宇野実彩子の新曲「最低な君にさっきフラれました」の配信が、11月4日(水)にスタートした。

この楽曲は、「彼が部屋からいなくなった直後の、毒が混じった女性の本音を歌詞にしています」と宇野自身が語るように、傷ついた女性の思いを描いたバラード曲。

そして、宇野にとって初めてドラマ仕立てで制作されたミュージックビデオ(MV)には、“最低な君”である相手役で山田裕貴が出演している。

日本アカデミー賞受賞経験のある藤井道人監督を迎え、男女の出逢いから別れまでを、逆再生でさかのぼる映像作品となった今回のMV。その撮影エピソードやMVに登場したシチュエーションの中で「ラブラブ時に恋人とやってみたいこと」などを宇野と山田に聞いた。

<宇野実彩子・山田裕貴 インタビュー>

──MVの出演オファーを受けたときの率直な心境は?

山田:すごくうれしかったです。僕、AAAをデビューから知っていて。映画「頭文字D THE MOVIE」の主題歌を歌っていましたよね?

宇野:歌ってました!知ってくださっていて、すごい。

山田:AAAさんは、僕が出ている作品の主題歌を担当されていることもありましたし。そんなグループに所属する宇野さんのMV出演のお話は、すごくうれしかったです。MVに出演することが久しぶりで緊張していましたが、男女のリアルなドラマだと聞いたので、自分の恋愛などを思い返しながら撮影に臨みました(笑)。

──お互いの印象を聞かせてください。

宇野:山田さんは、いろいろな作品を見させていただく中で、本当に変幻自在というか、いろいろな役をやられていて、すごく柔軟な方だなと思っていて。だから、私にとっての“最高であり、最低の彼氏”は、山田さんしかいないなと思っていました。私は人見知りするタイプなのですが、すごく気さくで話しやすくて。撮影自体が2日間しかなかったのですが、一緒にいるときはいろいろ楽しくお話させていただきました。

山田:宇野さん、初日の最初のカットが始まる直前に「緊張する」と、ボソッと言っていて。「え、待って。宇野さんってこういう撮影、よくやってるんじゃないんですか?」って聞いたら、「セリフがあるMVは、なかなかない」と言うんで、一気に「これは、俺が引っ張らなきゃ」って焦りました(笑)。

宇野:プレッシャーを与えてしまった(笑)。

山田:始まりはそういう感じでしたが、すごく自然にそこにいさせてくれる空気感をお持ちで、本当にお芝居がしやすかったです。一応、僕は、俳優という職業でやってるんで、自分がリードしていかなきゃいけないのかなとは思いましたが、結果的には、そんな心配もいりませんでしたね。

──今回のMVでは、男女の出会いから別れが描かれていました。撮影中、監督からの指示や、お互いに演技プランなどはあったのでしょうか?特に、別れのきっかけとなる喧嘩のシーンはいかがでしたか?

宇野:喧嘩のシーンは本当に壮絶でしたね。

山田:壮絶でした。

宇野:セリフなどはまったく用意されていなくて。

山田:ある程度の設定だけでしたね。

宇野:本番前に「実際どういうふうに喧嘩する?」、「取り乱したら、どうなっちゃう?」という話し合いは、監督を含めてしました。最終的に別れに持って行かなくてはいけないお芝居は、本当に心が苦しくて。

山田:つらかった…。

──アドリブだったということですか?

山田:全部アドリブですね。15分くらいずっとカメラを回していましたが、あの時にしか出せない声のトーンとかがリアルで。

宇野:ちょっと声が震えていてね。

山田:急にカッとなる感じもあって。だから、あまりお芝居だとは思わなかったですね。設定だけ背負って、相手の声と言葉をちゃんと聞いて、受け取って、自然に出てくる言葉をキャッチボールして。一つ一つ積み重ねてできたシーンでした。

宇野:人生史上、一番の喧嘩をMVの撮影で経験しました(笑)。

──喧嘩だけではなく、ラブラブだった頃のシーンもありましたが、MV全体を通して、印象的なシーンはありますか?

山田:海でのデートだったり、一緒に歯磨きをしていたり、イチャイチャしているところは…イチャイチャって(笑)。心の距離が近い頃のシーンは、普通にドキドキしながら撮影していましたね。すごく楽しかったし。

そうだ、僕がリクエストして入れてもらったシーンがあるんです。カップルでの歯磨きって、横並びだと普通じゃないですか。だから、宇野さんに後ろに立ってもらって、僕の頭の上にアゴを乗せながら歯を磨くっていう構図にしたくて、入れてもらいました(笑)。

宇野:リクエストから生まれたシーンでしたね。あれは、カップルの皆さんに、マネしてもらいたいです!楽しいから(笑)。

山田:2人で、縦に並んだ姿を、鏡で見るのがいいんですよ。

宇野:ちょっと照れくさくてね。“壁ドン”みたいに名前があれば広めやすいんだけどな。

山田:たしかに。なんだろう…。

宇野:“アゴ乗せハブラシ”みたいな。

山田:そのまんまやないかい(笑)

──そんなラブラブなシーンでは、キャンプをしたり、アクセサリーをプレゼントしたり、海ではしゃいだり、いろいろなシチュエーションがありました。ご自身が、「やってみたいな」「このシチュエーションは好き」と、共感したポイントはありましたか?

宇野:2人が出会ったキャンプのシーンは、いいなと思いました。友達とみんなで、外で遊ぶということをあまりやったことがないので。だから、アクティブなデートは夢ですね。

──劇中の山田さんのように、率先してお肉を焼いてくれる男性に目がいきますか?

宇野:いっちゃいます!私、すごく単純なので(笑)。優しくリードしてくれて、楽しそうにしていて目立ってる人は、「一緒にいたら楽しそうだな」と思って惹かれますね。

──山田さんはいかがですか?

山田:家で料理中に、後ろからちょっかいをかけるとか…好きですね(笑)。そういえば、映画を観ているシーンって入ってました?

宇野:入ってなかった!

山田:家でポップコーンを食べながら、2人で映画を観るシーンも撮ったんです。それが入っていなくて残念だったんですが…ソファに座って、家でまったりっていうのは、僕の憧れているシチュエーションで。まったり具合が合う人が好きです!

宇野:分かる!

──最後にMVの見どころと、楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

山田:人を好きになったことがない人って、たぶんいないと思うんです。だから、この曲は、誰もが感じたことのある苦しさや悲しみに寄り添える曲になっていると思うし、MVも寄り添える作品になっていると思います。実際、僕もこのMVを見て「切ない!」と思ったし、多くの方に共感してもらえたらうれしいです。僕、この曲もMVも本当に好きなので、家でも絶対見ちゃうと思う(笑)。

宇野:うれしい!

山田:それくらい、素敵なMVになっているので、たくさん見てください。

宇野:自分にとって挑戦だったバラード曲なので、いろいろと制限がある中でもこうしてMVを作ることができたことに感謝しています。もう“ステキ”という言葉では表現しきれないほど、素晴らしい作品になったので感激しました。この曲を聴いて、MVを見て、自分の今までの失恋を乗り越えるきっかけになってくれたらうれしいですね。