前田愛が語る息子たちの成長「長三郎は自分の勢いをエネルギーに変えていく力がすごい。勘太郎はだんだんスピード、勢いが増していくタイプ」
12月20日(金)21時58分~(『全日本フィギュアスケート選手権2024』延長の場合、放送時間変更の可能性あり)/2025年1月5日(日)16時~再放送『勘三郎十三回忌特別企画 中村屋ファミリー 父が遺した約束…硫黄島の奇跡』
歌舞伎の名門・中村屋を35年にわたり密着取材するドキュメンタリー・シリーズ『中村屋ファミリー』。
12月20日(金)、25作目となる『勘三郎十三回忌特別企画 中村屋ファミリー 父が遺した約束…硫黄島の奇跡』が放送されます。
中村勘九郎さんと中村七之助さんの父で、2012年12月に急逝した十八世中村勘三郎さん。その十三回忌追善の大舞台が毎月のように行われた2024年は、中村屋ファミリーにとって節目の年となりました。
ファミリーとして大きな成長を遂げたこの一年にカメラが密着取材。ナレーションは、勘三郎さんと公私にわたり親しかった、大竹しのぶさんが務めます。
番組から、前田愛さんのインタビューが到着。放送に先がけて、その一部を紹介します。
放送終了後には、前田愛さんインタビュー「完全版」を掲載予定です。
<前田愛 インタビュー>
――今年は、中村勘三郎さんの十三回忌となる一年でした。どんな年になりましたか?
思っていた以上に一気に駆け抜けた感があります。何か盛りだくさんの年で、ひとつ終わったら次、ひとつ終わったら次って。主人(中村勘九郎さん)たちは、もっとせわしなかったでしょうけど。
日々、お客さまがやさしい言葉をかけてくださったり、伝えてくださったり…そういうときには、主人と「お父さんって、愛されてるね」というような話を、よくしました。
普段、義父がいつも見てくださっていると感じるのですが、今年はより強く感じましたね。
――2月、中村勘三郎さんを偲ぶ追善興行「猿若祭二月大歌舞伎」では、(長男・中村)勘太郎さんが「猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)」で猿若を演じました。
「やらせていただけるんだ」「大丈夫かな」という心配は、いつでもあるのですが、初めて勘太郎が不安そうな顔をして、出演の話を聞いていたのが印象に残っています。
いつもなら「お芝居に出られる!」と、胸躍る、顔がほころんじゃうみたいな感じなんですけど、今回はすごく怖そうな、おびえた顔をしていました。
私には、稽古が始まるまではずっと「怖い、怖い」って。主人が「大丈夫だよ」というふうなことを言っているのは聞いていますけど、特に何か話していたようなことはなかったかな。
それでも、お稽古が始まったら、覚悟を決めたというか。本人に「もう、やるしかない」という感じが出てきて、毎日励んでいました。
――(叔父である)中村七之助さんとの共演となりました。
おじじ(七之助さん)がいてくれたから、安心して舞台に出られたんだろうなというのは、見ていて思いました。私も、全然心持ちが違うというか。
「(七之助さんが)一緒にいてくれるから、何かがあっても大丈夫だから」と言える、心強さが本当にありがたかったんです。
――七之助さんが本当にうれしそうでした。
そうやって喜んでくださるのも、勘太郎にとってはすごくありがたいことだと思いますし、本当に良い経験をさせていただいたと思っています。
――そして、(次男・中村)長三郎さんは「連獅子」に挑みました。
「連獅子」をやると聞いたときは、「よしきた!やってやる」みたいな、もうその時点ですでに仔獅子みたいな…勢いと熱意がすごくありました。
最初に稽古したのは、2020年のコロナのときだったので、少しは覚えているのかなと思ったんですけど、もう見事に忘れていて(笑)。
確かに、4年も前で小さかったから、そうかと。でも、みんなで「こんなに見事に、忘れられるんだ…」って言いながら。
それでも、お稽古し始めたら、そのとき教えてもらったことが生きてくるし、支えになって、どんどん吸収していく感じが頼もしかったです。
長三郎は、自分の勢いをエネルギーに変えていく力がすごいんです。
主人が言うには「ギアが、最初からトップなんだ」って。ガンって入っちゃうみたい。(一方で)勘太郎は、だんだんスピード、勢いが増していくタイプなんです。
――春から新学期が始まって…舞台と学業と両立は難しかったですか?
「時間配分」を考えるという段階になってきたのかなと。
今までは、言われたことをやるだけで済んでいたんですけど、だんだん優先順位を考えて、稽古なら稽古、テストがあるならテスト…というのを、誰かに言われてやるんじゃなくて、自分で考えられるように。
学生の間は、この状況がこれからも続いていくわけですから、「自分の中でうまくやらないとね」という話はしています。それに関して「こちらができることは、何でもするからね」と。
実際には、移動中に「今日は、これやっておかないとね」とか言いながら、食事、宿題、舞台…と、まるでパズルのようです。
だいぶ成長したなと思いますけど、失敗をしながら、少しずつ自分がやりやすい方法を見つけられたらいいんじゃないかと思っています。
聞き手:後藤博(番組プロデューサー)
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