日本時間2月28日5時すぎから始まった、ドジャースのオープン戦に出場した大谷翔平選手。
2番・DHで先発出場すると、デビュー戦でホームランを放ちました。
肘の手術後、177日ぶりに出場した試合で、いきなりのショータイム。
劇的なホームランを含む、3打数1本塁打2打点の活躍で新たな門出を自ら祝い、ドジャースファンのハートをがっちりつかんだ大谷選手。試合は9対6でドジャースが勝利しました。
元メジャー川﨑宗則氏「ホームラン50本以上期待できる」
いきなりのショータイムとなった大谷選手のバッティングについて、元メジャーリーガーの川﨑宗則氏は「去年よりもスイングスピードが速い」と話します。
元メジャーリーガー 川﨑宗則氏:
素晴らしいバッティングでしたね。去年の振りとほぼほぼ変わらず、スイングのメカニック的なものも大丈夫ですし、なんなら去年よりもスイングスピードが速い気がします。
普通だったら逆方向に打つのは厳しい球だったんですが、翔平さんは体を柔らかく使って体で距離を取って、しっかり芯に当てることができました。それが良かったなと思います。
その辺は、翔平さんしかできないのではないでしょうか。
シーズン、3割を超してHRは50本以上期待できる。そしてなんと言っても盗塁も40個以上走ったりとか、そういうシーズンになるのではないでしょうか。
大谷翔平 脅威のトレーニング
大谷選手はドジャース移籍後のオフシーズン、さらなる進化を目指し様々なトレーニングをしてきました。
大谷トレーニング①「メディシンボール」
「メディシンボール」と呼ばれる、重いボールを投げるトレーニング。
その、パワーもさることながら、その鍛え上げられた肩と腕にも注目が集まりました。
「デジタルブラジャー」と呼ばれる、体の様々なデータを測定する器具をつける際は、厚みのある胸板のため、すこし窮屈そうな場面もありました。
大谷トレーニング②「テン・エイティー・スプリント」
さらに、腰につけたベルトと、「テン・エイティー・スプリント」と呼ばれる特殊な機械を繋ぎ、ダッシュを繰り返したり、両手を広げながら走ったり、手をバンザイしながらダッシュしたりと、下半身の強化にも取り組んできました。
以前より鍛え上げられたようにも見える、大谷選手の肉体。
フィジカルトレーナーの吉原剛さんが『めざまし8』のスタジで、その仕上がり具合について徹底分析しました。
フィジカルトレーナー 吉原剛さん:
仕上がりは順調すぎるくらい順調だと思います。(手術の影響は)今のところ全く感じないですね。
今はもう本当に頭の中のイメージと実際の時のギャップを埋めていく作業をしている段階ですので、これはもうフィジカルのトレーニングでも今日の試合でも、そのすりあわせを今やっている段階なので、それを見る限りでは、川﨑さんがおっしゃっていたような成績が期待できるかなと。
――大谷選手が行っていた「メディシンボール」はどのような効果があるのでしょうか?
フィジカルトレーナー 吉原剛さん:
全身の筋肉がすごいのはもちろんなんですけども、大谷さんの場合、体全身の筋肉をうまく連動させて一つのエネルギーに集約させる技術を持っていると。
それはピッチングやバッティングにつながるものなんですけども、それを目的としたトレーニングですね。
実際に大谷選手がメディシンボールを投げている映像を見てみると、重さ約7.3キロのボールが10メートルほどの高さまで宙を舞いました。
まるでサッカーボールのように片足のつま先にボールを乗せ、そのまま背中側に蹴るなど、ボールの重さを感じさせません。
大谷選手の通訳を務める、水原一平さんもボールを投げてみますが…。高く上がったものの、それでも4~5メートル。大谷選手の筋力のすごさが分かります。
フィジカルトレーナー 吉原剛さん:
水原さんは上半身だけで投げているんですよ。大谷選手の場合は、全身でからだが起きたまま投げる。この違いがすごく大きいですからね。下半身からのエネルギーを使えると。
大谷選手が行っているトレーニングは他にも…
大谷トレーニング③「スレットプッシュ」
「スレットプッシュ」と呼ばれる“そり”のような重りを積んだ器具を押し出すトレーニング。
エネルギーを一定に出すことで、体全体のエネルギーをバットにうまく伝えることにつながるといいます。
大谷トレーニング④「ビジョン」
大谷選手は「ビジョン」というトラジェクト社が開発したバッティングマシンを使ったトレーニングも行っています。
これは、スクリーンに実際の投手が投げる映像が映し出され、球速や回転数、投球軌道のデータなどを入力することで、実際の投手の投球を完コピできるという優れもの。
大谷トレーニング⑤「もも上げ」
走力のトレーニングにも力を入れており、長い棒を頭上に持ち上げて、“もも上げ”をしている姿も。吉原さんによると、これは陸上の短距離選手やスピードスケートの選手がよくやるトレーニングだといいます。
――「もも上げ」のトレーニングはどのような効果があるのでしょうか?
フィジカルトレーナー 吉原剛さん:
まずは軸をまっすぐに保つというところが目的になります。
足を高く上げたりすると、当然体はぶれますので、それを抑えるためのトレーニングですね。
曲がった釘が真っすぐ打てないのと同じで、軸がぶれると力が分散してしまうので、軸を真っすぐ均等に保つ動きの中でも崩さないというトレーニングです。
まだまだ期待のかかる、大谷選手。これからも目が離せません。
(『めざまし8』2024年2月28日放送)
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