『推しの王子様』第6話完全版

航(渡邊圭祐)は、泉美(比嘉愛未)と光井(ディーン・フジオカ)が、自分を一人前の男性に育てられるかどうかで賭けをしていたことを知る。「どうせあんたの大好きなゲームでもやってるつもりだったんだろ」。泉美に対して失望した航は、彼女に怒りをぶつけて部屋を出て行く。

その夜、杏奈(白石聖)と偶然出会った航は、彼女に励まされ、泉美を見返すためにも仕事を頑張るしかないと決意する。

「ペガサス・インク」では、開発を始めた新作乙女ゲーム「恋する森の中へ」で物語の途中から投入するキャラクターの制作に入ろうとしていた。そのキャラクターは社内コンペで決定するという。

泉美と光井は、今回はいつものようにキャラクターの設定に合わせてデザインを決めるのではなく、デザイン先行でもいい、自由な発想で考えてほしい、と皆に告げる。決まっているのは、メインキャラクターである3兄弟のピンチを助けるイベントで登場するということだけだった。真剣に話を聞いていた航は、そのコンペに挑戦することを決める。

泉美は、賭けのことを知られ、航を怒らせてしまったと光井に打ち明ける。光井は、きちんと話をするしかない、と泉美にアドバイスするが…。

そんなある夜、仕事を終えて帰路についた有栖川(瀬戸利樹)は、忘れ物をしたことに気づいて会社に戻る。すると、誰もいないはずの会社になぜか寝袋にくるまる航の姿が。今まで住んでいたところに帰れなくなり、会社に泊まるつもりだったらしい。有栖川は、ルームシェアしている従兄弟がたまたま出張中だったこともあり、仕方なく航を自宅に連れ帰る。

航は、有栖川の部屋に飾られている城の模型や戦国武将のフィギュアに目を奪われる。有栖川は、海外生活が長かったせいで、逆に日本の歴史に興味を持つようになったらしい。最推しは、政治家としても優れ、人を見る目もあったという武田信玄だという。「まるで光井さんみたいじゃない?」。有栖川はそう言って光井のことを褒めると、困ったことがあったら相談してみればいい、と航にアドバイスした。

あくる日、「ペガサス・インク」には、もうすぐ誕生日を迎えるケント様へ、ファンからのプレゼントが届く。泉美は、仕事の合間に、それを飾るなどテキパキと働く杏奈を見て、働き過ぎではないかと心配する。だが杏奈は、憧れの会社の一員として働けるのは楽しいし、航ともやれることを精一杯やろうと話したことを泉美に告げる。

航は、社内コンペへの参加を決めたものの、キャラクターの設定で悩んでいた。そんな航に声をかけ、相談に乗る光井。航は、光井のアドバイスをもとにいくつかのアイデアをまとめるが、なかなかOKは出ない。航は、「キャラの長所はわかったが、短所は何か」と光井から問われるが、答えられなかった。

光井は、人はいろいろな面を持っている多面体で、それが魅力につながる、と航に告げると、泉美のことに触れ、賭けのことを謝った。

そんなある日、思わぬ騒動が起きる。光井から、「ランタン・ホールディングス」と「池脇プロダクション」への届け物を任された杏奈が、荷物を取り違えて届けてしまったのだ。

泉美は、謝りに行くという杏奈を制し、光井に池脇プロへの対応を任せると、ランタンへと向かった。幸い、大きなトラブルにはならなかったが、すっかり落ち込んでしまう杏奈。航は、焦らないでちょっとずつ頑張ろう、と杏奈を励ます。

その夜、航は、有栖川のマンションを出て行く準備を始める。有栖川の従兄弟が予定より早く帰ってくることになったからだった。その際、航は、スマートフォンを会社に忘れてきたことに気づく。

航が支度している最中、有栖川は、気持ちが繋がったと言っていた相手に自分の思いは伝えたのか、と尋ねた。それに対して航は、伝える前に自分の気持ちがわからなくなるような出来事があったと返すと、好きになった相手が自分を見てくれていないことがわかったらどうするのか、と逆に有栖川に質問する。

すると、好きな人がこの世にいるだけで自分の居場所が見つかった気になるから諦める必要はない、と答える有栖川。「何より、好きだっていう気持ちは止められないしね」と、続けた。

同じころ、泉美と光井は、行きつけのバーで飲んでいた。泉美の気持ちを察していた光井は、航に謝りたいと思っているのなら、言葉にしないと伝わらないと助言する。

そんな光井の言葉を受け、店を飛び出す泉美。

航は、有栖川のマンションを出て、会社までスマホを取りに戻る。スマホは、芽衣(徳永えり)が見つけてくれていた。ふと、ホワイトボードにある自分の名前を見つめる航。デスクにも、自分の名前があった。じっとそれを見つめていた航は、会社を後にして走りだす。

泉美は、航に電話するが繋がらない。航が常宿にしていたネットカフェも訪れたが、彼の姿はなかった。航を探して走り回っていた泉美は、道路の反対側を走っていた彼に気づく。航も泉美を見つけていた。

お互いに顔を見るなり「ごめんなさい」と素直に謝る2人。泉美は、航が買ってきてくれたキーホルダーを取り出すと、礼を言う。そこで航は、ここ数日の間、ずっと泉美のことが頭に浮かんでいた、と切り出す。泉美を見つめながら、「もしかしたら俺…」と続ける航。そのとき、泉美のスマホが鳴った。杏奈が倒れたという連絡だった。

泉美たちは、杏奈が運ばれた病院を訪れた。杏奈は、過労が原因の貧血だったが、今夜のうちに家に戻れると知ってホッとする2人。泉美は、杏奈を家まで送るよう指示して病院を後にする。

杏奈をマンションまで送った航は、頑張っても結果が出ないと落ち込む杏奈を励まし、自分にできることがあれば頼ってほしい、と告げた。

自宅に戻った泉美は、「ラブ・マイ・ペガサス」を開き、ゲーム画面を見つめていた。あのとき航が何を言おうとしていたのか気になり…。

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