松坂桃李「現場であんなに笑ってる西島さんを初めて見た」
――そういう面白くて分かりやすい指示は、瞬間的に思いつくのですか?
三谷:そうですね。その場で考えています。そもそも演出家って自分の思いをどう伝えるかが重要なので、そのためのボキャブラリーはいっぱい持っていなければいけない気がします。俳優さんによっても、伝わる言葉は違いますしね。
それこそ「ペットの犬が突然しゃべり出したような感じで」と言っても、なかには「それはどういうことだ!」と怒り出す人もいるかもしれない。でも、僕は小林さんのことを昔からよく知っていて、こういう言い方をしたほうが伝わりやすいだろうと分かっていたので、言いました。
――先ほど三谷監督が「演劇チックな映画」と話していましたが、西島さんと松坂さんは、撮影のなかで“舞台らしさ”のようなものは感じましたか?
松坂:撮影前に皆で自然と本読みをしたり、というのがありました。急に始まるんです。
三谷:舞台の人は本読みとか稽古とか、やりたがりますからね。
松坂:でもやっぱり映像で1ヵ月もリハーサルができるというのは、僕はあまり経験がなくて、毎日、舞台稽古に行ってるような感覚でした。
西島:テストでも本番でも、テイクごとに三谷さんが違う演出をかけるので、皆で綱渡りしながら作っていくような緊張感と新鮮さが、他の監督にはない面白さだと思いました。
三谷:西島さんがもう、小林隆と目が合うとすぐ笑うんですよ。
西島:だって、目張り(化粧※)がしっかり入ってるんですよ。
(※)小林さんは、三谷監督からの「若くあれ」という指令を受け、アイプチとつけまつげを付けて役作り。撮影が進むにつれ、メイクが少しずつ濃くなっていったそう。
三谷:西島さんがあまりに笑うから楽しくなっちゃって、小林隆に「なるべく彼と目を合わせるように」って耳打ちしてね。
西島:小林さんが僕をものすごく見てくるので、吹き出さないようにそっと目をそらしても、目の前にどんどん入ってこようとするし、油断していると、小林さんが(小道具の)ビールを飲んでいたり、いつの間にか酔っ払いメイクをしていたりするんです。
松坂:小林さん1人だけ、顔が赤らんでましたもんね(笑)。現場であんなに笑ってる西島さんを、僕は初めて見ました。
――楽しい撮影のなかでも、大変だった部分はありましたか?
西島:ダンスですね。最初、ダンスがあると聞いてなかったので。
三谷:言ってなかったですね。
西島:でも稽古に行って皆とダンスをしているうちに、楽しくなってきて。 ダンスの本間先生にはご苦労をかけたと思いますが、部活みたいで楽しかったです。
三谷:西島さんと松坂さん、絶対ミュージカルの仕事とか来ますよ。
西島・松坂:いや、来ないですよ!絶対来ない。
三谷:『ウエスト・サイド・ストーリー』とか。
松坂:それだったら、(ミュージカル経験のある)瀬戸(康史)くんに来ますよ。
西島:あの3人(長澤まさみさん、瀬戸康史さん、宮澤エマさん)はもう別世界でしたから。
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