1990年に放送が開始された国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」。その主人公、まる子役を初回から演じたのが声優・TARAKO(たらこ)さん。
「人生の半分はまる子」そう語っていたTARAKOさんが、2024年3月4日亡くなりました。63歳でした。
勉強やお手伝いは苦手、普段はちょっとなまけものだけれど、何か面白いことがあると好奇心旺盛になる。
そんなまる子を34年にわたってTARAKOさんは演じてきました。
ちびまる子スタッフが語るTARAKOさんの“まる子愛”
関係者が語ったのは、最後までTARAKOさんが貫いた “まる子愛”。
「ちびまる子ちゃん」のスタッフは、のアフレコ収録現場でのTARAKOさんの様子についてこう話します。
「ちびまる子ちゃん」監督 高木淳さん:
TARAKOさん、アフレコの台本を読まずに現場に入られるんですね。
まる子は何もこれから起こることを知らずに生きてるじゃないですか。TARAKOさんもそういうまる子と同じスタンスに立って、役を演じたかった、まる子になりたかったんじゃないかなとも思います。
「ちびまる子ちゃん」音響監督 早瀬博雪さん:
まる子を演じていくうちにTARAKOさん自体がまる子になれたんだと思うんですよね。自分のしゃべりが、もうまる子なんだなっていうふうに、多分どこかで実感し始めて、今のまる子が出来上がっていった。
過去にはTARAKOさんもまる子と自身についてこう発言していました。
TARAKOさん(2005年8月)
「(ちびまる子ちゃん)はふるさとっていうか、ないと多分体の中が変わっちゃうくらいに溶け込んでいる…」
TARAKOさんがまる子であり、まる子がTARAKOさんであり…、その結果、アニメの作り方自体が変わっていったと早瀬さんは言います。
「ちびまる子ちゃん」音響監督 早瀬博雪さん:
アニメーションの場合、映像が先に来て声を当てるっていう作業が順番であるんですけど、そこを逆転してきたというか。TARAKOさんの芝居に合わせて映像を作っていくみたいなところはあると思います。制作陣がこういうふうにしゃべってほしいな、こういうふうに芝居をしてくるだろうなっていう部分を想像しながら映像を作ってくるようになるので、唯一無二なんですよね。そういう意味ではもう…。
高木監督には、TARAKOさんの演技の中で忘れられないシーンがあるそうです。
「ちびまる子ちゃん」監督 高木淳さん:
お父さんとお母さんが離婚してしまうというような、原作にあるお話なんですが、その時のTARAKOさんの泣きというのは本当に心の底から悲しい。見ているこっちも、聞いてるこっちも悲しくなるような、切ない泣き声で…。
「信じてる…」亡くなる3日前にも病院で収録
初回放送から34年。
まる子と共に歩み続け今年に入ってからは、病と闘いながら仕事を続けていたTARAKOさん。
「ちびまる子ちゃん」音響監督 早瀬博雪さん:
一番最後のスタジオにいらっしゃった時に車椅子で一生懸命しゃべってる感じ。でも一生懸命だったんでしょうけども、やっぱりマイクを通して聞こえてくる声はやっぱまる子なんですよね。全くつらいところとかそういうのっていうのは全く見せずに、映像を見てればまる子がしゃべってるっていうふうに聞こえてくるのがやっぱりプロ根性というのか。TARAKOさんのその役者根性みたいな部分は感じましたね。
実は、亡くなる3日ほど前にも病院で収録を行っていました。
「ちびまる子ちゃん」音響監督 早瀬博雪さん:
亡くなる3日ぐらい前だったかな。
TARAKOさんの方が希望されてて、どうしてもアフレコをやりたいっていうすごく強く希望されたので、録音スタッフ全員で病院に伺って、病院での収録試みたんですけど、最後の最後までアフレコやるって、叫ぶぐらいに言っていたので…、やっぱりまる子に対するこだわりっていうのは、すごく彼女の中にはあったんでしょうね。
早瀬さんが収録で病室に行った際、TARAKOさんと交わした言葉が「信じてる」でした。
「ちびまる子ちゃん」音響監督 早瀬博雪さん:
「信じてる」って言われたんですよ。収録行った時に。「TARAKOさん、大丈夫?」って言ったら「大丈夫」と。手を出されたんで、「あっ」と思って握手した時、「信じてる」っていうふうに言ってくれて、戻ってもう一回ちゃんとやるからねっていう「信じてる」だと思ったんですよ。ぼくは「待っててね」っていうふうに捉えましたね。
生涯“まる子”を貫き通したTARAKOさん。
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