実は今、増えているといわれている「大人の近視」。その理由は、猛暑が関係している可能性があるといいます。
神奈川県川崎市の眼科「だんのうえ眼科クリニック」には、最近文字が見えにくくなったという30代の女性が訪れていました。
だんのうえ眼科クリニック 檀之上和彦理事長:
やはり近視がありますね、見えづらいきっかけは近視になってらっしゃって、最近進んだ感じですか?
文字が見えにくくなって来院(30代):
はい、最近ちょっと見えにくくて、電車の電光掲示板が見えにくくなっていて、コンタクト作り直した時に、また度数が上がっていた。
来院者の中には、大人になって視力が落ちたことで、手術を決意した人もいるといいます。
だんのうえ眼科クリニック 檀之上和彦理事長:
最近、近視になってらっしゃる、もしくは近視が進んでいく方が多くいらっしゃっております。最近は本当に大人の方でも、近視によって見えづらくなる方が増えていると。
医師も増加を指摘する「大人の近視」。実際、街ゆく人に聞いてみると…。
1、2年前から近視の症状(50代):
(視力が)0.2から0.3ぐらいは下がっているかなって感じます。スマートフォン見てるときなんですけど、今まで普通に見ていたのが、近づけないと見えないなというのは感じます。
50代男性:
やっぱり50代になってから、夜の光、夜景みたいなものってにじんで見えちゃうんで、信号機も同じくなんですけど、それで結構、誤認識しちゃうことが増えました。
増加する「大人の近視」対策は?
進行すると、白内障など失明リスクの病気にかかりやすくなり、米・ミシガン大学の調査では“認知症リスク”も上がると言われている「近視」。
窪田製薬が行ったアンケートでは、20歳以上で近視になったという人が43.6%。うち50代以上で発症した人は23.8%と、大人になってから近視になる人も多いことが分かりました。
日本とアメリカの眼科学会に所属し、近視に関する論文や書籍も出している眼科医の窪田良 氏は…。
――大人の近視が増えたという実感はありますか?
窪田良 氏:
そうですね、30年前に私が眼科医を始めたころは近視といえば子どもの頃の病気で、大人になったら発症しないというのが眼科医の間でも常識だったんですけど、最近では大人になってからも発症する方が増えているという印象を持っています。
大人の近視が増えた理由に、スマホやタブレットの長時間使用や、睡眠時間が短く・遅くなるなどの変化があるのですが、一番は、“猛暑”により屋外で過ごす時間が減少したことが関係しているといいます。
窪田良 氏:
今までの様々なエビデンスが積み重なって、外で1000ルクス以上の明るさで過ごしている時間が2時間以上平均的に毎日あれば、近視が抑制できるということが分かって参りました。ですから、朝早くでも、夕方の時間帯でもいいので、少し気温があまり高くない時期にでも外を散歩するということが推奨されています。
室内では、物が近くにあったり、出てくる波長が太陽光と違うので、かなり波長が制限されていますので、不十分だと言われています。
――“目の日焼け”ということもありますが、サングラスして外に出た方が良いですか?
帽子をかぶったり、サングラスをかけてでも外にいて遠くを見ていた方がいいという論文はございますので、是非暑さ対策をして出かけていただければというふうに思います。
倉田大誠アナウンサー:
屋外に計2時間いるのがベストなんですが、なかなか難しいという人もいると思います。
そうした人のために、簡単にできる近視予防法、窪田さんも会員のアメリカ眼科学会が推奨している“3つの20”、その名も「20-20-20」ルールです。
連続して20分間デジタル端末の画面を見た際は、20フィート(約6m)離れたところを、20秒間眺めるというものです。
――他に良い予防法や先生が実践されていることは?
窪田良 氏:
私自身もなるべく外で遠くを見るようにしていますし、私の友人の眼科教授は、お子さんがゲームをスマホでやるときは必ずベランダでやらせて、「まだ近視になってないよ」という方もいました。まだ科学的ではございませんけども、そういうことをおっしゃっている先生もいます。
(『めざまし8』 2024年8月28日放送より)
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