年金で1人暮らしをする、67歳の男性が投稿した1本の動画。タイトルは…。
「ようやく妻が死んでくれた」
その衝撃的なタイトルと、“涙と共感”を呼ぶ内容が海外メディアにも取り上げられ、書籍化もされるなど、大きな話題となっています。
定年後に動画制作を始めた“ごく普通の男性”が初めて投稿した動画は、今や再生回数862万回を突破。
なぜこのようなタイトルがつけられたのか?
投稿した男性を取材すると、多くの人を惹きつけた、「人生をよりよく生きるためのヒント」が見えてきました。
妻を失った喪失感から奮起 タイトルの理由
都内の築40年、2DKの賃貸アパートで愛犬と共に暮らしている「ぺこりーの」さん、67歳。
8年前まで、その隣には、最愛の妻・みさこさんがいました。
ぺこりーのさん:
急性心筋炎で倒れて、最後やっぱり心不全なんですよね。妻は、昼間はジムに行って運動して、ですから…(亡くなるとは)全く考えてなかったですね。
58歳という若さで亡くなった妻。ぺこりーのさんは、みさこさんを失ってから数年は、目的もなくぼう然と日々を過ごしていたといいます。
ぺこりーのさん:
1~2年は本当、記憶がないぐらいに、何やったかわかんない、覚えてないんですよね。それぐらいボーッとして、ただ息をしているだけの生活をしていた。経験したことのない…それは大きな転機になりました、やっぱり。
これではいけないと奮起したぺこりーのさんは、動画制作という新たな挑戦を始めます。
そんな中生まれたのが、動画「ようやく妻が死んでくれた」でした。
ラーメンを作って食べるぺこりーのさんの映像に、白い文字が書かれているシンプルな内容…。
ようやく妻が死んでくれた
やっと私に自由な時間がきた
歌舞伎町のキャバクラにも行けるし
これからまた新しい恋でもしよう
しかし…
冒頭に書いたようにはならなかった
パートナーが死ぬということは
言葉にできないほどの喪失感であり
耐え難いものだった
もし、あなたの妻があるいは夫が
まだ元気で生きているなら
あなたはそれだけで幸せ者だ
(「ようやく妻が死んでくれた」より)
ぺこりーのさん:
タイトルはいろんな批判も頂いたし、すごく深読みされる方は、「いいタイトルだ」とも言っていただいて、賛否両論あったんですけども。
自分はもう一人だから、残された人生はもう好きなように生きようみたいなことは、思ったと思いますね。
ある女性の方、私より高齢の方が書かれていた手記があって、もう本当に「旦那が死んだから、これから自由になれるわ」みたいな。男と女ってこんなに違うのかってその時思ったんですよね。
決して悪い意味でつけているタイトルじゃないというのは、分かっていただけると思います。
“当たり前の日々”を失って初めて気がつく「幸せ」
会社員時代は、企業のマーケティングなどを担当し、取締役も務めていたという、ぺこりーのさん。
しかし、がむしゃらに仕事をしていた若い頃を振り返り「愚かだった」と話します。
ぺこりーのさん:
愚かだなと思ったのは、“幸せ”って常に未来にあるって思っていて、若い頃は。
一生懸命働いて…出世して金稼いで、そうすると未来がある。幸せがあると。
(実際は)全然違って、妻との生活を振り返ってみると、いつも2人で晩酌しながら、普通のなんか…晩飯食ってるようなシーンしか思い浮かばないんですよ。
2人でビール飲んで、なんか笑って話してっていう、そういうシーンばっかりなんですよね。だから、あの日常こそが“幸せ”だったんじゃないかっていうのに本当に気づいたんですよね。幸せって“未来”じゃなくて“今”だったんじゃん。
そしたら、その当時にも妻にもっとこう…声かけられる言葉があったんじゃないかとか、感謝の気持ちとか、なんでそういうことに気づかないんだろうって本当に思いましたね。
いま思い出されるのは妻・みさこさんと過ごした、当たり前の日常。そこに隠れていた、本当の幸せ…。
その気づきを、動画にしてYouTubeで発信すると、多くの人の共感を呼び、話題となったのです。
ぺこりーのさんが投稿する動画は、妻が残したレシピを元に料理に挑戦したり、夫婦で共通の趣味だったお酒を楽しんだりする、どれもシンプルなもの。
ぺこりーのさん:
パートナーを亡くして苦しんだ方っていうのは、世の中に相当数いらっしゃるし、今はもうこんな老人社会ですから、そういう方に、ちょっと励みになればというふうにも思っていますよね、私の経験を、だからやっぱり動画にしてみようっていう。
そんな赤裸々な思いを、日記のようにつづった動画には、「凄いな人生の大先輩。色々考えさせられました」「昨日 夫と喧嘩しちゃったけど、早く仲直りして大切な時間を過ごします」といったコメントが何千件も寄せられています。
ぺこりーのさん:
まぁ正直、自分が飯食ったり、酒飲んでるのが、何が面白いんだろう?と、自分でよく分かってないんで、「老後はいいよ」って、若い人たちにも思ってほしいんですよね。
楽しく生活していますよって老後に。そういうのは見せたいです。
(『めざまし8』 2024年12月11日放送より)
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