にしおかすみこさんが家族と介護について赤裸々に綴り、「壮絶だけど笑えて泣ける」と話題の自伝的エッセイ『ポンコツ一家』の続編『ポンコツ一家 2年目』(ともに講談社)が、9月20日に出版されました。
愛を込めて”ポンコツ一家”と表現し、笑いを交えつつも真っすぐに家族と向き合うにしおかさんに、日々の生活や家族への思い、自分の幸せを考えることの大切さと自身のこれからについて、じっくりと聞きました。
<にしおかすみこ インタビュー>
――「ポンコツ一家」2作目となりますが、前作の反響はいかがでしたか?
私は家族に愛を持って”ポンコツ “と言っているんですけれど、実際にそういった症状、障がい、悩んでらっしゃる方々が「ポンコツ」だと言われていると思われたらどうしようみたいな懸念がありました。
きれいごとではないし、かといって誇張もしたくないし、家族が誤解されるのも嫌だしと思いながら書きましたが、「炎上したらどうしよう」とかマイナスなことばかりを考えていました。でも、1冊目を出した時にたくさんの方から笑った、泣いた、感動したという感想をいただき、すごくありがたくてほっとしました。
いつも読んだ方に元気になってもらいたい、笑っていただきたいという思いで書いていますが、私のほうが元気をもらってしまっています。
――個性的な家族との壮絶なやり取りには、笑って泣けるエピソードが詰まっています。書かれるエピソードはどのように選んでいますか?
母が言ったセリフとかは忘れないようにメモを取るようにしています。連載(※)では1年前のことを書いているので、当時のメモを見ながら、「これは忠実に書ける」というものを選んでいます。
※ライフスタイル誌『FRaU』のデジタルメディア「FRaU web」にて、「ポンコツ一家」というタイトルで連載中。書籍は、連載15編と番外編1編に加筆修正し、書き下ろし4編を加えたものとなります。
――時間を置くことで、当時よりも落ち着いて書けるという利点もあるのでしょうか。
それがですね…腹が立った時のメモは読み返しても当時と同じぐらい腹が立つので、1年経ってもあまり変わらないんですよね(笑)。よく、書くことで心の整理整頓ができると言いますが、そんな感じではないです。
――家族との生活を赤裸々に書くことについて「家族を晒すのも守るのも私」と記されているのが印象的です。
まだ全員生きていますし、個人情報をどこまで出すかのか、尊厳もあるし、家族が生きていきづらくなるのは嫌です。どこまで書くのか。その線引きをするのはポンコツな私なんですよね。正解が分からない。でも後悔しないようにと考えながらやっています。
日々いろいろなことが起きますが、例えば1日24時間のどこの部分を切り取るのか、切り取ったことで誤解が生じてないか、盛ってないか。きれいにまとめ過ぎてはいないか、誰も傷つけてはいないか、あれこれ迷いながら書きます。そんな線引きに気をつけながら書いても、母姉父の個性は爆発します。昔から個性は3人のほうが強くて私が1番弱いです。パワフルです(笑)。
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