<板垣李光人 コメント>
初めて原作を拝読した際に、作品がもつエネルギーに圧倒されたことを覚えています。清水先生が心血を注がれ、たくさんの方々が愛を注がれた『秘密』という作品を、ドラマとして描くということ、薪剛という役を預からせていただくということは大変な覚悟が必要だと感じました。
しかしながら、生身の人間が持つエネルギーというものもまた役者として信じている部分がありますので、この作品の素晴らしさとエネルギーをお届けできるよう、誠心誠意努めてまいります。
今回演じさせていただく薪剛という役は、クールで頭脳明せきで、部下への当たりが強いキャラクターとして紹介される人物です。
しかし、彼の強さというのは、無情かつ無常な世界を知っているから、強くなければ自らを、そして自分の大切なものを守れないと知っているからだと思います。
本当はとても弱くてもろい、繊細な彼の苦しみと痛みを分かち合いながら、寄り添って一緒に歩んでいきたいです。
今回初めてご一緒させていただく中島さんには、とても大きな包容力と安心感のようなものを抱きました。それは、ともに作品をご一緒するうえでも、薪剛としても、きっとたくさん助けていただくのだろうと感じています。
人々の哀しみや孤独、背負った大きな十字架に対し、はたして「MRI捜査」は救済になりうるのか。我々にとって正義とは、愛とは何なのか。そんな人間ドラマを大切に紡いでまいりますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。