6月20日(日)20時より、フジテレビでは『井上尚弥ラスベガス防衛戦2』(延長の場合あり)が放送される。
ボクシングのWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥が、日本時間の6月20日(日)、アメリカのネバダ州ラスベガスでIBF同級1位のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)の挑戦を受ける世界タイトルマッチ。
今回対戦するダスマリナスは、スマートなボクシングを得意とするフィリピン出身のサウスポー選手。日本との縁は深く、2014年には後楽園ホールのリングに上がって勝利を飾り、その後はWBCバンタム級王座を12度防衛した“神の左”こと山中慎介のスパーリング・パートナーとして腕を磨いた。2019年には、井上の弟・拓真のパートナーとして大橋ジムで練習をしたこともある。
コツコツと力を積み上げた挑戦者の実力は侮れないとはいえ、世界初挑戦のダスマリナスと世界的にも評価の高いオールラウンダーの井上が対戦するため、下馬評は「チャンピオン有利」。
それでも今回の井上は、いつも以上にモチベーションが高い。それは、この試合が目標に掲げるバンタム級の主要4団体統一に向けて重要なステップと位置づけられるからだ。
5月29日(土)、元世界5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)が無敗王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)にKO勝ちし、WBC王座獲得を果たした。WBO王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)は、8月にギジェルモ・リゴンドー(キューバ)との防衛戦を控えている。井上を中心にバンタム級戦線はますます興味深い構図になってきた。
ダスマリナス戦の抱負を問われた井上は、「何もさせずに圧倒的に勝つ」と力強く宣言。前回は、KO勝ちながら初のラスベガスということもあり、必ずしも100%のコンディションとは言えなかったが、2度目の今回は違うだろう。
番組は、生放送のフジテレビ本社スタジオをベースに、MCの三宅正治アナウンサーと中村アンが進行し、ゲストには、ボクシングに造詣が深い香川照之とWBAスーパー世界ミドル級王者の村田諒太が出演。
解説は、長谷川穂積(元世界3階級制覇王者)、山中慎介(元WBC世界バンタム級王者)が務める。
さらに、ラスベガスで試合を終えたばかりの井上が出演する予定で、激闘を自ら振り返る。
<香川照之 コメント>
2018年にマクドネルを初回で葬った後、すぐに王座統一へと向かって腰掛けだけに終わるかと思われたバンタム級にとどまることすでに3年、しかしその間、今回がわずか6試合目という一点だけが気がかりの全盛期の王者、井上尚弥に不穏な死角はどこを探しても見当たらない。
挑戦者のダスマリナスは、1ラウンド目に井上のパンチを腕やグローブの上に被弾しただけで大いに驚くに違いない。それは、我々が王者の試合でここ何試合にもわたって感じてきた見慣れた光景だ。
一日も早く、この階級に猛者があまた君臨するフィリピンという国の最大のビッグマウス、カシメロをぐうの音も出ないほど黙らせるためにも、この試合、他の追随を許さない圧倒的なKO劇を井上自身も強く望んでいることだろう。
何度もリプレイを見たくなるKOシーンを、今回も期待するばかりである――。