<ストーリー>
「本日のヒーローインタビューは、 決勝打がプロ初打席、初ホームランとなりました、柳澤大翔選手です!」。
「ありがとうございます。俺は、中日ドラゴンズが大好きです!」。
鮮烈デビューから14年、ドラゴンズのホームランバッターとして活躍するも、ケガやスランプで鳴かず飛ばずの日々を送っていた柳澤大翔(鈴木伸之)。その年のオフに待っていたのは、まさかの戦力外通告だった。
妻が他界して以来、シングルファザーとして育ててきた、息子・直斗(小山蒼海)には、戦力外になったことを伝えていなかった。
「いつ言うの?諦めない気持ちも大事、でも諦めることも大事」。 母・絵里子(朝加真由美)は、大翔の世界一のファンだった。大翔は、「次の球団が決まったら話すよ」と、真鍋(和田雅成)とともにトライアウトを受けることを決める。
イニングナイングループ社・総務部に勤める根鈴華(倉科カナ)は、ゴミ箱を片づけたり、冷蔵庫を整理したり…人が気づかないことに気づき、人の嫌がる仕事をするのが自分の役目だと信じ、地道にコツコツと働いていた。
人生最高の日が訪れることなんてない――。 そう思っていた華のもとに届いたのは、社長・櫻田誠一郎(坂東彌十郎)からの、社長秘書室への異動辞令だった。
トライアウト後、オファーを待つ大翔のもとに、一本の電話がかかる。電話の主は、イニングナイングループ社の櫻田誠一郎だった。
「ぜひ、柳澤選手と契約を交わしたい」。球団からのオファーではなく、半信半疑の大翔だったが、野球ができるならと契約交渉の場に臨む。その場には、なぜか華の姿もあり…。
しかし、櫻田からの提案は「困っている社員にバントのように手を差し伸べ、次のステップへ送り出す“バントマン”になってほしい」というものだった。
センター藤堂(平原テツ)、セカンド吉岡(阿久津仁愛)、ライト梶間(石川瑠華)。
櫻田の思いに賛同したメンバーが、すでにバントマンとして人知れず3万人の社員たちに寄り添っていて…。
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