自身も物件探し中という江口のりこさんが、「ワケあり」な人たちの部屋探しに奔走する不動産店店主に「すごいなぁとしか言えなくなっちゃいます」と感嘆しました。
5月8日(日)に放送される『ザ・ノンフィクション「ワケあり人生と部屋探し~無理とは言わない不動産屋~」』(フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを江口さんが担当。
住む部屋がなかなか見つからない人たちと、その部屋探しに明るく、情熱的に寄りそう不動産店店主の物語です。
ワケあり客にも「無理」と言わず、働き口の紹介まで
高齢や生活保護、心の病を理由に住まいを借りるのが難しい「ワケあり」な人々の部屋探しを手伝うのが、横浜市にある不動産店の代表・齋藤瞳さんです。
客のほとんどは「部屋を借りたい」と申し入れてもなかなか契約がかなわない人々。オーナー側が、隣人トラブルや事故、家賃滞納を恐れ、部屋を貸すことに慎重になってしまうためです。
齋藤さんは、自分を頼りにやってきた客に対し、決して「無理」とは言いません。それどころか、部屋を探し契約ができても、それで「終わり」ではなく、客のその後の人生にまで関わっていきたいと言うのです。
仲介手数料、いわゆる営業利益は家賃の1ヵ月分。対して、部屋探しに半年かかることも。
2021年夏、齋藤さんは、大家から立ち退きを言い渡された70代の母親と40代の息子の親子に出会います。聴覚過敏や「人の目が気になる」と、心の病を抱える息子は、齋藤さんが苦心して探した物件でも、転居を決断することができません。「年内」という期限の中で、齋藤さんは親子の新居を見つけられるのでしょうか。
さらに齋藤さんは、部屋を借りられない客に、仕事まで用意。働き口を作ることで、部屋を貸しても心配はない、とオーナーや管理会社に納得してもらうためです。
持ち前の明るさで、山あり谷ありの客の人生に耳を傾け、「無理」とは言わない齋藤さんの部屋探しを追いました。収録後には、江口さんにインタビューし、感想を聞きました。
やっぱり、明るい人は周りを救うんだな
<江口のりこ インタビュー>
――ナレーション収録を終えていかがですか?
めちゃくちゃ面白いドキュメンタリーでした。家探しって、すごく大事じゃないですか。そこに暮らしがあるわけですから。出てくる人たちがどの方もすごく印象的で。齋藤さんの明るさに救われている方がたくさんいるんだなと、感じました。
――特に印象に残っているのはどんなシーンですか?
(パリから帰国し、齋藤さんに部屋を探してもらった)小川さんですね。おうちの中をすごくきれいにされていたじゃないですか。家があって、(齋藤さんに紹介してもらった)仕事があって、そういったことに感謝している人っていうのは、あんなふうにきれいに丁寧に暮らしているんだなぁっていうことを思いました。
齋藤さんはみんなのことを救って、齋藤さん自身は、旦那さんに救われているんだというのも印象的でした。嫌になったら辞めてもいい、それが自分の保険になっているという…。だから、あそこまで頑張れるというか。とても面白かったです。
――齋藤さんは、家探しを終えたあとも、仲介した人の家を回って面倒を見続けます。そこはいかがでしたか?
なかなかできることじゃないと思います。自分の時間が削られていくわけですから。それは、本当にすごいなぁと思います。
――齋藤さんのバイタリティの源はどこにあると想像しますか?
それは分からないですよね。計り知れないです。どういうモチベーションで仕事してるのか…もちろん好きだからっていうのはあるでしょうけど、あそこまでやれる人というのは、やっぱりそれ以上の何かがあるはずだと思います。
その突き動かされるものや情熱とかっていうのは、その人に聞いても言葉で言えないようなものかもしれませんので、こちらとしては、すごいなぁとしか言えなくなっちゃいますよね。
――ご自身の引っ越しにまつわるエピソードはありますか?
今、まさに引っ越しをしようと物件を探しているところでして。
だからあの齋藤さんのような明るさで、ずっと気にかけてもらえるというのは、(借り手は)だいぶ救われるだろうなぁと思いました。
そういう意味でも、すごくタイムリーでした。
――齋藤さんは近所付き合い、人付き合いを大事にしていますが、東京ではそういった付き合いも減っていると感じます。江口さんはいかがですか?
挨拶する人はいますけれども、近所にどんな人が住んでいるのかは、わからないですよね。でも、そういった付き合いができるなら、それはあったほうが絶対にいいですよね。何かがあったときに、助けてくれるのは人ですから。
――最後に今回の見どころを教えていただけますか?
それはもう齋藤さんですね。とにかく面白かったです。あとは、(鉄道が大好きな若者)田中さんも面白かったなぁ。やっぱり明るい人っていうのは周りを救うんだな、と思いました。