IMYの“曖昧”じゃないエンターテインメントへの思いがつまった意欲作!
11月19日(金)、「あいまい劇場 其の壱『あくと』」の公開稽古と会見が東京・EXシアター六本木で行われ、IMY(アイマイ)こと山崎育三郎、尾上松也、城田優が本番への意気込みを語った。
山崎らは2015年、ミュージカル「エリザベート」での共演を機に意気投合。自分たちの感性でオリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字からIMYと名付け、2019年より始動したプロジェクトの第一弾が今回の公演となる。
演出は、ミュージカル、ストレートプレイ、一人芝居などさまざまなジャンルで活躍中の成河(ソンハ)が手がけ、脚本は第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、今夏に古田新太&尾上右近主演で上演されたミュージカル「衛生」を生み出すなど、各方面から注目を集めている福原充則が3話の執筆を担当。
そして、もう1話を城田が初めて脚本に挑戦し、全4話のオムニバスで構成されている。
初日を目前に控えた心境を問われ、山崎は「2015年、3人の雑談からスタートして約6年が経ち、こういうステージを用意していただいた今、感動しております。ずっと稽古してきたものをお客様がどう受け止めてくださるかワクワクしている」とスマイル。
松也は「3人の普段の会話から生まれたアイデアがどんどん大きくなって、形になって、出演者の皆さん、スタッフの皆さん、そして、演出を引き受けてくれた成河くんが一生懸命にこの公演を素敵なものにしようとしてくださっている姿を見るだけで、日々感動しておりました。その結晶をこれから皆さんに観ていただくのは楽しみでもあり、不安もありますが、一生懸命に務めたい」。
城田は「不安をたぶん一番感じていたのが私で、かれこれ20年近くミュージカルや演劇をやらせていただいておりますが、その中でも群を抜いて言葉にできない不安や緊張に包まれています。でも、今朝気づきました。ちょっと語弊があると思うんですけど、今まで自分がやってきたものと、自分たちが楽しい、おもしろいと思えるものをくだらないと思ってもらいたい部分も正直あって。そう考えると、プレッシャーをそこまで感じる必要はないと」。
続けて、「我々が目指したエンターテインメントのいいところを凝縮した、IMYならではのもの、間違いなく他では観たことのないものが完成したと思います。あとは、僕らがそれを一生懸命演じれば、きっとお客様に素敵な時間を過ごしていただけるんじゃないかな」と、それぞれ緊張感たっぷりの表情で語った。
2022年、名演出家・成河がエンタメ界を席巻するとIMYが予告
そんな3人と共演するキムラは、「稽古場がとにかく楽しかった。成河くんが演出にゲームなどを導入してくださり、楽しみながら作品をつくっていくという過程を踏んだので、自然とみんな仲良くなって、とにかく3人の自由な発想と信頼関係を毎日見られただけでも幸せでした」とコメント。
本作が初演出となる成河は「頼りない演出家で、こんな場所と一流のスタッフ、俳優さんたちと一緒に作らせていただいて、毎日『もったいないな』と思っていました。僕がどんなに間違えたことを言っても、それを許容する場づくりが3人はとてもうまいので、そこに甘えて、全員に助けてもらいながらやっています」。
恐縮する成河を前に、城田は「こんなふうに謙遜されていますけど、最初に育三郎が『演出に成河くんを迎え入れたらどうだろう?』と提案してくれて、居酒屋で成河くんを口説くところから始まりました。初演出とは思えないですし、僕も何度か演出させていただいていますが、勉強になることがたくさんありました。お世辞抜きに、これからいろんなポスターで『演出:成河』という文字を目にすることが増えていくと思います」とべた褒め。
山崎も「すごい演出家が誕生しました!僕の目は間違いなかった」と絶賛すると、成河は「早く公開稽古をやりましょう」と照れまくっていた。
また、制作にあたって議論になることはなかったかという問いかけに、松也は「我々にはルールがありまして、何か決めなければいけないときは、2票入ったら絶対それに従う。ですので、もめることはないです」
城田は「それぞれが信頼しあえているからこそ、意見が極端に分かれることはなく、スムーズに進められました。何より、違う事務所に所属している3人が、同世代の中でも画期的なことをやっていると自負していますし、僕たちの活動を通してお客様はもちろんのこと、エンターテインメントに携わっている仲間や先輩、後輩が少しでもいい影響をうけて、『俺たちもおもしろいことをやってみようぜ』と、日本のエンタメ界が盛り上がっていってくれたら」と“表現者”としての思いをアピールしていた。
最新情報は「あいまい劇場 其の壱『あくと』」公式サイトまで。