芥川賞&文藝賞をW受賞した若竹千佐子氏の小説「おらおらでひとりいぐも」が映画化され、11月6日(金)に初日舞台挨拶がTOHOシネマズ日本橋で行われた。

舞台上には、主演の田中裕子をはじめ、蒼井優、濱田岳、青木崇高、沖田修一監督が登壇。撮影現場でのエピソードや、作品への思いが語られた。

夫を亡くし、ひとりで生きることになるも、孤独の先に“生”を見出していく75歳の桃子(田中)の生きざまを描くこの作品。冒頭、田中は「この映画はポップです。見終わってちょっとでもはじけてもらえたら、幸せです」と作品の魅力をコメント。

共演で桃子の青年期を演じる蒼井は、「田中裕子さんと同じ役をやらせていただく、こんな機会はないですし、一緒にお仕事をさせていただけるのは夢のようでした。ずっと夢みたいで…」と時折田中のほうを見ながら語った。

続けて「脳内の声もやらせていただいたので、自分が映ってないシーンでも陰からアテレコしてるような感じで現場に入っていたんですが、たまにセリフを入れるのを忘れるぐらい現場が楽しくて、いまだに良い仕事だったなと思います」と笑顔で振り返った。

蒼井は、出番がない時でも現場に入っていたそうで、それについて聞かれた田中は、「どこにいるんだろう、というような感じでいつも片隅に。照明さんか?っていうぐらい(の位置)にそっといてくれました」と現場での様子を報告。

蒼井は「(脳内の声なので)視界に入らないようにしてました」と、憧れの先輩との共演という至福の時間をひとつずつ思い出しながらコメントをしていた。

田中に関しては沖田監督も「撮ってる時は必死なんですけど、ふとした瞬間に“あ、田中さんと仕事してる”と思ったし、桃子さん(役名)がとってもチャーミングなので、ずっと見ていたいと思いました」と率直な思いを語り、現場が田中の存在感に魅了されていた、というのが伝わってくる舞台挨拶となった。

舞台挨拶の最後に田中が、映画館に詰め掛けた観客人一人一人に語りかけるように、「一日も早く、気兼ねなく映画館で映画が観れる日が来るように。肩ぶつけ合ってコンサートに行くことができるように。小っちゃな小屋で、お手洗いに行くこともはばかられるようなところで芝居が見られる、そんな日が来るように心から祈ります。みなさんお元気でいらしてくださいね。映画館で久しぶりに映画でも見ようかな、って思ってる人がいたら、待ってます、って伝えてください。今日はありがとうございました」とメッセージを送り、温かい拍手に包まれた。

トークセッションでは“小さな楽しみ”も紹介

映画「おらおらでひとりいぐも」は11月6日(金)よりロードショー
配給:配給:アスミック・エース
最新情報は、映画「おらおらでひとりいぐも」公式サイトまで。