興味があることや将来やってみたいことのビジョンを聞かせてください。

以前は映像作品への憧れをもっていましたが、最近は舞台も映像もバランスよくやれる役者になれたらと考えています。舞台の魅力は、やはり“ライブ感”。生身の人間が体現するものをお客様がダイレクトに受けとってくださることが何よりもうれしくて楽しいです。

舞台作品は数ヵ月一緒に過ごすことが基本で、演者同士やスタッフさんと徐々に距離をつめながら作品をよりよいものに仕上げていく。そこに大きな達成感があります。

今回の作品が自分にどんな影響を与えてくれるのか終わってみないことにはわかりませんが、今は全力で作品に向き合うだけ。僕の奮闘を劇場で感じとってください。

最新情報は、スーパー銭湯LIVE「ユーラン・ルージュ~笑いの源泉かけ流し!~」公式サイトまで。

撮影:小嶋文子