東日本大震災から14年となる2025年3月11日。大災害の記憶を忘れず教訓として防災対策につなげていく必要がありますが、ペットと共に避難生活をすることを考えたことはあるでしょうか。愛犬や愛猫に向けてどのような対策がとれるのでしょうか。
2025年3月4日、東京・世田谷区の北沢ではペットの防災に関するイベントが開催され、日本国際動物救命救急協会ペットセーバーでLAUW代表でもある小野千恵子さんによる講座が開かれていました。
小野さんに大災害が起こった際に、ペットと飼い主さんが一緒に災害を乗り越えるためのポイントを詳しく伺いました。
避難所に行く際に必要なもの
災害発生時には多くの人が「避難所に行こう」と考えているかと思います。
しかし、世田谷区内にあるほとんどの避難所ではペットのための備蓄物資は用意がないということです。
飼っているペットと避難所に行く場合、必要なものをすべて自分で用意して持っていく必要にせまられます。
では、具体的にどのようなものを準備すればいいのでしょうか?
小野さんによると、避難のための最低限(1週間分)の持ち物としては、
「ペットフード(7日分)」「飲み水(7日分)」「フードボウル」「トイレシート」「匂わないうんち袋」「おやつ」「予備のリード」「笛(助けを呼ぶため)」「慣れた毛布やおもちゃ等」「お腹の薬・普段飲んでいる薬」「インフォメーションカード」「ワクチン証明書のコピー」「かかりつけ医の診察券のコピー」「シャンプータオル」「マナーパンツ」「包帯セット」
が必要になるということです。
避難する際には意外にもペットのお腹の薬が必要だと小野さんは指摘します。
「避難所はワンちゃんにもすごくストレスになるので、普通とは状況が同じではないです。ペットがストレスでお腹を崩す場合がよくあります。」
また、ペットの情報を記載したインフォメーションカードも、万が一飼い主とはぐれてしまった時や、他の人が世話をする必要が出た際に役に立つということです。
フードと水の備蓄 実際に計算してみると…
「ペットフード(7日分)」「飲み水(7日分)」という部分も、実際に計算してみると、かなりの量になることがわかります。
小野さんは自身の飼っているペットを例に挙げて説明しました。
「25kgのスタンダードプードルと40kgのバーニーズ・マウンテン・ドッグの7日分のフードと水を計算してみると、フードが5.2kgと飲み水は22.8Lとなり、どうやっても犬と一緒に持っていけない量になってしまいます」
避難時には実際に持っていける量をひとまずバッグに詰めておき、落ち着いてから取りに来るのが現実的だということです。
また、能登半島地震では、避難所にいたとしてもペットグッズは支援物資として届かなかったことから「一般的に言われているのが1ヶ月の目安に常に置いておきましょう」と語ります。
インフォメーションカードの重要性
また、被災時に役立つのが「インフォメーションカード」だということです。
「避難所に行った時に、ペットの情報が思い出せないことなどもいっぱいあるので、平常時に記入しておいて、いつでも出せるっていう状態にしておくことがすごくいい」と小野さんは説明します。
インフォメーションカードには、以下のような情報を記入します。
「ペットの名前」「年齢」「性別」「品種」「体重」「マイクロチップ番号」
「鑑札番号」「特徴(外見や性格)」「アレルギー情報」「飼い主の連絡先」
また、インフォメーションカードの裏面には、飼い主とペットが一緒に写っている全身写真を貼ることもおすすめだといいます。
迷子の時にオーナーさんとペットを結びつける情報になるということです。
避難所では普段のトレーニングが鍵
避難所では多くの人とペットが狭い空間で過ごすことになります。
小野さんの調べによりますと、世田谷区の避難所ではクレート(ケージ)に入れないペットは基本的には受け入れてもらえないとのことです。
つまり、クレート(ケージ)にペットが慣れていないと、避難所での生活そのものが困難になる可能性があるのです。
災害時に備え、日頃からクレートトレーニングを行い、ペットにクレート(ケージ)を「安全な場所」と認識させることが重要です。
クレートトレーニングとして小野さんが愛犬と行った訓練では、「最初は扉を開けたままにして、中でおやつをあげたり、食事をさせたりします。徐々に閉める時間を延ばしていきます」と、段階的にトレーニングをすることで慣れていったということです。
また、避難所に慣れておくために避難所の近くを散歩コースに入れることや、散乱している瓦礫からペットの足を守るため靴を履かせる練習を行うことも有効だということです。
さらに、避難所以外の選択肢として、親戚やペットホテルなど他人に預けることに慣らすこともおすすめだということです。
ペット防災、今日からできることから始めよう
ご家庭に防災グッズを準備されているご家庭も多いかと思いますが、ペットのための準備まで行っている人は少ないのではないでしょうか。
イベント終了後、「災害時にペットと避難することについて一度、想像してほしい。」と小野さんは語りました。
被災時に大切なペットをどのように守るか…。
いざというときに向けて考えておくことが、大切になります。
東日本大震災から14年となる今年、改めて災害について一度考えてみてはいかがでしょうか。
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