福本莉子さん、松田元太さん(Travis Japan/ジャニーズJr.)、Yuki Saito監督が、2月28日に行われた映画「君が落とした青空」の大ヒット御礼舞台挨拶に出席。
本作のW主演を務めた福本さんと松田さんへ、Yuki Saito監督からサプライズで手紙を贈られる場面も。ここでは、その手紙の内容全文を紹介します。
【Yuki Saito監督 手紙全文】
福本莉子さん、松田元太くんへ
お2人に手紙を書くのは2回目ですね。
クランクイン前、初めて2人に会うことができて、これから「君が落とした青空」をどういう映画にしたいのか構想を描き、ドキドキしながら手紙を書いたことを覚えています。
タイムリープならではの面白さはもちろんあるけど、それ以上に好きな人のために全力で行動を起こす姿に胸打たれる映画にしたいと伝えたと思います。
そして映画が公開して、キャストやクルー、本日お越しくださった皆様、映画を見てくださった皆様がそのメッセージをきっと受け取ってくれたと思います。
福本莉子ちゃん
時に愛らしく、時に美しく、でも皆が共感しやすい等身大の女子高生・実結として生きてくれてありがとう。
最後に修弥が現れて「生きててよかった」と心が動かされるのは、観客が実結に感情移入しながら物語を体感したからです。「君が落とした青空」とは、実結の気づきそのものだと思っています。
パズルのようにバラバラに撮影していく中で、同じ1日をつなげるために綿密に計算しなくてはいけない。それをやってのけた福本莉子という女優は、本当にすごいと思うし、尊敬しています。
交差点の事故シーン。冷たいアスファルトの上で、「もう一回」とお願いしたときの、現場に向かうあの背中は、一生忘れません。その背中はとっても小さかったし、その足は真っ白ですごく細かった。
でも、カメラ前に一直線に向かっていく姿を見て、ふとこの小さな背中が将来の日本映画界を背負っていくんじゃないかと感じました。その細い足が、そのための階段を上っているように見えました。
あぁ、すごい瞬間を撮らせてもらっているんだなと武者震いしたのを覚えています。
でも、実はそんなに強いばっかりじゃないことも知っています。主演としてものすごいプレッシャーを背負って、弱さが透けて見えて儚く見える瞬間もありました。ギリギリのところで現場に挑んでくれているんだなと思うこともありました。
莉子ちゃんの中に透けて見える儚さこそが最大の魅力なんじゃないかと思うんです。つまり僕は、福本莉子をもっともっと知りたいんだと思います。
きみあおというゴールにともにたどり着いたからこそ、「やり切った」ではなく、またその次を想像してしまうのが女優・福本莉子なのだと思います。
そんなふうに思わせてくれてありがとう。
松田元太くん
学校の人気者で、実結の笑顔のためにひたむきな修弥として生きてくれてありがとう。
篠原修弥を演じるのはきっと難しかったと思います。最近笑っていない実結を心配して、実結に手紙を渡そうとする日を繰り返している、その一途さと健気さを表現するには、計算せずに松田元太でいることが一番だと思い、そう言い続けました。
アフレコで泣き叫ぶ、言い方のパターン違いを録ろうとしたとき、何度やっても同じ叫びになることがあったね。元太くんは「なんか、嘘ついてるようで嫌です」と言いました。感情に嘘がないから、何度繰り返しても涙があふれてくるし、現場で実結を思って心から叫んだあの言い方が修弥であり、元太なんだなとハッとさせられました。その心意気にうれしくなったのを覚えています。
でも、常に笑顔を浮かべながらも、実はギリギリの状態で現場に立っていたのも知っています。
自分が主演でいいのかと不安に襲われていましたね。「普段の松田元太でいいんだよ」と言われても、自分自身が何者なのか分からなくなっていたのではないかな。普段と違った役になりきりたいという気持ちもひょっとしたらあったのかもしれない。
そして、ただでさえプレッシャーがある中で、俳優・松田元太として現場にいるはずなのに、常にTravis Japanを代表している意識が強くて、メンバーの思いやファンの期待を背負っていたんじゃないかなと思います。
ただ、松田元太はそこから逃げなかった。メンバーが自分のことのように応援して、これだけのファンの人が喜んでくれる。そんな経験ができる俳優はそうそういないし、それがいつか実ると思います。
チームきみあおの中で、時におちゃらけながら立派に主演を演じてくれました。そして、一度しかない映画デビュー、主演デビューを共に歩むことができて幸せです。
篠原修弥が松田元太でよかったと心から思っています。ありがとう。
何度タイムリープしても僕は、福本莉子と松田元太を選びます。
そして、実結と修弥はスクリーンの中で、見てくれた人の心の中で生き続けると思います。
心からありがとうございました。
Yuki Saito