典子と広行の夫婦は「ミズタニキッチン」を名乗り、仲良くキッチンカーの仕事にいそしんでいる。真平と知美の双子はもうすぐ小学生。えりなは優斗とともに素敵な旅を続けているようだ。

知美の母・秀子には付き合っている人ができたとか。万理子は、フリーの脚本家として活躍しながら、子どもたちに「脚本教室」を開いて、先生をしている。さらに、律子がモデルとなった『サレ妻同盟』の放送は大成功を果たし、成瀬は相変わらず千明にとっては素敵な友人である。

「吉野千明、60年よく生きてくれた！」

和平のコールで、ケーキのロウソクの火を吹き消す、全身赤のちゃんちゃんこスタイルがおしゃれな千明。長倉家や成瀬、律子と、まさに全員集合のカフェ「ナガクラ」で千明の還暦パーティが行われた。

彼女の物語は、今その年齢とともに、新たなステージに立とうとしている。自分を肯定し、他者を肯定したいという思いとともに――。

千明（小泉今日子）と和平（中井貴一）プロポーズのゆくえは…

その夜、テラスで2人きりの千明と和平。

千明が次は和平の古希の祝いだと話すと、「生きてますかね」と和平が冗談で応じる。そして、千明の猪口に酒を注いだ。

話は、あのプロポーズのことに…。千明と和平はお互い覚えていたことに驚いていた。

「結構ちゃんと大好きです」と言う千明だが、別れるのが怖いと本音がこぼれる。和平はその千明の思いに共感しつつ「大切な人と別れるのはもう嫌ですね」と応じた。

このままでも隣にいることを笑顔で約束する2人。それでも、もし“怖さ”がなくなったらと前置きをした和平は「一緒に暮らしましょう」と言葉を続ける。

その意外な言葉に照れながら「別にいいよ」と子どものように応じる千明。和平が差し出す小指に、千明は小指を重ねて指切りで、約束を果たす。

2人の新たな人生が、また幕を開けようとしていた――。

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