小泉今日子が11月13日(土)、オンラインで配信されたイベント「GLOW プレミアムサロン2021 ~Aging Gracefully~」に登壇。自身のおすすめのカルチャーを明かした。
「GLOW」(宝島社)は、今年創刊11周年を迎えた40代女性ファッション誌。「45才からのごきげんライフを応援します!」をキャッチコピーに、ファッション・美容・ライフスタイル情報を発信している。2年連続で開催となる同イベントは、小泉や水野美紀のライブトーク、40代女性に役立つオンラインセミナーが配信された。
「GLOW」と朝日新聞社との共同プロジェクトでもある、加齢に対する新たな価値観“わたしらしく、ゆるっと、優雅に輝く”の日本社会への浸透を目指す「Aging Gracefully~わたしらしく輝く~」のアンバサダーを務める小泉。今回は、“ぜひものカルチャー”というテーマで、自身が薦めるカルチャーを紹介していくことに。
小泉は、「本が好きなので、本をたくさんご紹介したくて。最初、1冊、2冊、3冊と選んでいるうちに『えい、みんな持っていっちゃえ!』となって、ガラガラ(スーツケース)に入れて、家から全部これ持ってきたんですよ」と持参した本を見せながら照れ笑い。
また「今日は特にテーマやカテゴリーを決めているわけではなく、行き当たりばったりでお話させていただこうかなと」とほほ笑みながらトークがスタートした。
今読んでほしい小説No.1!西加奈子、5年ぶりの長篇小説『夜が明ける』
まずは、最近読んだという西加奈子の5年ぶりの長篇小説「夜が明ける」を紹介。新刊となる同書は、思春期から33歳になるまでの男の子同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡を描く、再生と救済の感動作。
小泉は、「高校時代に知り合った同級生の男の子2人がでてきて、1人はテレビの制作会社には入ってブラックな環境で仕事をし、もう1人は劇団に入って自分を表現していくけど、2人とも人生がうまくまわっていかない苦しみの中で過ごす時期があって。いろんなことを救いあげてる小説です。
貧困や虐待、過重労働、ジェンダー、シスターフット的なこともでてきて、今の社会の問題を一つずつ救い上げて書かれているので、私の中で今読んでほしい小説No.1でした。西さんの力作というか、渾身の力でお書きになった気がして、これは若い人にも大人にも読んでほしいです」と絶賛していた。
最近とても気になっているのは韓国語小説
「最近、とても気になってるのが韓国の文学」と言い、韓国語小説で最初に出会ったという、チョン・セランの「フィフティ・ピープル」をピックアップ。
50人のドラマがあやとりのように絡まり合う連作短編小説集になるが、「50人のキャラクターとそれにまつわる話を単純に50個書いていて、すごいエネルギーだなと思いました。短いのに顔が浮かんできてすごいですね。また、日本と違うことやここは同じだと思うところが見えるのもいいですよね」と魅力をコメント。
あと、「すごく感動しました」という、2020年「本屋大賞」の翻訳小説部門第1位を受賞したソン・ウォンピョンの小説「アーモンド」もセレクト。
「脳のどこかに障害がある男の子が成長していく話で。おばあちゃんとお母さんと小さな本屋さんを営みながら暮らしてるんですけど、その彼は障害のせいで感情がわからない子なんです。そこをおばあちゃん、お母さんが教えていくんですけど、ある時悲しいことが起こって一人で生きていかなといけなくて。その時にいろんな出会いや出来事が起きて、彼が感情を感じる奇跡がおきます。すごく素敵な本ですね」と説明。
また、「こうやって、韓国では今、若い作家さんがすごく活躍していらっしゃる。いろいろ本屋さんに並んでるので、韓国文学に興味があったら手にとってほしですね」と呼びかけた。
「一目ぼれしてずっと大事にしたいなと思って買いました」
さらに、駒形克己の絵本「Little tree」も紹介。誰にも気づかれない小さな存在だった木が、ページをめくるごとにポップアップとなって現れる、季節とともに姿を変え、周囲の様子もまた変化するポップアップ絵本だ。
「すごくきれいなの。誰にも気づかれない小さな存在が少しだけ背が高くなりました。そして春がきて、枝が伸びて、夏には葉がついて、秋には紅葉を迎え、冬が来たら葉が落ちて、春になったらお花が咲いて。最後にまた小さな種になる。これ、高いんですけど、一目ぼれしてずっと大事にしたいなと思って買いました」とほほを緩ませながらコメント。ほかにもさまざまな書籍を紹介していた。
本は“ジャケット買い”することが多いのかと聞かれると、「情報が入ってきて読みたいと思ってネットでポチっと買うこともありますね。あと、時間が空いてる時って喫茶店に入って30分お茶を飲む方も多いかもしれないけど、私はそういうのができなくて。だったら本屋さんで30分ウロウロするしようとするタイプで、若い時からそうでした。だから割と、運命的に出会って買うことが多いですね」とニッコリ。
また、本に関わるポッドキャストの番組をやっていることにもふれ、「そこで訪れた本屋さんとかで気になるものを買ってみることも多いですね」と話した。