8月26日(木)に開幕するミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」の公開稽古が25日(水)に日比谷シアタークリエで行われ、実力派キャストがパワフルな芝居を披露した。
「リトル~」は2020年3月に同劇場にて公演を予定していたものの、新型コロナウイルス感染拡大のため、開幕からわずか1週間で残りの公演がすべて中止に。
そんな作品の公演が改めて行われることになり、キャストにとっては念願の上演となった。
本作は、名作映画「リトルマーメイド」「美女と野獣」「アラジン」の音楽を手がけ、アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞したハワード・アシュマンとアラン・メンケンの名コンビが、1960年の同名ホラー映画をミュージカル化。
オフ・ブロードウェイでの大ヒットを受けて製作された1986年のミュージカル映画は、超個性的なキャラクターと謎の植物“オードリーⅡ”の存在感、キャッチーなナンバーが人々の心をつかみ、大成功を収めた。
主人公の気弱な青年・シーモアを鈴木拡樹と三浦宏規がWキャストで演じ、そんなシーモアが想いを寄せるオードリーには、妃海風と井上小百合がこちらもWキャストで出演。
謎の植物・オードリーⅡの声はデーモン閣下が担当し、ポップでコミカルな物語に“デスボイス”で彩りを添える。
今回、報道陣に披露されたのは三浦&妃海の組み合わせ。感染予防のため、キャストから意気込み等は語られることはなかったが、各自が芝居や歌で作品に懸ける思いを訴えた。
物語の舞台となっているスキッドロウは、路上生活者や薬物中毒者にあふれ、決して治安がいいとはいえないさびれた町。ムシュニクフラワーショップで働く青年・シーモアは、同僚のオードリーに恋心を抱くも、想いを決して口にすることはできない。
しかも、オードリーには野蛮でサディスティックなオリンという歯科医の恋人がおり、オードリーはオリンの暴力と権力に支配され、常にアザやケガを負っていた。
ある日、シーモアは謎の中国人から奇妙な植物を購入。大好きなオードリーにちなんで、オードリーⅡと名付けた。
訪れる客などほとんどいないフラワーショップだったが、オードリーⅡを店頭に飾った日から大繁盛。その不思議な植物は話題を呼び、シーモアは地元のラジオ番組のゲストに招かれるなど、思いもよらないことがどんどん起きていった。
ある晩、オードリーⅡが突然言葉をしゃべり出し、シーモアへ難題を命じる――。
三浦といえば5歳から始めたバレエを武器に、しなやかな動きとエネルギッシュな芝居でファンを魅了する俳優だが、今回はその王子様ぶりを封印。自分に自信がもてず、常にオドオドしたシーモアを“ダサかわいく”表現した。
しかし、ひとたび歌い出せば、黒縁メガネの奥の瞳をキラキラと輝かせながら、シーモアが抱えた葛藤を力強い歌声にのせ、大粒の汗を流して熱演。オードリーⅡや、石井一孝扮するオリンとのやりとりをコミカルに演じた。
そして、妃海は、元宝塚歌劇団娘役トップの華やかな容姿で妖艶さをアピールする一方、“不思議ちゃん”のオードリーをコケティッシュに体現。恋人の暴力に怯えつつ、将来は一軒家に住んで温かい家庭を築きたいという夢をもった女性を、緩急巧みに演じてみせた。
公演は本日、三浦&妃海ペアからスタート。ちょっとブラックで刺激的な物語が約2週間にわたって展開される。
最新情報は、ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」公式サイトまで。