11月10日(水)、お笑いコンビ・ハライチ、岩井勇気著書のエッセイ集「どうやら僕の日常生活はまちがっている」の大ヒットを記念し、ゲストに又吉直樹を迎えたトークイベントが行われた。

この作品は、2年ぶりの発売となった岩井のエッセイ集の第2弾。スピーチを頼まれた同級生の披露宴をすっぽかした話や、地球最後の日に食べるものをひたすら想像する話、寅さんの映画に突然涙する話のほか、岩井による初の小説も収録している。

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今回のトークショーについて岩井は、「取材の方も、来てくれた方もありがとうございます。こんな数の取材来たことないですよ」と驚くと、又吉は「岩井が、今いかに注目されてるかってことですよ」とフォローした。

しかし岩井は「僕だけが登壇するイベントもあったんですけど、こんなに来てもらったことはない(笑)」と改めて強調。そんな岩井を、又吉は「そんなことない、そんなことない」と優しくなだめた。

2人が共演していた『ピカルの定理』時代を思い出す

「2人だけでお客さんの前でトークをすることは初めてかも」と又吉が振ると、岩井は「2人で書店に来たのは、(岩井、又吉共に出演していた)『ピカルの定理』(フジテレビ)のハイタッチ会がありましたよね」と返答。

7年前くらいに岩井、又吉、モンスターエンジンの西森洋一と3人で書店を回ったという思い出話になると、又吉は「(渡辺)直美、欲しいな〜。どういう人選やったんや」と指摘した。

本作の感想について、又吉は「面白かったです、すごく“岩井らしい”というか、岩井そのものというか。すごく嫌なことも言うし、そうかと思えば優しいところもあるから岩井っぽい。読んでると段々、岩井を好きになる仕組みになってる感じがした」と称賛した。

岩井は恐縮するも、「1作目が10万部売れたんですけど、全然お金にならない」と嘆いた。又吉が「でも、(書いてて)楽しくない?」と尋ねるも、無言の岩井。又吉は「俺は書くのがめっちゃ好きやから」と明かした。

又吉の言葉を受け、岩井は「好きなんでしょうね。俺はこれまで全然活字を読んでこなかったので、一番最初に触れた小説は乙一さんの『ZOO』って短編集で、『ピカルの定理』のときに又吉さんからおすすめしてもらったんです」と説明。

それきり小説を読んでこなかったという岩井だったが、今回のトークショーに向け「又吉さんの本を読まなきゃいけない」と一念発起。最新作の「人間」を買おうと書店に行くも、売り切れており、手に取り読んだのは「劇場」だったことを明かし、「めちゃくちゃ面白かったです。こんなに活字が苦手なのに、読めました」と、又吉に感想を伝えた。

続けて「感動というか、読んでて主人公がいらつく人物で、めちゃくちゃむかつきました。最後、読む人にとっては感動する方向にいくと思うんですけど、あそこすらも腹立ちました」と本音をぶつけると、又吉は「なるほどね、割とそういう風に読んでくれる人が多いかもしれないね。小説は、美しい感情だけを書くものじゃないもんな」と受け止めていた。

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最新情報は、「どうやら僕の日常生活はまちがっている」の公式サイトまで。