女手一つで3人の弟を養う“肝っ玉姉ちゃん”の安達桃子(有村架純)と、彼女を取り巻く個性豊かな登場人物たちが繰り広げるラブ&ホームコメディ『姉ちゃんの恋人』。

岡田惠和が脚本を手がけるオリジナルドラマで、桃子が愛情深く育てている“イケかわ”3兄弟の長男・和輝を演じているのが、King & Princeの髙橋海人。

和輝は、農学部に通う20歳の大学3年生。家族のために働き、大学にも通わせてくれた桃子に感謝し、いつか恩返しをすると心に誓っている心優しい弟だ。過去に恋愛に失敗して傷つく桃子を見てきたため、桃子の恋の気配を感じ取ってからは心配が尽きない。

そんな和輝も、桃子の幼なじみで旅行会社に勤める浜野みゆき(奈緒)との恋が急展開しそうで…。

「安達家は、本当の家族みたいで楽しい」と言いながら、「お兄ちゃんっぽくできているのかな」と不安を口にする髙橋に、現場の雰囲気や作品の魅力、恋愛シーンへの挑戦などを聞いた。

<髙橋海人 インタビュー>

──安達家は、いつも仲がよくて楽しそうですね。

本当の姉弟みたいで楽しいです。撮影の合間にみんなでなぞなぞ大会をしたり、三男・朝輝(ともき)役の南出凌嘉(みなみで・りょうが)くんがトランプマジックをしてくれたり。ワイワイ盛り上がりながらやっています。

こんなに仲良くなれたのは、クランクイン前に有村さんが家族みんなで話をする機会を設けてくださったことが大きいですね。その場で、有村さんが「敬語禁止」を提案されて、最初は無理だったけど、もう今は「姉ちゃん」って自然と言えるし、みんなも敬語を取っ払って話せるようになりました。

──King & Princeでは一番年下ですが、ドラマでは長男。お兄ちゃんとして弟たちを引っ張っているのですか?

僕は姉がいて、生まれてからずっと弟で、ダンスをやっているときも年上の人にちやほやされて、今グループでもちやほやされているから(笑)、長男役なんて大丈夫かなと心配でした。

でも、今のグループも年長組が盛り上げ役で、その姿を見てきたので、兄弟3人でいるときは、できるだけ会話をするように心がけています。お芝居では、設定だけ決まっていて細かく描かれていないシーンがたくさんあるので、「ここはこんな感じで演じてみよう」とか「こんなことしたらおもしろいね」とか、そういう提案はちょくちょくしています。

ただ、和輝は“間っ子”なので、姉ちゃんに対しては弟だし、弟たちにはお兄ちゃんというのがおもしろいところ。二つの面のバランスをどうやって出していくか試行錯誤しています。

──そんな和輝をどう演じているのですか?

かなり悩んだし、難しいなって思いました。初めは、台本をいただいて、自分なりに和輝像を作り込んで現場に行ったんです。そうしたら監督さんに、「いや、和輝は本当にピュアな子だから、逆に何も考えずに、その場で思ったことをポンって話すくらいの勢いで演じてほしい」と言われました。

和輝は、だれに対しても距離感が近くて、壁もなく、みんな平等に接することができるのが魅力。僕自身はビビりなので、初めは戸惑いを隠せなかったんですけど、監督さんにアドバイスをたくさんいただいたり、共演者の方やスタッフさん、カメラマンさんなどいろいろな人に聞いたりして、自分が思っている和輝と監督さんが思う和輝とを照らし合わせて演じている感じです。とにかく勉強させていただいています。

岡田さんの脚本は、心が「あったけー!」ってなる

──岡田さんの脚本は、どんなところに魅力を感じますか?

胸が温かくなりますね。演じていても、「あったけー!」って、ここ(心)が温かくなって、体温が上がってくるんですよ。“

あとは、盛り上がるところは全力で盛り上がって、泣くところはみんなで泣いて、笑うところはみんなで笑って、というところ。僕が演じているのは、家族のシーンが多いんですけど、そういう温かさは120%くらい感じてもらえると思うので、他のシーンが合わさったら、もうどうなるんだろうと思います(笑)。

──和輝とみゆき(奈緒)との恋も動き出しますね。

台本を読んで一番びっくりしたのが、第3話のみゆきさんとのシーン。カフェで話をしていて、急にみゆきさんの唇についたカフェラテの泡を和輝が指で取るところがあったんですけど、衝撃でした。これ、僕がやるんだって(笑)。

和輝は、頭で考えるより思ったことが行動に出てしまうので、「もっと相手のことを見つめて」とか「もっと気持ちをしっかり伝えて」とかアドバイスをいただきながら、がんばって演じましたけど、本当に照れましたね。

──実際にそのシーンを撮影した感想は?

僕、アイドルとして活動しているのに、恋愛シーンって経験がなくてキュンキュンに慣れてないなって(笑)。でも、慣れてないなりに、等身大の20歳の子ががんばっている姿は再現できたかな。

苦戦したシーンなので、見た方がちゃんと成り立っていると思ってくださったらうれしいです。正直いうと、僕にとって一番の山場でした(笑)。

──ドラマのナレーションも担当されていますが、初挑戦だそうですね。

緊張しました。でも、スタッフさんに声がいいって言われて、うれしかったですね。演じているときとはまた違う緊張感ですし、おこがましいですけど、ナレーションって“作品の顔”っていうか(笑)。

だから、その部分を和輝が担うっていうのは、すごくうれしいし、和輝役でよかったなと思います。これからも誠心誠意務めさせていただきます。

──最後にメッセージをお願いします。

和輝は、みゆきさんに気持ちを打ち明けるんですけど、ここから姉ちゃんの恋に対して心が揺らぎながら、自分の恋もどう進んでいくのか。みゆきさんは、姉ちゃんの親友だから、姉ちゃんに言うのか言わないのか。秘密のまま“禁断の恋”で続いていくのか、はたまた2人の恋はうまくいかないのか…。

ほかにも、いろいろなキャラクターが丁寧に描かれているので、みなさんの中で寄り添えるキャラクターを見つけていただいて、自分と重ね合わせながら見ていただけたら。その中でも、和輝に寄り添って見てくださるとうれしいですが(笑)、とにかく楽しんでいただけるとうれしいです。