7月11日(日)14時から、フジテレビでは『ザ・ノンフィクション「ここでしか生きられない私~34歳 秋葉原メイド物語~」』が放送され、語りをきゃりーぱみゅぱみゅが担当する。

「お帰りなさいませ。ご主人さま♡」そんな掛け声が飛び交うメイドカフェ。

TikTokで約52万人のフォロワーを持ち、外国人客の人気観光スポットとなっている秋葉原の人気店に、この街でも数少ない30代のメイドがいる。

34歳のもちは、10年前からこの店でメイドとして働き、去年、創業者から運営を譲り受けた。

しかし、2020年春からのコロナ禍で、秋葉原の街からは人が消えた。外国人観光客でにぎわっていたメイドカフェも一転、客足が途絶え売り上げは減少。終わりの見えないコロナ禍で、もちも追い込まれていく。

そんな中、始めた連日連夜のオンライン配信によるグッズ販売。4000人以上のユーザーを引きつけ、それが人気店の経営を支え続けている。

友人も恋人もおらず、働き続ける日々。それでもなぜ、もちは働き続けるのか。「絶対にこの店をなくしたくない」彼女の覚悟の裏にあるつらく悲しい過去とは…。

今回、番組のファンだというきゃりーぱみゅぱみゅが、初めて語りに挑んだ。同じくコロナ禍で大きな影響を受けた音楽業界に生きる彼女は、何を思ったのか?収録後に聞いた。

<きゃりーぱみゅぱみゅ インタビュー>

――収録を終えての感想は?

今、コロナ禍でこのようなことが秋葉原で起きてるんだっていうのを目の当たりにして、私の仕事もそうですけど、影響は大きいんだな、と思いました。

ナレーションの感想としては、自分の中で3種類くらい声を使い分けて、もちさんの気持ちや環境によって、トーンを合わせる、といったこともしてみました。

――声の変化はVTRを見ていて生まれたものですか?

そうですね。VTRを見ながら自分なりに変化を付けていったんですけど、スタッフさんに「今のよかったです」と言ってもらったのは、もちさんの思いを自分なりに感じ取ってしゃべっていたときでした。

――もちさん、同僚のメイドのあずにゃんさんについてはどんなふうにご覧になりましたか?

(それぞれに言い分が違う)お互いの気持ちもすごくわかるなと思ったのですけど、“表舞台はあずにゃんさんで、縁の下の力持ちはもちさんで”という2人の関係性はすごく素敵だなと思いました。

――共感できた部分はありますか?

私は、もちさんとたぶん似ているところがあって、あんまりきつく言いたくないというか、優しいことでリーダーとして立てたらな、と思っている部分があって。でも、ちゃんと弱音を吐くこととか、共有することがとても大事だというのは、見ていてもちさんからも学びました。

――同じエンタメ業界という部分ではどうでしょうか?

私もライブができなかったり、予定していたことができなくなっちゃって「どうしよう?」と思ったこともありましたが、これは日本中、世界中で起こってる現実なんだというのを改めて思いました。

ライブができない間に「ファンがいなくなっちゃうのでは?」と不安になったことも

――それでも前向きに頑張ろうと思える原動力はなんですか?

お2人の思いと一緒なんですけど、応援してくださっているファンの方々や、中でも常連の方々のことを思うと、このコロナ禍を乗り切って、またいつもの生活に戻れるように努力したいなっていう。それがやっぱりエネルギーの源かなと思います。

ありがたいことにワールドツアーでも、必ず最前列に来て下さる方々も結構いらっしゃいます。それでも、私自身、ライブが1年半くらいできない間に、ファンの方々がいなくなっちゃうんじゃないか、と不安になることがありました。この間、ライブを再開したら、みなさん会いに来てくれたんですけど。

それは多分、彼女たちにも言えることで、そういう不安はエンタメ業界に携わる方はあるのかなって思います。

――番組タイトルにあるように「ここでしか生きられない私」の物語でもありました。きゃりーさんにとって「ここが自分の居場所」だと思うところはありますか?

学生時代、時間割が結構しんどかったんです。決まったスケジュールで、この週のこの日は何をやって、みたいな“誰かに決められたルーティン”が嫌で。それを友だちに話すと、変わってるね、ヘンだね、みたいに言われることが多くて、「私ってそうなのかな…」と思っていたんです。

でも、今のお仕事は、ライブをしたり、プロデュースしたり、こうやってナレーションをさせてもらったりだとか、お仕事の幅がとても広いので、とても楽しくできていて。毎日、資料を作成するとか同じことをやり続けるような仕事は多分向いていなくて。だから、私の居場所は、きゃりーぱみゅぱみゅしかないんじゃないかなって思います。

最近、ナレーションや声優のお仕事も少しずつさせていただくんですけど、めちゃくちゃ刺激的で、自分で考えながら話すっていうことがすごくクリエイティブでとても楽しいです。

あと、もともと『ザ・ノンフィクション』の大ファンで、毎週欠かさず見ているんですよね。だから、こうして自分も携われてすごくうれしいです。

――最後に視聴者、読者にメッセージをお願いします。

今回は、秋葉原のメイドカフェで起こっているリアルが見られます。コロナ禍で大変な思いをしている方もたくさんいると思いますけど、きっともちさんから勇気づけられることがあるでしょうし、エネルギーが届くんじゃないかな、と思っていますので、ぜひ、ご覧ください。

<ナレーションの一部をご紹介>