昭和の子供たちのおやつとしても人気だった「魚肉ソーセージ」。令和になった今、その人気が再燃しているといいます。
全国のスーパーなどの販売データによると、2024年3月の魚肉ソーセージの売り上げは1億2100万円と、過去3年間で最高タイ。
料理レシピサービス「クックパット」の検索値推移でも、今年に入って昨対比を上回り続け、さらに夏からの検索数が増加、8月昨対比1.21倍でさらに伸びているといいます。
約70種類のソーセージを取り扱っている、食品大手の「マルハニチロ」のすりみ食品課の担当者も、その人気ぶりに驚嘆の声を上げます。
マルハニチロ(株)チルド食品事業部 すりみ食品課 綿引悠太さん:
おかげさまで(魚肉ソーセージの)売上についてはですね、近年で見ても一番大きな売上というふうに認識をしております。大体ですね、1割から2割ぐらいは販売として増えているかなと。
そんな中、今年の2月には特保(特定保健用食品)を取得した、DHA入りの新たな商品を発売しました。
マルハニチロ(株)チルド食品事業部 すりみ食品課 綿引悠太さん:
「DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)」という商品を発売しました。
こちらの商品が、日本で初めて「心血管疾患」という疾病に着目した商品になっております。おかげさまで2月に発売して以降、非常に好調に推移しておりまして、想定を上回る実績を残しております。
一体なぜ今、「魚肉ソーセージ」の人気が再燃しているのでしょうか?その秘密に迫ります!
“安さ”と“健康食品”として再注目
1935年、当時の農林水産省水産講習所の教授が、マグロを使ってツナハムを試作販売したのが最初といわれている「魚肉ソーセージ」(※発祥は諸説あり)。
そんな「魚肉ソーセージ」の人気が再燃した理由の1つに、近年続く値上げラッシュで豚などを使用したハム・ソーセージ類の価格が高騰した事に対して、魚肉ソーセージはコスパが良いということがあげられます。
さらに、製造過程で高温高圧にて加熱殺菌を行っているため、常温で90~150日保管できる点や、高品質のタンパク質などを手軽に摂取でき「健康食品」として、動脈硬化やコレステロールなどの数値を気にする世代から支持されています。
日本の食文化に詳しい国士舘大学の原田信男名誉教授は、今新たに注目されている理由についてこう話します。
国士舘大学 原田信男名誉教授:
(過去に)爆発的に魚肉ソーセージが売れたときは、ちょうど日本が魚中心の食文化から肉食文化に変わっていく高度成長の時期で。発売から最初の十数年は売れたのですが、1967年になると、本格的な食肉の方が人気が出て逆転してしまうんです。
そして、最終的に1975年に日本人の食生活は水産物より畜産物の方が上回るという時代になってくる。しかし、それが逆に言うと、体に良くないというか、健康志向がそういう反省の元に見直されてきているということだと思います。
ある方法で“もっとおいしく”
魚肉ソーセージといえば、包装をむいてそのまま食べるというのが一般的ですが、実は“あること”をすると、驚くほどおいしくなるといいます。
その調理法とは…「包装フィルムごと1分ボイルする」だけ。
ボイルすることで、工場の釜から取り出したばかりのアツアツな出来たて魚肉ソーセージを再現。フワフワ&ジューシーでまろやかな食感になるといいます。
MC谷原章介:
健康食品、もしくは未利用魚をうまく利用するのも大事だと思うんですけど、日本の食生活にも貢献してくれますよね、魚肉ソーセージは。
国士舘大学 原田信男名誉教授:
そうですね、実は魚肉ソーセージというのは日本にしかないんです。世界にはない、というのは元々コレはかまぼこ技術の応用で、魚食文化、魚のすり身をつかって加工するという文化が魚肉ソーセージに発展したのですが、さらにこれが兄弟分を生みます。弟分は「カニカマ」です。このカニカマは、まさに魚肉ソーセージは日本にしかないけれども、世界中に進出していって各地で食べられているわけです。
元々日本の魚食を中心としたヘルシーな食文化というのは、ずっとこのところ海外から注目を集めていますし、蓄積された技術がありますから非常に人気が高い。
そういう意味で、今後日本の食文化が、新しい形でヘルシーさみたいなものを大事にしながら、うまみの技術みたいな物をプラスして寄り世界に広がっていくのではないかなと私は思っています。
(『めざまし8』 2024年9月16日放送より)
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