芸術の秋がやってきました。そこで、日本のアートや文化を海外に向けて英語で紹介するTokyo Art Vibes∞のナビゲーターを務める佐久間みなみフジテレビアナウンサーは、箱根まで足を伸ばして、今年3月に亡くなった舟越桂さんの展覧会『舟越桂 森へ行く日』(~11月4日)を観に行ってきました。

舟越桂さんは、くすのきを素材とした木彫りの半身像で独特の世界を作り上げ、日本のみならず、海外からも高い評価を受ける彫刻家でした。神奈川・箱根にある彫刻の森美術館で開催中の『舟越桂 森へ行く日』で、舟越さんは野外に展示する新作を作る意欲すら見せていましたが、闘病のためにその願いは叶わず、今年3月に旅立たれました。入り口のポスターには、最期までこの展覧会の実現を望んだ舟越さんの熱い思いが込められているかのようです。

佐久間みなみアナ

会場の本館ギャラリーに入り、来場者がまず目にするのは舟越さんのアトリエです。使い込まれた道具、デッサン、試作品などが忠実に再現されています。舟越さんが27歳のときに作り、最後まで手放さなかった妻の肖像も注目です。

佐久間アナは「壁に貼られているメモを見てください。舟越さんのクリエーターとしての考えのプロセスがわかりますね」と興味深く見入っていました。

アトリエにて

舟越さんの彫刻の特徴は、素材は木でありながら、像に人間のぬくもりを感じることで、そのぬくもりを生み出しているのは大理石をはめこんだ目です。リアルそうでありながら、実は決して見る人と視線が合わない、というのが不思議です。

佐久間アナも、どうにか視線が合わないものかと、あらゆる方向からのぞき込んでみましたが、視線は合いません。

決して目線は合いません

舟越さんは生前「遠いところを見ているような視線が好きで、それは自分自身を探そうとしている視線なのだ」と言っていたそうですが、みなさんも舟越さんの作品と向かい合って、その世界を味わってみてください。