10月月9日(金)、映画「劇場版BEM 〜BECOME HUMAN〜」の公開記念舞台挨拶が行われ、声優の内田真礼、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)、山寺宏一が登壇した。
本作は、「妖怪人間ベム」生誕50周年を記念し、原作の持つ設定やメッセージ性を残しつつもまったく新しい解釈を施したテレビアニメ『BEM』(2019年制作・放送)の劇場版。内田はヒロイン・ソニア役を、宮田はオリジナルキャラクターのバージェス役を、山寺は主人公・ベムとバージェスの上司・マンストール役の声を務めた。
ここでは、キャスト陣のやりとりをほぼ全文起こしで紹介する。
※以下、若干のネタバレを含みますので、ご注意ください。
内田:ソニア役の内田真礼です!本日は、よろしくお願いいたします!
宮田:バージェス役の、宮田俊哉です。“宮田くん”とか“俊哉”といううちわを持ってくださっている皆さん!僕の“姫”たち!ありがとうございます!“姫”じゃない方々も本当にありがとうございます(笑)。今日はよろしくお願いいたします。
山寺:マンストール役を演じました、山寺宏一です。今日は寒い中、たくさん集まっていただき、ありがとうございます。こういう状況なので(※)、声が出せないということですが…本当はね、「宏一!」とか皆さん言いたいところなんでしょうけどね。…あれ?違いますか?
※新型コロナウイルスの感染予防のため、観客は、拍手のみでの反応となっていた。
宮田:いやいや、言いたいです!「宏一!」って(笑)。
山寺:リアクションがないと寂しいので、拍手とうなずき。これでね、リアクションしていただければと思います。今日はよろしくお願いします!
──上映後のお客様が目の前にいらっしゃいますが、皆さん今のお気持ちはいかがでしょうか?
内田:「BEM」がやっと公開されて、ホッとしているのと同時に、たぶん(胸に)来るものがあるんじゃないかと思っていて。私も観たあと、ベムがどうなったんだろうかとか、いろいろなことを考えましたし、いろいろと感じられる作品になっていると思うので、感想を聞いてみたいなっていう気持ちでいっぱいです。
客席:(拍手)
内田:あ~良かった!ありがとうございます!
──宮田さんはいかがですか?
宮田:こうしてお客さんも前に立つということが、もう半年以上ぶりぐらいな感じなので、少しドキドキしてるんですけど。僕も数日前にこの劇場に「BEM」を観に来たんですよ。観に来て、ちょうどね、真ん中らへんの上のほうだったかな。その辺で観てたんですけど。
僕、ゲスト声優として、初めてアニメの作品に携わらせていただいて。自分の声がアニメから聞こえてくるっていうことに、ちょっと違和感があって、恥ずかしくなっちゃって。映画観ながら、1人で顔を手で隠すっていうことをしていたんですけど(笑)。ちゃんと、(自分は)作品の一部になれたのかな~なんて。みんなどう思ったのかなと…。
客席:(拍手)
宮田:わぁ、本当ですか!一部になれてましたか?ありがとうございます!頑張って良かったと思います。
──山寺さんはいかがでしょう?
山寺:この映画が無事に公開されたことをうれしく思いますし、お客さんが劇場にたくさん足を運んでくださっていて。今日も、こんだけたくさんの方がね…この状況の中で拍手を送ってくださって、うれしいです。
皆さんの前に立つっていうのは久しぶりで、今年、本当はドームツアーの予定だったんですけど、なくなってしまって。でも皆さんと会えて…。
宮田:(何か言いたげに見つめる)
山寺:あれ?それも僕の(話)じゃなかった!?
宮田:それ、キスマイ(Kis-My-Ft2)です!ドームツアーの予定だったんですけど(笑)。
山寺:ごめん、ごめん。勘違いしちゃってるみたいですけど。でも、拍手をいただけて本当にうれしく思っています。ありがとうございます。
──テレビシリーズからソニア役を演じられている内田さんは、今回の劇場版の結末を知った時、どう思われましたか?
内田:妖怪側の主人公がベムだとしたら、ソニアは人間側の主人公のような立ち位置で歩んできたんですけど。まさか、“その感情”で交差するとはっていうところではあったんですよ。
最後に「ずっとそばにいてくれるか」っていうベムの言葉があったと思うんですけど、その時に、「はい」っていうセリフがあって。その「はい」が、「プロポーズを受け取るような気持ちで言ってください」と(監督に)言われて。「そういう感じなんですね」っていう衝撃を受けました。
そこまですごくカッコよくて、刑事らしい刑事なんですけど、そこだけ乙女な部分が見えていて。不思議だったなあと。私も観ていて、ちょっと吹き出しそうになるくらい乙女だったなと思いました(笑)。
──宮田さんは、今回非常に重要な役で、最終的にはベムと対決もしていました。初声優を経験して、難しかったシーン、悩んだシーンはありますか?
宮田:戦うシーンがすごく難しくて。最初、ベムに電撃みたいなものを浴びせられて、貫通してたじゃないですか。「貫通してる時ってどんな声出るんだろう?」みたいな。僕、貫通したことなかったんで、分からなかったんですよ(笑)。
山寺:あ、ないんだ?
宮田:なかったんですよ。
山寺:ま、ないね。あったらここにいないからね(笑)。
宮田:あとは、最後の「なぁベム、頼むよ。友達だろ?」というセリフは…あの一言って、バージェスの一番軽薄に見えるポイントだなと、僕は台本を見た時に思ったので。あの一言って、どのテンションなんだろうなと思って。
本当に「助けてほしい」という思いでいくのか、最後の最後まであの調子で軽薄なのがバージェスのかななんて考えて、そこは監督さんとかに相談して、やった結果が…アレ(完成したもの)でした(笑)。
山寺:素晴らしかったです!あそこ!すごい印象に残ってます。
宮田:本当ですか!?
山寺:あんなにすごい変身をしたのに、意外とあっさりやられちゃって。
宮田:そうなんです。僕もビックリしました。あと、股間がツルツルだったのがビックリしましたね(笑)。
山寺:そうだね。あれ、実写化する可能性があったら、宮田くんやるでしょ?
宮田:ということは、僕もツルツルにしなきゃいけないですね。
山寺:お願いします!
──ちょっと強制終了します(笑)。でも、それだけ難しかったということは、自主練とか…。
宮田:家で、(攻撃を)食らう練習みたいなことをやっていて。「うあぁっ!」「あぁっう!」とかって、すごく大きな声を出していて…近所の人に通報されるかと思いましたね(笑)。大丈夫でしたけど!
──その頑張りが、あのベムとのアクションになっていましたからね。
客席:(拍手)
宮田:ありがとうございます!
──山寺さんが演じるマンストールは、実は黒幕で。ベムの産みの親という。
山寺:ね、ビックリしました。最初に「妖怪人間ベム」を見たのは、小学校1年生ですからね。本当に大好きで見てたんですよ。まさか、産みの親になるとはね。小学校1年生の時の僕は知る由もありませんでした。当たり前ですけどね。
──今回は、「妖怪人間ベム」の50周年記念作品として公開されてるわけですが、改めてご感想はいかがでしょうか。
山寺:参加できたことをうれしく思いますし、素晴らしいキャストと、素晴らしいスタッフが作った作品に、重要な役で出られたというのはうれしくて。でも、公開前にコメントを出す時も、役についてなんと言ったらいいか難しくて。バージェスも難しかったと思いますけど。
宮田:難しかった…。
山寺:だから、「うだつの上がらない上司です」みたいなことを書いてね。でも、「山ちゃん、きっとなんかあるんでしょう?」と疑われるのもなんか嫌だしね。難しかったんですけど、最後、あんなに大きくなるとは思いませんでした。
宮田:すごかった!
山寺:ビックリしました!これ、どうやったらいいんだろうと思って。でも、本当にやり甲斐のある役でうれしかったですし、楽しかったです。
──内田さん、山寺さんに改めてうかがいたいのですが、今回初めて声優に挑戦された宮田さんのお芝居はいかがでしたか?
内田:私、最初にPVで宮田さんの声を聞いた時に、お名前が出て「あれ?これが宮田さん?」と驚きました。それくらい声優のお芝居が上手で、ビックリしたんです。
宮田:えー…本当ですか?
内田:はい。ナチュラルに「BEM」の世界になじんでいらっしゃって。すごいです!
宮田:うれしいですね。これはうれしいです!はは(笑)。
山寺:さっきも言いましたが、最後のセリフに象徴される、バージェスの…あのノリって、すごく難しいと思うんです。本当は裏に抱えているものがある、でも宮田くんの明るさとか…二面性というものを軽やかに出しているっていう感じで、素晴らしいなと思いました。アドリブとかも含めて。すごい楽しかったんだろうなって感じました。
宮田:楽しかったです。
山寺:ね。だって、アニメが大好きだっていつも言っていて。すごくいろんな作品を見ているだろうなっていうのは感じました。
宮田:もう、うれしいですね!いや、ちょっと…どうなんだろうなって正直自分では思っていて。やっぱりアニメが大好きな分、アニメから自分の声が聞こえてくるということに違和感がありますし。自分が今までやってきたドラマや舞台のお芝居とはやっぱりちょっと違いましたから。だから、不安がすごいあったんですけど。
でも、皆さんがそう言ってくださるので、自信につながるというか。あと、お客さんも先ほど「バージェスになれていた」という意味で拍手してくださったので、何より皆さんの声が一番、自信につながるのでうれしいですね。
──宮田さんは、ご自身がアフレコをする前に、アフレコ現場に見学にいらしたと。
宮田:行きました。
──そこで内田さんをお会いしたそうですが、生で見てみていかがでしたか?
宮田:僕、深夜アニメとかをたくさん見ていて、内田さんにお会いしたとき、最初に「本物のまれたそ(内田の愛称)だ!」みたいな(笑)、そんな気持ちだったんです。
会場:(爆笑)
宮田:でも、アフレコをしている姿を見て、「いや、この人はプロだ。職人だ!すげえ!」と思って。内田さんは、完成しているアニメーションじゃない絵の状態から読み取る情報量がすごくて。「あ、こんなところまで見えてるんだ」と思ったら、ちょっと「まれたそだ」なんて言ってる場合じゃなかったです(笑)。本当に尊敬しました。
内田:ははは(笑)。うれしいです。まさか、「まれたそ」だと思われているとは(笑)。
──そんな中でアフレコをされた宮田さんですが、今日、実は、宮田さんにある方からお手紙をいただいております。
宮田:え、誰?
山寺:氷川きよしさんですか?
宮田:違います(笑)。
──宮田さんがアフレコをする前に、声優の浪川大輔さんのところでレッスンを受けられていたということで、お手紙をいただきました。
宮田:先生!ありがとうございます!浪川さんのところに通わせていただいて。去年の12月とかに通わせてもらったんですけど。その時期、キスマイとしてもスケジュール結構忙しくって。ちょっとワガママ言っちゃって。
「23時からお願いできませんか?」とか。「今日23時半になっちゃうんですけど、大丈夫ですか?」なんて言っても、それでも「いいよ、いいよ」って言ってくれて、夜中まで付き合っていただいて。いろいろ教えてくださったので、うれしいですね。
いつか、師匠ともアニメ作品で一緒に何か出来るような作品があったらいいなっていう話をしてたんですけど。
山寺:そんなエピソード聞いたことないですよ。売れっ子がね、声優を初めてやるからって、そこまでやるって。姿勢すごいねえよ。ビックリしました。
宮田:いやいや。やっぱり、すごくセリフもも多かったですし、僕、アニメがすごく好きで。「宮田いないほうが良かったな」とかって言われるぐらいだったら、ちょっと無理してでもその作品の一部にならないと、ヤダと思って。僕、ちょっと頑固なんですよ(笑)。
山寺:素晴らしいです。
内田:バージェスのキャラクターって、軽薄な感じじゃないですか。そのキャラクターを、まじめで誠実な宮田さんがやるっていうのが、本当に勉強されたんだなというのをすごく感じて、感動しています。
宮田:照れますね(笑)。
山寺:でも、先生のチョイスは、浪川で良かったのか心配したんですけど(笑)。
宮田:僕、水樹奈々さんにも、「浪川さんで大丈夫なの?」って言われたんですよね(笑)。
山寺:ただ、浪川のさっきの手紙は素晴らしかったです。初めて感心しました。
宮田:ははは(笑)。
──最後に皆さまにメッセージをお願いします。
山寺:今日は本当にありがとうございます。無事公開された「BEM」がどんどん広がっていくように、皆さんいろんなところでお話しいただければ。その中で、「マンストールも良かったよ」とちょっと言っていただければ、そのうちマンストールとバージェスを主人公にしたスピンオフがね、作られることもあるかもしれませんから(笑)。本日は、本当にありがとうございました。
宮田:今日は本当にありがとうございました。本当にこうして半年ぶり以上に皆さんの顔が見られて、僕は幸せでした。今回はアニメ作品ということで、僕が演じた声が日本中で流れているということなので、たくさん劇場に行って、俺の声を聞いてください!これからもよろしくお願いします。
内田:本日はお越しいただきありがとうございました。「BEM」がたくさんの人に観ていただけていて、とてもうれしく思います。この作品を見て、胸が締め付けられるというか、私もキュッとする気持ちでいっぱいなんですが、ぜひみなさんたくさんいろんなお友達に広めていただいて、みんなでもっとたくさんの人に観ていただけるように私も頑張りますので、よろしくお願いします。今日はありがとうございました!
<浪川大輔 手紙全文>
皆さまこんにちは。今回、一切出演しておりませんが、関係者さんの計らいもあり、図々しくも筆をとらせていただきました、声優の浪川大輔です。
まずは、「劇場版BEM」公開おめでとうございます。「早く人間になりたい」というテーマが、壮大なバトルと心をギュッと締め付けられる切なさで胸がいっぱいになりました。昔ながらのファンの自分にとっては、冒頭のサプライズも最高でした。
収録前にバージェス役の宮田くんが「アフレコをするなら、できる限りの準備を」ということで、生意気にもアドバイスさせていただきました。宮田くんは常にまじめで、素直で、好奇心が旺盛で、そして笑顔がかわいい。
アフレコにとって、キャラクターを生かすことが大事なことです。まさに自我を消すこと。これは難しいのですが、宮田くんの本気のアニメ愛で、難なくクリア。吸収力がすごかった。その取り組む姿勢にこちらがたくさんのことを教えてもらいました。ありがとう。
次世代の業界を支える真礼ちゃん、尊敬する山寺さん。あっ、研究熱心で、貪欲で、天才的に気が使えて、腰が低く、面白く、優しい山寺さん。これくらいでいいでしょうか(笑)?また奢ってください。お2人とも、宮田くんを褒めてください。
それでは、「出ていないお前の時間が長い」という空気も感じてきましたので、お暇します。「劇場版BEM」大ヒット!お邪魔しました。 浪川大輔
映画の詳細は、公式サイトまで。
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