ポジティブな母のサポートもあり、双極性障害を治癒した兒玉さんは、自身の経験を生かせるようにと、21歳で心理カウンセラーの資格を取得しました。
その後、社会復帰を目指して自身の「本当に好きなこと」を見つめ直すと、頭に浮かんだのは、やはりカメラの前に立ち続ける「芸能」の仕事だったといいます。
そうして2019年6月、当時22歳でHKT48の卒業と俳優への転身を発表した兒玉さん。
俳優の道を選んだ理由を聞くと「年を取ることが悪じゃない」と、その魅力を語ってくれました。
兒玉遥が俳優の道を選んだ理由は「年を取ることが悪いことじゃないのが楽」

――2度の闘病生活を乗り越えて2019年に芸能活動を再開されていますが、そこで俳優の道を選んだ理由はなんだったのでしょうか?
俳優は役を演じるわけじゃないですか。自分自身ではないので、そういった部分でもやりやすいなと思いました。
あとは、年を取ることが悪いことじゃないということが自分的には、すごく気持ちが楽でした。ずっとアイドルでいるのであれば、やっぱり若くなきゃいけないとか、元気でピチピチしたイメージを保たなきゃっていう呪縛がすごかったので。
いろんなアイドルさんがいていいと思いますが、自分が将来的に長く仕事を続けることを考えた時に、やっぱり俳優という道が自分にとってベストだという選択になりました。
――著書ではアイドル時代は芝居に対してストレスを感じていたことも明かしていましたが、現在はいかがですか?
そうですね。でもあの時とは全然、自分の気持ちも違うなって思いますし、ここからいろんな役の幅を広げてお芝居できたらいいなと思っています。
「子供は2人は欲しい!」理想の結婚生活を語るも…焦らない方がモテる!?
「ここからいろんな役の幅を広げてお芝居できたら」と今後の俳優活動についての意気込みを語ってくれた兒玉さん。
来年、30歳を迎える節目の年を控えているということで、聞き手である同い年の女性ライターが最後に今後の仕事と私生活で思い描いていることをたずねると、「仕事はやめない」という強い意志や「日常の幸せを感じられるパートナーと結婚したい」という理想の結婚生活などを赤裸々に語ってくれました。

――来年30歳という節目を迎えますよね。私も同い年で、仕事と私生活両方で悩むことがあるのですが…兒玉さんはそれぞれ思い描く理想はありますか?
わかりますよ!(笑)。
それでいうと最近、28歳から38歳くらいまでの10年をどんなふうにしたいかというプランを書き出しました。結構やることがいっぱいあるなと思いましたね。仕事はもちろん好きなので、完全にやめるということは考えていなくて、長く続けていきたいと思っています。
あとは結婚したいという気持ちもあります。両親が私を育ててくれたみたいに、子供に愛情を注ぐ、そんな家庭を持ってみたいという夢があります。
なので、何かを極端に諦めたり、仕事だけを頑張る感じではなく、仕事は仕事で楽しもうと思っています。ただ、20代は仕事を絶対にやりきろうと決めています。

――こういう結婚生活を送りたいっていう理想はありますか?
おだやかに生きたいですね。
ある程度、求めている家族像などが同じ人がいいんじゃないかなと思っています。何げない日常の幸せみたいなものを一緒に感じ合えるといいなって。
私は3人きょうだいで弟が2人いますが、すごく仲が良くてご飯もかなりの頻度で行ったり、一緒に旅行もしたりするんですよ。なので、子供は一人っ子もいいですが、2人ぐらい欲しいという夢がありますね。
実は、マネージャーさんにも言っています。「何歳までに結婚します!ちょっと仕事はセーブするのでお願いします!」って。でも、それ通りになったことはないです。目標だけある感じですね。
――では、30歳という節目を迎えたら結婚のことも考えるということですね。
自分の想像ではそういう感じです。でも「それ通りなんなくてもいいや!」くらいの気持ちでいます。「絶対そうする」みたいになってしまうと、逆に焦ってモテなそうだなと思います。
こじはる(小嶋陽菜)さんも「焦りはブス」と言っていましたが、本当にそうだなと思って。ちょっと雰囲気は余裕でいようと思っています。余裕でいましょう!
――とても参考になりました…。インタビューは以上になります!ありがとうございました。
後半、すごい女子トークになりましたね(笑)。ありがとうございました!
“絶対的な味方”の母の支えで、2度の双極性障害を乗り越え、俳優として活動を再開した兒玉さん。他にもインタビューでは、1期生として活動していたHKT48時代の「センター」としての葛藤や、同期の宮脇咲良さんや村重杏奈さんとのエピソードも明かしてくれています。
【インタビュー#1】2度の“うつ”を克服 元HKT48・兒玉遥 宮脇咲良や村重杏奈とともに活動したアイドル時代に抱いた劣等感「センターとして何を頑張れば」
撮影:河井 彩美
【書誌概要】
書名:1割の不死蝶 うつを卒業した元アイドルの730日
著者:兒玉遥
発売日:2025年9月19日
定価:1760円
発行:KADOKAWA