毎週月曜21時からフジテレビで放送されている、波瑠主演のドラマ『ナイト・ドクター』。2週間の休止を経て、8月9日(月)に放送される第6話から後半戦がスタートする(第6話は15分拡大)。
本作は、波瑠演じる主人公の救急医・朝倉美月(あさくら・みつき)が、夜間救急専門のナイト・ドクター結成のために集められた、年齢も性格も価値観もまったく異なる医師たちとともに、昼はそれぞれの人生に、夜は命に向き合いながら絆を紡いでいく、完全オリジナルの“青春群像医療ドラマ”。
5話までに、ナイト・ドクターとして働く美月をはじめ、成瀬(田中圭)、深澤(岸優太/King & Prince)、桜庭(北村匠海)、幸保(岡崎紗絵)の抱えている悩みや過去が描かれてきた。第6話の予告では、美月が事故に遭う様子が映し出され、SNSなどでは「美月どうなるの!?」と話題となっている。
フジテレビュー!!は、野田悠介プロデューサーにインタビュー。気になるドラマ後半の見どころはもちろん、初めての試みとなる5人のアーティストによる“オリジナルナンバー”への思い、本作で伝えたいことを聞いた。
<野田悠介プロデューサー インタビュー>
──前半の放送を終え、どんな反響がありましたか?
初回から、視聴率も良く、リアルタイムでTwitterなどSNSを見ていてもトレンドに関連ワードが入っていて、すごくうれしかったですね。個人的には、知人からも「見たよ」「面白かったよ」と…お世辞かもしれませんが言っていただけているので、スタートは良かったかなと思っています。
──実際に映像となった作品を見た感想を聞かせてください。
はじめは、夜が舞台で、医療ドラマだということもあって、全体の画がすごく暗く重苦しいものになってしまうのではという不安がありました。ただ、美月(波瑠)をはじめとするナイト・ドクターたちが夜の暗い中で戦った、そのあとに見る朝日を印象的にしたかったんです。それが、1話から映像としてはうまく表現できていたのではと感じました。
あとは、医療の緊迫感と、プライベートな部分のコメディ色のバランスがうまく映像としては表現できたかなと感じています。
──主演の波瑠さん、田中圭さん、岸優太さん、北村匠海さん、岡崎紗絵さんらキャストの皆さんは、現場ではどのように過ごされていますか?
クランクイン前に行われた医療独特の動きなどを確認するリハーサルの際は、皆さん少しよそいきというか、あまり“盛り上がる”ということはなかったかと思います。でも、撮影が進むにつれて、指導医・本郷役の沢村一樹さんを含めて6人でずっとしゃべっていて、和気あいあいという言葉そのものです。
このドラマは、年齢や性別、価値観がバラバラな5人が一緒に戦っていくということをテーマにしていますが、役者の皆さんと重なる部分がありますね。バラバラなのに、なんかまとまっている雰囲気がステキだなと思いながら見ています。
──本作は使用されている楽曲も話題ですね。今回は “主題歌”ではなく“オリジナルナンバー”として採用し、5人のアーティストの方が参加されていますが、これはいつから動いていた企画なのでしょうか?
昨年から動いていました。メインとなるナイト・ドクター5人の青春群像劇を描いていく中で、ハッピーに終わる話と、悲しい話があって、そのときにかかる曲が同じというのは違うなと思っていたんです。
そこで、5人が持つ思いやそれぞれのシーンに合った楽曲を流すことができれば、ストーリーと歌の力と、相乗効果が生まれるのではないかと思いつきました。
yamaさん、eillさん、琴音さん、Tani Yuukiさん、三浦風雅さんにご参加いただくことが決まり、たくさんの時間をかけてお話させていただいたので、実際に放送を見ていてもストーリーとのシンクロ性はうまく表現できていると感じています。
──楽曲制作には、野田さんのご意見も反映されているということですか?
そうですね。楽曲の一つひとつにテーマを設けているので、その思いをまずは伝えさせていただいて。そのうえで、「こういう感じの楽曲を作りたい」という話と、デモも何度かやりとりをして、仕上げていきました。
──プロデューサーの方が、楽曲にそこまで深く関わることも少ない気がするのですが、いかがでしょうか?
あまりないことかと思います。それに、この形でドラマを作ることが初めてだと思うので、うまくいくかどうかという部分も心配ですね。
主題歌にはドラマと一緒に育つというか、ストーリーが進むにつれて温まっていく良さがあると思うんです。今回はそれとは違う方向で楽曲の良さをドラマにシンクロできたらと思って、この企画を進行していました。
──ドラマの後半でも、それぞれの楽曲がどこでかかるのか、楽しみの一つになりそうですね。
そうですね。どこで曲をかけるかは話の流れによって変わると思いますが、いわゆる「この曲がかかったら、もう終盤」という印象はないと思うので、今までのドラマとは違った楽しみ方ができるかなと思います。
──野田さんは『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『コード・ブルー特別編-もう一つの戦場-』など医療ドラマの制作に多く携わっていますが、『ナイト・ドクター』を制作するうえで、特に意識したことはありますか?
病院の中だけではない、外の物語とのバランスは考えています。医者って、聖人といいますか、「こうあるべきだ」という姿が皆さんの中にありませんか?でも、実際は、病院を離れれば1人の普通の人間で、悩んでいたり、苦しい過去を抱えていたり、いろいろな思いを持って生きていると思うんです。
そこの側面を、今回のドラマでは強く出していきたいなと思って、青春群像劇として描いています。ですから、意識している部分で言うと、プライベートの時間も、病院にいる時間も、5人みんながさまざまなことを共有するということでしょうか。
──5人がそろって寮生活をしていることも、ポイントでしょうか?
そうですね。4話で幸保(岡崎紗絵)が寮に移り住み、5人がそろいました。夜はもちろん仕事の会話をして、命と向き合う。昼間はそれぞれがそれぞれの生き方をしながら悩み、それを相談し合う。時には、ふとした話の中で医療や救急員に対する温度感の違いを感じてぶつかり合うこともあるし、長い時間一緒にいるからこその関係性を描きたいなと思い、寮という設定にしました。
──本作は、昼夜2交代制の病院を舞台にしたドラマですが、実際にこういった病院はあるのでしょうか?
ありますし、これからどんどん増えていくと思います。僕たちは実際、3交代制の勤務を取り入れている湘南鎌倉総合病院に取材をさせていただきました。この病院は、海外で主流になっている、患者をひとまず受け入れて処置をして、細かい治療は他の科に回すという“ER型”の救命救急センターを運営しています。
きっと皆さんには、救命医は夜遅くまで働き、「ライフワークバランスって何?」というような生活を送っているイメージがあると思います。でも、湘南鎌倉総合病院は3交代制だから、それぞれが8時間ほどの勤務ですし、話をうかがうと私生活もすごく充実している様子でした(笑)。
病院の方針で、プライベートの充実も大事にされているんですよね。そこで働く人の姿や、“患者を受け入れること”をモットーにしている病院の理念や考え方はドラマの参考にしています。
──では、最後に6話以降の見どころをお願いします。
5話までは1人ずつにフォーカスして、それぞれの過去や、いろいろなことを乗り越える姿を描いてきました。後半戦は、「5人でどういう考え方をしていくか」を描いていきます。
今、5人はナイト・ドクターとして働き、そこで働く意味や意義を感じていますが、「ずっとナイト・ドクターとして働きたいのか?」「違う夢が本当はあるのでは?」と、個々の考えがどんどんと変化していきます。それぞれの生き方を考える中で生まれる、5人の温度感や意見の違いを見せられたらと思っています。
5話で少し温まった関係値が、6話以降どうなっていくのか。5人のぶつかり合いは見どころになると思います。