世界中で愛され続けている普及の名作「ピーターパン」。アニメとともにミュージカルとしても多数の公演を重ねているが、日本では1981年に榊原郁恵(※)主演で初演されて以来、40年にわたり上演されている。

※榊原郁恵の「榊」は、正しくは木へんに神

日本公演40周年となる今年は、潤色・訳詞をフジノサツコ、演出を森新太郎が務め、新たなステージを作り上げている。

夢の国“ネバーランド”のフック船長(小西遼生)のもとに集う海賊の1人・セッコを演じる當間ローズに、フジテレビュー!!がインタビュー。

當間と言えば、婚活サバイバル番組「バチェロレッテ・ジャパン」(Amazon Prime Video)で“愛と筋肉のハイブリッド”と呼ばれ話題に。その後、音楽活動のかたわら、ドラマ『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ系)や、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』でドッキリかかるなど、ドラマ、バラエティ番組に多数出演。『みんなで筋肉体操』(NHK)にも出演し、活躍の場を広げている。

稽古直後に直撃すると、「今日、取材があるからローズのTシャツを着てきました!」と笑顔を見せてくれた當間。稽古場の様子や、「ピーターパン」の内容にちなみ“子どもの頃の夢”について聞いた。

當間ローズ「セクシーさは残しつつ、ちょっぴりおバカな…」

──まずは、「ピーターパン」への出演が決まったときの心境をお聞かせください。

実は、2年前に決まった舞台だったのですが、今作が初めての大きな作品への出演になります。小さい頃に見たことがある作品でしたし、40周年という節目の年に携われることも、オーディションで役を勝ち取れたことも、とにかくうれしかったですね。

──今回演じる海賊のセッコは、どんな役でしょうか?

僕に近いセクシーさは残しつつ、ちょっぴりおバカなところがある海賊です(笑)。陽気な性格でもあるので、演じているのはすごく楽しいです。芝居経験豊富な先輩方の背中を見ていろいろ学びつつ、とにかく誰よりも楽しもうと思っていて。その楽しさが見ている方に伝わったらいいなと思っています!

──稽古場はどんな雰囲気ですか?

僕自身、初めての大きな舞台出演ということで「稽古ってどんな感じなんだろう?」と不安があり、演出の森(新太郎)さんは厳しい方だと聞いていたので(笑)、最初は緊張していました。

でも、森さんはとても分かりやすく丁寧にお芝居を教えてくださるし、周りの皆さんもサポートしてくださるので、安心しました。子役の皆さんもいて和気あいあいとした現場ですね。

──皆さんはどんなサポートをしてくださるんですか?

劇中、全体が動き出すきっかけになるセリフを言うことが多いのですが、皆さんがタイミングを教えてくださるんです。「ローズ、このあとだよ!」と(笑)。

──チームワーク抜群なんですね?

本当に息ピッタリです!あと、森さんは一度キャストに芝居をやらせて、「違うな」と思ったらすぐ別の演出をつけてくださるのですが、僕はまだそのやり方に慣れていなくて。戸惑うことも多いのですが、皆さんが「ローズ、次はこういう芝居に変わったからね」と教えてくださるんです。もう、みんな最高です!

──優しい皆さんに囲まれて、ミュージカルの楽しさは感じていますか?

最初は頭を抱えましたが、本当に楽しいですね。まだ「ピーターパン」の上演もこれからではありますが、もしまた機会があればミュージカルに出たいと思っていますし、頑張りたいなと思っています。

──夢のある物語が世界中で愛されている「ピーターパン」。當間さんは、子どもの頃の夢はなんでしたか?

小さい頃から、ステージに立つことが夢でした。その夢を持ったきっかけは、いじめを受けていたことなのですが…当時の僕には友だちがいなくて、テレビが唯一の友だちだったんです。テレビに出てくる芸能人に勇気をもらって、力をもらっていたので、「自分も人を救える人になりたい」と思うようになりました。

歌手として活動するようになって、テレビなどにも出るようになって、こうしてミュージカルにも出演して、今、第一段階の夢は叶えられたかな。でも、やりたいことはまだまだいっぱいあります!生きる糧や原動力になるので、夢は常に持っていたほうがいいと僕は思うし、一つ叶えたら次の夢を持つようにしています。

──次の夢を聞いてもいいですか?

武道館でソロライブをしたいです!大きすぎ(笑)?

──大きな夢を持つ當間さんが、今“ネバーランド”を作るならどんな国を作りますか?

セクシーランド!…って、言葉にするとちょっと変な想像をされてしまいそうですが(笑)、「みんながありのままの自分で生きられる国」というコンセプトの国が作りたいです。

──では、當間さんが仕事をするときに欠かせない必須アイテムは?

鏡!朝起きて最初にすることは、鏡を見ることですし…あ、自分が好きだからとかではなくて(笑)、自分のコンディションは自分にしか分からないですし、こういうお仕事をする以上、外に出たらハッピーオーラを振りまきたいので。もし何かダメな部分があったら、すべて家の中で片付けてから家を出るようにしています。

──今は毎日稽古で忙しいと思いますが、癒しの存在は何かありますか?

お花ですね。自分で切り花を買ってきて、生けるということにハマっています。疲れて帰ったときに、彼女たちは笑顔で迎えてくれるのですが、それが本当に癒される。

──花を飾るようになったきっかけは何かあったのですか?

コロナ禍で結婚式などが中止になり、お花が買ってもらえないまま大量に廃棄処分されていると聞きました。そのときに「自分に何かできることはないか」と思って買い始めたのがきっかけです。飾ってみたらすごく癒されて。そこからずっと続けています。

──好きな花は?

“好きな”と言われると、赤いローズ一択(笑)。ちなみに今は、白いアンセリウムを飾っています!

──花を選ぶポイントはありますか?

生けるときにテーマを決めているので、そのテーマに合わせて花を選んでいます。今回は「エキゾチック・ホワイト・パーティ」というのがテーマ(笑)。アンセリウムとトロピカルな葉っぱを生けています。

とにかく生けることにハマっているので、今家には花瓶もかなりたくさんあって。京都から取り寄せることもありますし、いろいろな花瓶を買いあさっています(笑)。

──器にもこだわりがあるんですね。

お花からすると、花瓶はファッションなので。お洋服を着せるイメージですね。

──これは今後も続きそうな熱量がありますね。

実は、廃棄されるバラを安く仕入れて、養護学校などの子どもたちに届けるという新しいプロジェクトも始めたんです。お花は心を豊かにしてくれますし、廃棄になってしまうくらいなら、誰かのためになると、僕も、お花もうれしいです。

──最後に「ピーターパン」の見どころ、ご自身の見てほしいポイントをお願いします。

「ピーターパン」は、毎年演出の方によって見どころが変わると思います。今回のテーマは、原点に戻るということ。映像や大掛かりなセットではなく、すべてのものに“人が命を吹き込むこと”を大事にしているので、そこは見どころです。

そして、僕が演じるセッコとしては、誰よりも楽しんでいるというのが一つの見どころです。ハッピーになりたい方は、ぜひ僕を注目してみてください!