3月5日(金)より東京・日比谷シアタークリエで上演される、ミュージカル「GHOST」。2018年の日本初演を含め、主人公の恋人・モリー役として二度目の出演を果たすのが、元・宝塚歌劇団トップ娘役の咲妃(さきひ)みゆ。可憐な佇まいながら確かな演技力で多くの観客を魅了し、2017年に歌劇団を退団以降は、舞台や映画、ドラマ、音楽など多方面で活躍している。
さまざまな経験を重ねてきた咲妃は、2年半ぶりの上演でどんな進化を遂げているのか。「GHOST」にかける想いや、自身が感じる変化、さらには宝塚時代に抱えていた悩みや、プライベートでの新たな趣味についても尋ねた。
「自分の気持ちを伝えることが苦手」な過去を、芝居で克服
――再演が決まったときは、どんな気持ちでしたか?
「GHOST」という素敵な作品をまた、たくさんの方々にお届けできたらとずっと思っていたので、とっても嬉しかったです。初演の大千秋楽を終えた時点では、自分の中でまだまだ心残りがたくさんあったので、今回再び挑戦させていただけることがうれしいです。
お稽古が始まったときに、「よし、頑張るぞ!」とスタートラインに立った感じではなく、前回からそのまま地続きで入れた感覚がありました。この2年半、実はゴールのない「GHOST」の歩みが、ずっと続いていたのかなと感じました。
――今回の役作りでは、どんなことを意識しましたか?
柔軟性のある芯の強さです。モリーは“芯の強い女性”ですが、芯の強さにもいろいろな種類があると感じています。初演の時には思い至れなかった、強さの種類を、今回は「こうかな?ああかな?」と視野を広げて追求しています。
――「柔軟性のある芯の強さ」、これは咲妃さんご自身にも感じられます。
初演の頃は、とにかく可愛く見えないようにと、演出のダレン・ヤップさんが何度も「Not cute!」とおっしゃいました。もちろん、芯の強い女性を演じないと、とわかっていたのですが、自分の表現力が追いつかない歯がゆさをずっと感じていました。
でも今は、わかるんです。ゴールしたわけではないですが、あの頃の自分にはなかった感覚が確実に芽生えている。「GHOST」初演からの2年半、さまざまな経験をさせていただき、そのすべてが今につながっていると感じています。
――相手役の浦井健治さんとは2度目の共演、手応えはいかがですか?
スピーディなセリフのやり取りでも、浦井さんの発するセリフを、心を解放して自然にキャッチできるようになりました。私もいろいろと挑戦できる。物怖じせずにお芝居ができること、それが叶う共演者さんと巡り合えることは、とてもありがたいです。
――その感覚は、宝塚歌劇団でトップコンビとして、早霧せいなさんとお芝居をしていた時と似ているのでしょうか?
在団当時は、今の自分とはまた違う感覚を持って舞台作りに励んでいたので、似ていると一概には言い切れません。でも、やっぱり早霧さんに意識を集中させて、すべてを注ぎこんでいた頃の感覚は変わらないですね。
――在団していた頃は、「変わってるね」とか「不思議な子」と言われることを気にしていたと聞きました。
今もそうですけど、自分の気持ちを伝えることが、当時はもっと苦手だったんです。頭の中にはいろいろな言葉が浮かぶのに、それを声に出せなかった。だから、きっと「この子は一体何を考えているんだろう?」「何か言いたげだけど、言葉がカタコト」と思われていて。自分自身にものすごく劣等感を感じていました。
だから、違う自分になれるお芝居の時間が、たまらなく楽しかったんです。それもあって、ありがたいことにお芝居で評価していただく機会が増えるにつれて、お芝居が好きになっていって。すると段々、「こうしたい、ああしたい」という、自分の想いが明確になっていきました。言葉がきちんと文章としてつながって、やっと口に出せるようになった。お芝居に助けられて、なんとかやってこられました。
――こうしてお話ししている姿からは、想像もつきません。
宝塚専門チャンネルのテレビ番組で、主要キャストとして座談会に出させていただいた時に、私、放送事故を起こしていましたから(苦笑)。作品や役についてお話ししないといけないのに、沈黙が流れる…。だから、最近のインタビューやコンサートMCを聞いてくださるファンの方は、「ゆうみちゃん(咲妃さんの愛称)が喋れるようになってる〜!」って感動してくださいます。
電子ピアノに夢中で夜更かし&筋肉痛!?
――初演時は、モリー役を通じて「Yes・Noをはっきり言う大切さを学んだ」そうですが、今回、新たな発見はありましたか?
その瞬間に思ったこと、気にかけたことは、その時に向き合うべきだ、ということです。当たり前だと思っていた物事が当たり前ではなくなる、という状況が長く続いている昨今は、強く感じます。伝えたい想いがあれば会えずとも連絡をとる、やってみたいことがあれば先延ばしせず行動する。その時に向き合うことの大切さを、この作品から勉強させてもらっています。
――咲妃さんが、最近やりたいと思って始めたことは?
電子ピアノです!ずっと、お家の中に音楽を奏でられるものが欲しいと、思い続けていたので買いました。
――どんな曲を弾いていますか?
私はスタジオジブリの、特に久石譲さんの楽曲が大好きなので、彼の作品を弾けるようになりたくて練習しました。1曲弾けるようになりましたが、最近は触っていないからまだ弾けるかな…。
音楽に向き合っていると、心がすごく安定するなと感じます。電子ピアノなので、ヘッドホンをつけてしまえば近隣を気にせず夜中も弾けて、夜更かししちゃいます。何なら、手が筋肉痛になるくらい(笑)。まだ下手っぴなんで、変な力みが入っちゃうんです。でも、それすらも楽しいと思えます。
――いずれは舞台上で弾き語りも?
目指して頑張ります!できたらかっこいいですよね。でも、いったい何年先になるんだろう…(笑)。
――「GOHST」のサム同様、もし自分が“ゴースト”になったら、何をしてみたいですか?
先にゴーストになった方々とゆっくり話したいです!あとは、サムみたいに壁抜けができたら、空港で手荷物を預けるベルトコンベアーに乗って、荷物が行き着く先をたどってみたいです(笑)。飛行機の中に運ばれるまでを見てみたいんです。
――なぜ見てみたいと?
「トイ・ストーリー2」にそのシーンがあって、「こんな風になってるの!?」って驚いて。凄かったんですよ!ゴーストにならなくても確認できるかもしれないですけれど、ゴーストならスルスルって入れるかなと思います。普段見られない、お仕事の裏側を覗いてみたいです。
――では“ゴースト”ではなく、実生活で今後やってみたいことを教えてください。
自動車免許を取得する!
――どこへ行きたいですか?
うーん…箱根!海沿いとか山の中とか、自然あふれる道をドライブしてみたいです。大好きなディズニーの曲をかけながら。あ、ディズニーランドにも行きたいですね!
――最後に、読者へメッセージをお願いします。
エンターテインメントはいろいろ形を変えながらも途絶えることなくて続いており、私もすごく励まされています。もし舞台にご興味がおありの方、また舞台を観てみようかなと思う方は、もちろんご自身のタイミングで、劇場に足をお運びいただきたいです。そして舞台に限らず、エンターテインメントを楽しむことを恐れずに、毎日お過ごしいただけたらと思います。
ミュージカル「GHOST」の最新情報は公式サイトまで
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